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中学生になった息子が「干渉しないで」初めて言われた母の戸惑い

子供が成長するに連れ、親との関係性にも変化が出てくるのは当然のことですが、なかなか受け入れることができない親御さんがいるのも現実です。今回の無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では、ご主人からも「干渉しすぎではないか」と言われるほどに我が子とべったり過ごしてきたお母さんから届いたお悩みに、著者のパピーいしがみさんが回答しています。

子供の自発と親の関わり

こんばんは。パピーいしがみです。さて、今日のメルマガは「子供の自発と親の関わり」と題しました。

「子育て」を考えた時、多くの方が乳児・幼児・小児…の関わり方をお考えになりますが、子供たちは必ず成長し中学生高校生になって行きます

子供が成長するに従って変化があるのが当然ですが、なかなかそれを受け入れられない方や、子供に変化があっても親の関わり方が上手にできずお悩みになる方もおられます。

今日は、そんな中学生になった息子さんとの接し方で悩んでおられたマルモンさんをご紹介したいと思います。

まずはマルモンさんからのご相談メールにはこのようにありました。

パピー様、この度、勉強を始めさせていただきました。マルモンです。初めてのご相談ですが、よろしくお願いします。

 

私が今、悩んでいる事は、中学1年生になった一人息子の事です。

 

何が起きた…という訳ではないのですが、今まで私の子育てがとても自分本位のものだったので、中学に入ってどんどん変わっていく息子に戸惑っています。

 

息子はもともととても大人しくて、からかわれやすい子でした。

 

幼稚園の時にも、からかいやいじめられることが(私自身が)辛くて、二度転園しています。

 

小学校でも、最初は公立の小学校に入学したのですが、からかいが頻繁にあったので、私立の小学校に転校しました。

 

私立の小学校でも、からかいがあったものの、いじめにまでは行かず、又、先生にお伝えすることで未然に防げてもいましたので何とか過ごすことができました。

 

ですが、パピーさんの勉強を始めてから、簡単に転園や転校を選んでしまった事。これはすべきことではなかったな…と反省しています。

 

又、反省や後悔は他にも数々あって、この子は運動が苦手だから…と決めつけて「苦手な運動をするより勉強を頑張ればいい」と嫌な事から逃げるように教えてきてしまったと思います。

 

そして「勉強だけは…」と私も執着し過ぎてしまい、毎日、子どもと一緒に家庭学習をして、子供の学力も上位をキープさせていました。

 

それを見ていた主人からは「ちょっと干渉し過ぎじゃない?」「もう少し自分で考えさせた方が…」と言われることもありましたが、心配性な私が過保護になり過ぎて、結局、小学校卒業まで子供にべったりになってしまいました。

 

中学になり、学校の方針として“文武両道”を勧める事も有り息子は陸上部を選び、初めてのスポーツと向き合うようになりました。

 

土日は試合がなければお休みの日が多いのですが、毎日授業の後、部活があってとても疲れて帰ってきます。

 

今まで一緒にやっていた家庭学習も「疲れているからムリ」と拒否をするようになり、次第に「自分のやりたいようにやるからほっといて」と言い、今では「あんまり干渉しないでくれる?」と拒絶されるようになってしまいました。

 

直近の成績では、学年で真ん中ぐらいまで落ちてしまい、この先どうなってしまうんだろう?と心配でどうしたらいいのか悩んでいます。

 

今までの私の子どもとの関わり方に問題があったと思うのですが、今後、私はどうしたらよいかお教えいただきたく思います。よろしくお願いします。

マルモンさんの不安。心配なお気持ち。とてもよくわかります。

お子さんが大人しかったこともあり、きっとお母さんの言うことを素直に聞いてくれて、マルモンさんにも「この子には私が必要!」という思いが強かったのだと思います。

が、中学に入って子供が成長し、又、友達や先輩と触れ合う事で「周りと違う」という事も感じたでしょうし、この年になっても母親と近い関係にある事にも疑問をもったのではないかな?と思うのですね。

でも、これってとても正常な事ですし、子供が親から離れ、飛び立つ準備をし始める事は、親は認識しておかなければなりません。

なので、私はこのようにお返事しました。

マルモンさん、こんにちは。パピーいしがみです。メール拝見しました。

 

マルモンさんの不安や心配とてもよくわかります。そして中学に入って変わっていく息子さんを見て、何か遠くに行ってしまったようなお気持ちにもなっているのだろうと思います。

 

今まで、一緒に勉強をなさるほど努力をされていて、成績も良かった様ですから、きっとマルモンさんは、中学でもその形でお続けになるおつもりだったのかもしれません。

 

ご自分の思い通りにならない現実をどうしたらいいだろう?とご相談を下さったのだと思いますが、私は、メールを拝見して「これって良い方に向かうのでは?」と思っているのです。

 

もちろん、マルモンさんの不安は良くわかります。成績がすぐれない事についてもご心配でしょう。

ですが子供は必ず成長して、いつかは親を追い越していきます。それは自分で生きていくようになる為です。

 

マルモンさんは、息子さんから拒絶されたようにお感じになるかもしれませんが、私たちの子育ての最終目的は、子供が自立する事なのですから、少しずつ子供と距離を取り、最終的には子供が親から離れていく事を考えていてほしいのです。

 

マルモンさんからのメールにも「心配性な私が過保護になり過ぎて、結局、小学校卒業まで子供にべったりになってしまいました」と書かれていましたね。

 

きっとマルモンさん、ご自身もちゃんと分かっていて、どこかで今の関係を変えていかなければいけないと感じておられたのだと思います。

 

本来、10歳近辺で起きる自己主張や親への反発があれば、親も子供に合せ易かったのですが、息子さんが従順であった事も有り、ちょっと遅くなったとのでは?と思われます。

 

今回、中学入学と共に、息子さんの変化に戸惑いを感じ、又、勉強時間の確保もできず、成績も下がってしまった事に強い不安をお感じになったと思うのですが、息子さんの変化は、親から離れていく為には、大事なプロセスなんです。

 

それが突然、大きな波のようにお感じになって、強い不安を感じていると思うのですが、今の状態が“子供が成長に向かう転機だ”と考えてほしいのです。

息子さんはあまり運動が得意でなかった、と書かれていましたね。そしてマルモンさんも「苦手な運動をするより勉強を頑張ればいい」と、運動を避けてきた経緯があるみたいです。

 

すると授業を終わった数時間、毎日運動に打ち込むことは、息子さんにとってはかなりの疲労感を感じるでしょうし、家に着く頃は勉強などできないほど疲れてしまうのでしょう。

 

ですが、運動に打ち込むことで体力が付いてきますし、骨や筋肉、内臓や心肺機能も成長します。又、友達、先輩などと交わることで、人とのコミュニケーションも上手になって行きます。

 

最初の数か月は楽ではないでしょうが、毎日運動する事で、必ず今の運動量にも慣れてきます。

 

勉強も、今は毎日疲れて帰ってくることで自主勉強からは遠ざかり、その結果が成績にも表れているのだと思いますが、体力が付いてきて「このままの成績じゃイヤだ!」と自分で考えるようになればきっと向上してくると思います。

 

息子さんはきっと優しい気持ちの持ち主で、お母さんの言葉に素直に従ってくれたと思います。ですが、ずっとお母さんに従っているだけでは、やはり“自立”は難しいのです。

 

自分で判断をし、考えて行動できるようになる為には、親に従うだけでなく、間違ってもいから1人でやってみる事がとても大事で、そこで沢山の失敗や成功を経験してほしいのですね。

 

そういう意味では、中学に入っての息子さんの変化は、大人になっていく為の段階として、とてもいいチャンスでもあるんです。

 

特に自分で陸上部を選んだ事は、本人が考え、判断したこととして認めてあげて欲しいんですね。

 

マルモンさんのメールには「今後、私はどうしたらよいか?」と書かれていましたが、このタイミングを好機と捉え、子供が自分で行動できるように見守ってあげて欲しく思います。

 

どうしても「こうしたら?」「ああしたら?」のように口を出したくなると思いますが、子供が自分の足で歩きだしたと認識し、ちょっと子供から離れてみる。子供を信じて、子供に任せてみたらどうでしょう?

 

私はいい方向に向かうんじゃないかな?と思います(^^)。

上記のお返事をしたのですが、マルモンさんとしてはすんなりとは受け入れられず、しばらくご自分の気持ちを切り替えるのに時間が掛かったようです。そして担任の先生。部活の顧問の先生にも相談をなさったそうです。

担任の先生には「息子さんは確かに今、成績が下がっています。でも授業態度はまじめですし、頑張ろうという気持もあります。お母さんとしては心配でしょうが、本人が自分から這い上がる姿を見てあげてください」と言われ、部活の顧問の先生にも「走りを見ると、運動をしてこなかった子は一目でわかります。でもだからダメだという意味ではありません。1年練習を続けると必ず体は変わってきますし、それが本人の自信になると思います。今の成績だけを見て判断するのではなく1年後2年後を見てあげてください」と言われたそうです。

そして、それからしばらく経ってマルモンさんからご報告を頂きました。こんな内容でした。

パピーさん、ご無沙汰しています。マルモンです。しばらく時間が空いてしまいましたがご報告をさせて頂こうとメールを書いています。

 

パピーさんに「とてもいい機会だから、子供を信じて見守ってあげて…」とお返事を頂き、とりあえずのお礼のお返事をしましたが、実は私自身納得できていませんでした。

 

私は「過保護すぎた自分は分かっている」「転園・転校もやり過ぎだった」「今までの子供との接し方が間違っていた」とは書きましたが、本音は「前のような親子関係に戻りたい」「そんな方法を教えてほしい」という気持でした。

 

できればなんとか陸上部を止めさせることができないか?とさえ思っていました。

 

文面では、自分の間違いを認め、改めたい…とかっこいい言い方をしていましたが本心では全く整理ができておらず、完全に子離れできない親で未練たらたらでした。

 

ですから「ずっとお母さんに従っているだけでは、やはり“自立”は難しいのです」の言葉はとても厳しく感じ、しばらく凹みました。

 

が、はっきり言って頂いたおかげで自分の気持ちを切り替える事ができたと思っています。

 

子供が中学に上がってから1年間は、私自身とても苦しかったです。

 

ですがパピーさんも言ってくださったように、毎日運動をすることで、しだいにその運動量にも慣れ、食事の量が以前の倍ぐらいになって、体もどんどん大きくなり、日に焼けてたくましくなっていきました。

 

陸上部の中では、決して成績が良いわけではないのですが「自己新記録が出た」「又、更新した」と、どんどん自分の記録を塗り替えていく事が楽しかったようです。

 

とても嬉しそうに報告してくれる表情は今まで見たことがありませんでした。

 

そして顧問の先生からは「○○(長男)は、タイム的にはあまり早くないが、伸び率では過去最高だぞ」と言ってもらったそうです。

 

先生は「陸上は結果が全てだけど、それで人の価値が決まるわけじゃない。大事なのはどれだけ自分を成長できたかだ!お前はこれだけ自分を成長させたんだ。これってすごい事なんだぞ!」と部員の前で褒めてくださったようです。

 

嬉しそうにそうやって話す子供を見て、私はどうだっただろう?と振り返った時、「私はその時々の結果だけしか見ておらず、子供の未来や成長を考えていなかった」とやっと気づいたのでした。

 

3年生になった今も、下級生に抜かされてしまう事も多いみたいですが、決してあきらめずベストを尽くす姿に感動します。

 

そして陸上部の子供たちは頭の良い子が多く「タイムでも負けて、勉強でも負けるのはイヤだから、塾に行かせてほしい」と言い出して、勉強も自分から取り組み始めました。将来は顧問の先生の様になりたい!との思いがあるみたいです。

 

思えば、パピーさんの言葉は子供の「今」ではなく「これから」を考えてのアドバイスだったのに、私は足元ばかり見ていて、右往左往していました。

 

でも、こうやって時間が経ち、大きく成長した我が子を見て、過保護や過干渉を続けなくてよかったと安堵しています。

 

やっと「子供を信じ、任せて、失敗もさせよう!」の覚悟ができた感じがします。私は苦しかったですが、子供は充実した中学生活だったのではないかな?と子供の表情を見て思っています。

 

来年は高校受験があります。まだ本人も志望校を決めかねているようですが、相談があるまでは口を出さず、じっくり自分で考えて高校受験も突破し、高校生活も楽しんでほしいです。(後略)

実は、マルモンさんにお返事した「ずっとお母さんに従っているだけでは、やはり“自立”は難しいのです」は、お返事に書こうかやめようか、悩んだ言葉でした。

というのは、それが真実であってもマルモンさんには刺激が強すぎるかな…と考えたからでした。

でも、分かっていながら止めることができなかったマルモンさんには、ちょっと刺激が強くてもここで考え方を切り替えてほしいとの思いで記載したのでした。

マルモンさんからのメールには「未練たらたらでした」「1年間はとても苦しかった」と書かれていましたが、ちゃんと距離を取って見守って下さったんだな…という事が頂いた内容から分かります。

その結果、息子さんは自分で自分を高める楽しさや頑張った先に歓びがある事も知る事になったと思うのですね。

勉強も自分から「塾に行きたい!」と言い出したようですし、高校受験も控えてエンジンがかかってきたように感じます。

親が子供の変化に合わせて、接し方を変えていく事は、とても難しいとは思います。ですが子供が親を必要としなくなった時、接し方を変えてみる子供に任せて失敗をさせてみる最大のチャンスにもなるんですね。

マルモンさん、貴重なご報告をありがとうございました。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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