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「未病」も病気。カラダに耳を傾け先回りする東洋医学の対処法

なんかちょっと調子が悪くて、病院へ行っても特に病気というほどじゃない。そんな「未病」の状態も東洋医学では病気と位置づけられているそうです。メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』の著者、のぶ先生が、おでこ、眉間、口元などに現れる「未病」のサインと対処法を教えてくれました。

不機嫌は病の始まり

【病名がつく病は「已病(いびょう)」】

具合が悪くなって病院を受診して病名を言い渡されます。この段階の病のことを、東洋医学では「已病(いびょう:すでに病む)」といいます。 また、東洋医学ではこの病名がつく前段階の状態も、病として考えとらえています。たとえば、顔色が悪い、態度が悪い、姿勢が悪い、言葉遣いが悪い、などなど、いつもと比べてネガティブな方向へ様子が違って感じる時(自他共に)、東洋医学では未病(みびょう:未だ病名がつく前の病)」とよびます。 「未病」とは「未だ病まず」と書いてありますが、病気をする前段階は健康な状態から外れているので、心身が不調和をおこしていて「病名が付けられない病」として、日頃から対処する必要があります。

【健康と病の境目】

心身ともに健康で元気を保っている状態では、機嫌がとてもよいです。そう、ご機嫌よく身軽に過ごしている状態を健康の基準にします。 この「ご機嫌がよい」を基準にするのは、持病がある人でも、年老いて思うようにカラダが動かない人でも、ココロおだやかににこやかに過ごせていれば、病を抱えていない状態と考えることができます。

【笑顔をとりもどすことで、病は好転する】

長梅雨で梅雨寒が続くこの頃。息苦しくてのぼせやすく、同時に湿気と冷え込みの影響で身体機能は低下気味。こんなカラダのコンディションがバランスを崩しやすい時期は、自然と「ご機嫌」も悪くなりやすいです。 イライラしたり、落ち込んだり、悩みごとが増えてふさぎこんだり。 こうした情緒の偏りは、感情をしなやかに受け止めるカラダの働きが破たんし始めている証拠です。 「おでこの様子」 感情のわだかまりを感じて、まぶたの重さを感じるようなら呼吸に負担がかかっています。後頭部から肩にかけて蒸しタオルで温めることで、梅雨寒やエアコンの冷気で冷やされた肩のこわばりが取り除かれると呼吸が楽になり、まぶたの重さが取れると気持ちの落ち込みやため息が楽になります。

「眉間の様子」 イライラや落ち着きのなさを感じて、眉間や目の下あたりに緊張があるようなら、湿気の影響で消化器の働きが落ちています。消化のよい食事に切り替えたり、セロリやゴーヤなど苦みのある食材を取るようにして肝機能を引き上げることで、眉間やみぞおちの緊張やつまった感じが楽になり、気持ちにゆとりがとりもどされます。

「口元の様子」 悩みや不安が取れず不眠傾向で、口元がへの字に曲がっているようなら、梅雨寒の影響で足腰が冷えて骨盤内がうっ血しています。 便秘を伴い下腹の差し込む痛みや痔疾を患っているようなら、足湯をしたり便通をうながすために海藻や寒天ゼリー、こんにゃくなどの食物繊維を含む食材を取るようにすると、便通が解消されるとともに、ココロと足腰の軽さをとりもどすことができます。

東洋医学では病名がつくほど病態が進行していることを深刻に考えます。カラダに耳を傾けるゆとりのある生活をしていれば、感情の乱れや体調のアンバランスをおこしているだけの状態で、不調に気がつくことができるはずです。 まだまだ陽気が安定しません。気軽に手軽に病気の先回りをして対処するためにも、毎日の自分の機嫌を「ご機嫌」に保つ「ゆとり」のある生活習慣を少しずつ見直していけたらいいですね。そんなお手伝いが、このメルマガでお役に立てば幸いです。

image by: Shutterstock.com

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臨床歴20年の鍼灸師。東京都杉並区在住。「やさしい鍼」という流儀で治療を行っている。小学生の娘2人をもつ、子育て真っ最中のパパでもある。メルマガには季節にあった体に負担のかからない暮らし方、食事のとり方が書かれているので、そのとおりに過ごせば病知らずです。

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【著者】 鍼灸師・のぶ先生 【月額】 660円/月(税込) 【発行周期】 毎週金曜日

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