安倍晋三首相は12日、森雅子法務大臣が「東日本大震災の時に福島県いわき市で検察官が最初に逃げた」「身柄拘束をしている十数人の方も理由なく釈放して逃げた」などと答弁したことについて厳重注意した。NHK、毎日新聞などが報じている。
森法相「検察官が逃げた」答弁を撤回 参院予算委 #nhk_news https://t.co/64NbgFhrXk
— NHKニュース (@nhk_news) March 11, 2020
森法相、問題の答弁
問題とされているのは9日の衆院予算員会の「検察官の定年延長に関する質疑」の際の答弁だ。黒川弘務検事長の「定年延長」問題のことを追及されていた時のことである。森氏は、社会情勢の変化の例として東日本大震災のケースを取り上げ、「震災の時、検察官はいわき市から国民が避難していない中で最初に逃げたわけです。身柄拘束をしている十数人の方も理由なく釈放して逃げたわけです」と、質問とは関係のない内容の「私見」を述べ始めた。
森まさこ法務大臣が変すぎて、パニック状態になる山尾しおり議員。 pic.twitter.com/wBnd9RbRJi
— Dr.ナイフ (@knife9000) March 11, 2020
これに対して、立憲民主党の山尾志桜里氏は事実関係をただしたが、森氏は「事実だ」と答弁。この答弁に野党側からは「大問題だ」「事実と異なり検察をおとしめるもの」「それは政府としての見解か」など反発の声が上がり、途中休憩のまま散会した。
森氏の問題行動に、予算委員長「あちゃー」
いやぁこの音声が残ってるのは本当よかったよ金子原二郎 予算委員長の「あちゃー」って流石の自民党議員でも事のヤバさわかってるし森まさこ大臣の発言や行動はおかしいって思ってるんだろうな(勝手な主観ですが)
謝罪や撤回じゃなく辞任しかないよ pic.twitter.com/rWzxnGp5pN— 仁尾淳史(note始めました) (@atsushi_mic) March 12, 2020
森氏の問題行動はこれだけではない。立憲民主党の蓮舫氏は、森氏が質疑中に委員長の許可を得ず、与党の理事の許可を得て離席したことについて指摘。化粧室に逃げ、森氏自らメディアに声をかけ、「ぶら下がり」と言われる記者団とのやりとりに応じたことを明かし、国会で話していない釈明を始めたことについて強く批判した。
森氏は取材のなかで、謝罪のタイミングや理由について「国会からご要望をいただきました」と虚偽の内容を話していたという。また、法務省担当者が森氏に戻るよう指示したあと、「質疑中だったので先ほどのぶら下がりは使わないようにお願いします」と述べたという。これについて予算委員長は「委員会中?」「あちゃー」と呆れており、ため息が止まらない様子であった。
発言を撤回
森氏は後日、「理由なく」と「逃げた」は個人的見解で、「法務省が確認した事実と異なる発言をしてしまった」と、不適切な発言として答弁を撤回。「深くおわびする」と述べた。
厳重注意も、森法相は続投
安倍晋三首相は12日、首相官邸で森氏と面会し、安倍首相自ら厳重注意したことを記者団に明らかにした。また、「すでに森法務大臣自身が発言を撤回し、謝罪しているものと承知している」としたうえで、「今後よりいっそう緊張感を持って職務を果たしていってもらいたい」と続投を示した。この首相の対応や森氏の一連の言動などについて、ネットでは批判の声が多くあがっている。
Twitterの声
森法務大臣の件、検察官が逃げたという嘘をついたことも問題だが。検察官の定年延長が必要になった新たな事由は何かという質問に対して、突然この虚言を叫び出した点はもっと深刻だと思う。知的な判断力、思考力を欠いていた。法務大臣こそ常に平静でいてもらわなくては困る。
— 山口二郎 (@260yamaguchi) March 13, 2020
森法務大臣の発言はもちろん問題ですが黒川東京高検検事長の定年延長が官邸の検察に対する介入で大問題です。このことを撤回させなければなりません。
— 福島みずほ (@mizuhofukushima) March 12, 2020
これはひどい、と何回言ったことか。国会が答弁を求めるから出席せよと命じられている森法務大臣が、なんと質疑中に離席した時に部屋の外でマスコミの囲みを受け、国会でもやってない釈明を始め、法務省職員に連れ戻されるという前代未聞のことが起き、その説明を聞いた委員長が深いため息をついたと。 https://t.co/nYDIcamGUN
— 住友陽文 (@akisumitomo) March 12, 2020
安倍首相が、今の日本を危機的な情勢だというならば、まず、森法務大臣を更迭しないと論理が一貫しない(怒)。あんなわけのわからない個人的意見を答弁でぶちまけてしまう法務大臣をおいておくこと自体が危機管理上、問題でしょ。
— 河添 誠 KAWAZOE Makoto (@kawazoemakoto) March 13, 2020
森法務大臣は発言を撤回した。しかし、個人的思いとしては、何も変わらず保持したままであることが今日の国会で明らかになった。とんでもない法務大臣だ。
— qrr8956tgb (@qrr8956tgb) March 13, 2020
森法務大臣の異常なトンチンカン答弁について、安倍首相は更迭もせずに、本人も辞任しないという。もう、安倍内閣は崩壊中!!!(怒)。
— 河添 誠 KAWAZOE Makoto (@kawazoemakoto) March 13, 2020
「お答えを控える」の法的根拠を聞かれた森法務大臣、「行政裁量」と答弁。
それで済むなら国会要らないでしょ。— まりす@maris annの中の人 (@maris_HY) March 13, 2020
「法務大臣としてご質問に誠実に答弁をしていくようにと総理から厳重注意を受けました」と森法務大臣。嘘と誤魔化しとはぐらかし答弁多発の人から言われても重さがなく、法務大臣の午前の答弁を見ていても誠実とは思えない。#国会中継
— Miri (@Miri89313961) March 13, 2020
※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。
image by:法務省HP