現代社会において、マネジメントは管理者だけでなく、若手社員をはじめ、スポーツや教育、クリエイティブな職種にも重要なスキルとなっています。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では著者の石丸智信さんが、子供の成長にも有用な考えとして「これから求められる3つのビジネススキル」を詳細に考察し紹介しています。
求められる3つのスキルとは
以前聴講した管理者や若手社員などを対象とした研修の中で、たびたび取り上げられる内容として、「これから求められる3つのビジネススキル」というものがありました。米国の経営学者で、ハーバード大学教授であるロバート・カッツ氏が、マネージャーに求められる3つのスキル、能力として提唱したものです。
マネージャーに求められる能力として、
- テクニカルスキル
- ヒューマンスキル
- コンセプチュアルモデル
の3つに分けて、それを構造化、体系化しました。この考えは、職場における管理者のみに当てはまるのではなく、子どもたちが、自立・自律型人財へと成長していく上でも有用な考えだと思います。今回考察していきたいと思います。
まず、1つ目のスキルとして、「テクニカル・スキル」を取り上げます。
このスキルは、仕事や業務を遂行していく上で必要な技術的能力や専門的能力です。テクニカル・スキルの例としては、経理担当者であれば、簿記の知識ですし、営業担当者であれば、扱っている商品に関する知識、通訳であれば、他国の語学の知識、看護師だとすると、看護に関する知識、学校の先生であれば、各教科の知識などが挙げられるでしょう。
また、スポーツ選手においてもテクニカル・スキルは必要不可欠ですね。野球選手であれば、ピッチング、バッティング、守備の技術が必要ですし、陸上選手だとすると、走る、飛ぶ、投げるための技術、サッカー選手であれば、ドリブルやパス、シュートなどの技術が、このスキルに当たると言えるでしょう。
2つ目のスキルは、「ヒューマン・スキル」です。
このスキルは、対人関係に関する能力であり、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、対人影響力、メンタルマネジメントなどが挙げられます。
例えば、営業担当者であれば、お客様との信頼関係を築くためには、コミュニケーション能力が必要ですし、相手に何らかの提案をするために、プレゼンテーション能力が必要となります。学校の先生であれば、児童・生徒との信頼関係を構築するためや、生徒に知識を教える上でも、このスキルは、必要となるでしょう。
また、通訳や看護師などでも、通訳する相手や患者さんなどがいますので、コミュニケーション能力が必要になりますね。
スポーツ選手でも、選手同士やコーチ、ファンとの良好な関係を築くことも大切になるので、コミュニケーション能力などのヒューマン・スキルも欠かせないものだと思います。
3つ目のスキルとして挙げるのは、「コンセプチュアル・スキル」です。
このスキルは、概念化能力とも言われ、物事の本質を把握する、見極める能力です。例えば、論理的思考、問題発見・解決能力、創造力、課題発見・達成力、変化対応力、応用力などが挙げられます。
例えば、営業担当者ならば、お客様の問題を発見し、解決することが必要ですし、学校の先生であれば、児童・生徒に応じて分かりやすい授業にするために、応用力や創造力なども大切となるでしょうね。
また、スポーツ選手においても、プレイ中には色々なことが起きるので、創造力や変化対応力などのコンセプチュアル・スキルが必要だと思います。
ロバート・カッツ氏は、この3つのスキルを、各管理階層によって、求められる重要度を分けています。
「テクニカル・スキル」は、主任や係長などのロワーマネジメントになるほど重要度が高くなり、「コンセプチュアル・スキル」は、経営者などのトップマネジメントになるほど重要度が高くなります。「ヒューマン・スキル」は、ロワーマネジメント、ミドルマネジメント、トップマネジメントに共通した重要度になっています。
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