北海道のとある町の名産品としても知られている「越冬キャベツ」。実はこの甘いキャベツ、「偶然の産物」だということをご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で人気コンサルタントの中久保浩平さんが、「ピンチの後に訪れる偶然のチャンス」を手に入れる方法を記しています。
激甘キャベツの教え
突然ですが…越冬キャベツをご存知でしょうか?越冬キャベツとは、北海道和寒町の農家で生産されているメロンに匹敵するほどの甘みがあり重宝されている名産品としてもロングセラーのキャベツです。
この越冬キャベツ。生産者が「メロンに匹敵する甘さ」を引き出すために試行錯誤し、研究を重ねて作りだしたという産物ではありません。実は、偶然に出来た産物なのです。
1968年、豊作だったその年、キャベツは通常通り、夏から秋にかけて収穫し出荷。しかし、秋キャベツの価格が大暴落しました。売れないキャベツが山積みとなり、困った生産者は、そのまま畑に放置してしまいました。やがて冬になり、放置されたキャベツは、そのまま雪に埋もれていくことに…。
年が明け、1969年の春。昨年とは打って変わって、深刻な野菜不足。市場ではキャベツも高値で売られていて市民はみな困っていました。その現状を目の当たりにした農家では、放置していたキャベツのことを思い出し、半ば諦めの境地で雪の中から、掘り出し試食してみたのです。
すると、びっくり。なんと、尋常じゃない甘さのキャベツになっていたのです。
調べてみると、キャベツは雪の中で自然冷蔵され鮮度が落ちるだけでなく、キャベツ自身が、凍らないようにと雪の中で必死で頑張ることによって、糖度が上がりギュッと凝縮された甘みを出していたことがわかったのです。
このことで、地元農家は団結して、この農法によるキャベツ生産に本格的に乗り出していきました。越冬キャベツの誕生です。
ピンチをチャンスに変えるという言葉がありますが、時に偶然が、ピンチをチャンスに変えることもあるようです。ですが、決してそれは待っていて起こりうるものでなく、ピンチのときに何を察するか?ということがカギです。
和寒町の農家では、野菜不足で困っている人達を見て、思い出したように雪に埋もれたキャベツを掘り出しました。そして、実際に食べました。この行動が、市場を救い、自分達農家も救ったのです。
もしこれが、ひねくれた人やボッーとしているだけだったらどうでしょう?野菜不足で困っている市場を冷ややかな目で見て、「いわんこっちゃない」なんてつぶやくだけで、雪の中のキャベツを試食せずにそのまま処分していたかもしれません。
商売やビジネスでは失敗することの方が多いです。ピンチに陥ることも多々あります。それらを乗り切るためには、備えだけでなく、失敗やピンチの瞬間に、深く考えるのではなく直感的にその事態を見抜く、洞察力も必要です。その洞察力があって、備えが活きてくるのです。そして、その一連が、ピンチをチャンスに変えてくれるのです。
ということで、洞察力を磨くために今日からどんな取り組みをしましょうか?
■今日のまとめ
「洞察力を磨くことで、ピンチをチャンスに変える力を養う」
- 目に見えない失敗やピンチに対処すべく備えに必要なことをノートに列挙する
- 列挙したことについて準備する
- 準備したことをいつでも活かせるようにするために洞察力を磨く
- 洞察力を磨くためにどのような取り組みや訓練ができるか?考えノートに書き出し、実践する
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