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カロリーゼロドリンクを水代わりに大量摂取してはいけない理由

メルマガ『届け!ボディメイクのプロ「桑原塾」からの熱きメッセージ』の読者から、減量時の人工甘味料入りドリンクの利用について、質問が届きました。桑原塾長は、2つに大きく分けられる甘味料について解説。ダイエットや血糖値対策として上手に活用することを勧めています。ただし、「カロリーゼロ」という表記についてはしっかりした理解が必要だと注意を促しています。

人工甘味料は体に悪いのか?

Q. トレーニングなどを教えてくださる師匠的な人が人工甘味料を極端に嫌っていまして、ダイエットコーラなどを飲むことも禁止されます。 特に減量中には助かるアイテムだけに、自宅などではこっそり飲んでいますが、公の場では飲まないようにしています。色々とデメリットも説明してくれるのですが、そんなに体に悪いものなのでしょうか? それと、カロリーゼロのドリンクはカロリー的には水と同じと考えていいのでしょうか?(36歳、女性)

桑原塾長からの回答

人工甘味料を嫌う人はいますよね。もちろん積極的にお勧めするものではありませんが、あまりにも過剰反応するのもいかがなものかと思います。 食品添加物の甘味料も、大きく2つに分けられます。ひとつはキシリトールやステビアのような天然に存在するものです。いわゆる天然の甘味料です。

もうひとつはアスパルテームやスクラロースのような人工的に作られた甘味料です。これらは食品衛生法に規定されています。師匠が嫌っているのは、恐らくこちらの人工の甘味料でしょう。

人工的に作ったこれらの甘味料は砂糖の何百倍もの甘みをもつので、ごく微量でも十分な甘みを発揮してくれます。アスパルテームは砂糖の200倍、スクラロースに至っては砂糖の600倍もの甘味度です。

その分カロリーが少ないので、ダイエット時などにはありがたい存在となるわけです。また血糖値も上がらないため、血糖値対策としても効果があります。

味の面では、どうしても砂糖やブドウ糖のような自然な甘味にならないため、各社工夫を凝らしてアスパルテームとアセスルファムKをブレンドしてみたり、スクラロースを混ぜてみたりして自然な味を目指しています。

最近では味の完成度も高くなってきて、この手の味覚の判別には少々自信をもっている私も、以前、実際、目隠ししてダイエットコーラを飲んで、自信満々で赤コーラだと答えてしまいました。

質問者の方の師匠さんが嫌っている理由にもそれなりの根拠もあるのですが、少し極端な解釈であったり、拡大解釈をしているように感じます。 例えば、焦げたものを食べると癌になるというのは一定の根拠がありますし、真っ黒焦げの食べ物は避けるのが普通でしょう。しかし、だからといって、一切の焦げを避けるというのもこれまたナンセンスは話なのと似ているかもしれません。 多くのネガティブな実験はネズミなどの動物を使って行われますが、人間以外はモノを焼いて食べるという習慣がありませんから焦げに対しての酵素も弱く、単に人と比較するのはおかしいのです。

勿論、認可された食品添加物に関しては、人での安全性のデータがしっかりと存在しています。

他にも、ダイエットコーラを飲んだ人が肥満になったという記事を読んだこともありますが、これもダイエットコーラが原因なのかは少々疑問です。元々、肥満の人がダイエットコーラを飲んだのかもしれませんし、それ以外の食の要素の検証も十分になされていません。

また更に極端な否定の理由として、脳障害を起こしたとか、神経系に障害が起こるとか、不妊、流産、精子が減る等々さまざまな危険性を訴えられています。

しかし、少なくとも厚生労働省において厳しい実験を実施して、摂取許容量なども決めるなどかなり厳格な安全基準を設定して、そのすべてをクリアした人工甘味料だけが食品添加物として認可されているわけですから、それに対しては極端に怖がる必要はないと思います。

あとは、もう価値観の問題かもしれません。健康害が明確にあるとわかっているタバコですら20歳を過ぎれば吸うことは認められているように、わずかなリスクでも避けたいという発想自体は否定するものではないでしょう。ただ、個人的にはあまり気にせずに使用すればいいと思います。

一方で、例えば、カロリーゼロという表記には少し注意が必要です。カロリーゼロとかノンとかレスといった表現は、必ずしも完全にゼロでなくても可能だからです。

これは100mlあたりで5kcal以下であれば表記が許されています。つまり、500mlのペットボトルにつき、最大25kcalのカロリーが含まれているという可能性があるからです。

またカロリー以外にもカフェインが含まれていたり、砂糖やブドウ糖以外の甘味料の場合は自然とか人工とかにかかわらず、大量に摂取すると下痢を起こす可能性もありますから、水の代わりにダイエットコーラを飲むというのは止めるべきでしょう。

ダイエットの際には口さみしさや空腹から、どうしてもゼロカロリードリンクやコーヒーの摂取量が増える傾向にあります。ダイエット自体が健康目的であるならば、あまり極端な量の利用は避けるべきかもしれません。

ただ、コンテストであるとかある種の規格外を目指すためのダイエットの場合は、期間限定で気兼ねなく利用してはいかがでしょうか。最近は、普通の炭酸水も随分と普及していますから、こちらを利用すればより心配は減るかもしれません。

飲み物以外であれば、キシリトール系のガム、干し梅、スルメといったコンビニで簡単に入手できるものも、意外にお役立ちアイテムです。

私は糖質を制限している時の、低血糖や立ち眩み対策には、いつも個装のクッピーラムネを持ち歩いていました。ちょっとイメージしにくいかもしれませんが、炭酸水と一緒に必須アミノ酸を飲むという方法も、空腹を感じにくくなって利用していた時期がありました。

ご参考にしてみてください。

image by: shutterstock.com

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桑原塾塾長 桑原弘樹は、国内大手食品メーカーでサプリメント事業を立ち上げ、全商品の企画開発に携わる一方、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部PDAなどの立場で、国内外問わず多くのトップアスリートに直にコンディショニング指導を行ってきた。サプリメントは作るだけにとどまらず、「日本で一番使っているのでは」と豪語するほどのユーザーでもあり、年間300回のワークアウトも欠かさない。サプリメントやダイエットなどの分野で、多くの情報が散乱する昨今。サプリメントを作り、自ら試し、活用法を指導してきた、桑原塾長が、本物で価値あるボディメイク情報を提供すべく、スクランブル発進する!!!

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