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新型コロナでトランプは支持率UP、安倍首相は支持率低下のナゼ

感染拡大が止まらない新型コロナウイルス。人類を脅かしているこの感染症が、皮肉なことに世界の主な民主主義国家の指導者たちの支持率を引き上げている。トランプ米大統領、ジョンソン英首相、メルケル独首相が軒並み支持率を上げる中、日本の安倍首相は支持率を下げているようだ。

支持率を上げたトランプ大統領

米世論調査会社モーニング・コンサルタントが1日(現地時間)に明らかにしたところによると、世界保健機関(WHO)が先月11日に新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を宣言して以降、主要国の指導者の支持率は上がっていると朝鮮日報が伝えている。その代表的な例がドナルド・トランプ米大統領だ。

トランプ大統領の今年1月1日の支持率は41%、先月11日は42%だった。だが、先月24日時点での支持率は44%で、同社による最近1年間の独自調査結果で最高値を記録した。

しかし、トランプ大統領といえば初期対応を誤り、アメリカの新型コロナウイルス感染者数は23万人を越える大惨事となってしまったはずだ。にもかかわらず、なぜ支持率が上昇しているのか? しかも、就任後最高の水準を記録しているという。

この理由を、アメリカのメディアは「危機にある状況の中で、大統領を中心に団結する米国人の傾向」を挙げている。トランプ大統領が新型コロナウイルス対応に関する記者会見のため、毎日1~2時間、生放送で事実上の「大統領選挙遊説」をしているのも重要な理由だ。これに加えて、現金支援などの緊急経済対策が経済を再生させるだろうという期待感が大きいのもある。ワシントン・ポストの最近の世論調査結果では、トランプ大統領の経済対応に関する支持率は57%に達したという。

皮肉なことに、トランプ大統領は新型コロナウイルスの感染拡大を機に、国民の心を上手にコントロールできているようだ。

ジョンソン首相は支持率が急上昇

イギリスのジョンソン英首相も支持率を上昇させている一人。先月11日に46%だったジョンソン首相の支持率は24日に61%まで急上昇したという。トランプ大統領と同様、ジョンソン首相もままた初期対応には手をこまねいていた。

国内の感染者数が増えていき、経済活動に不安が出る中、ジョンソン首相は雇用を維持する企業の賃金を最大80%まで国が負担するという破格の政策を打ち出した。その結果、労働者層の支持を得ることに成功したのだ。ジョンソン首相自身も新型コロナウイルスに感染して自己隔離となり、同情論が起きたとの見方もあるという。今回、支持率を上昇させた主要国指導者の中でも、ジョンソン首相が最も上がったと言えそうだ。

その他の指導者たちも支持率アップ

ドイツのメルケル首相も支持率が先月11日の40%からから24日には49%へと上がった。ドイツは新型コロナウイルス感染者数が7万人を超えるが、死亡率は1%台と低く、その対応が評価されていることが要因だろう。

フランスのマクロン大統領の支持率も28%から35%へと上昇。これは大統領に権限を集中させる非常に強力な大統領中心制をフランスが選択しており、国家的危機が迫れば指導者である大統領を中心に世論が結束するためだと見られている。

また、ソフィー夫人が検査で陽性と判明したカナダのトルドー首相。夫妻ともに自主隔離するなどしたが、トルドー首相の支持率も38%から49%に上がっているという。

安倍首相は支持率を下げる

一方、今回支持率を下げたのは、日本の安倍首相で、33%から32%へと下がったと伝えられている。安倍政権は新型コロナウイルスへの対処が消極的なだけではなく、昭恵夫人の花見問題なども重なった結果、支持率が小幅にダウンしたのではないかと報じられている。

共同通信によると、安倍首相が各世帯に布マスクを2枚ずつ配布すると表明したことを巡り、アメリカのメディアからも失笑が聞こえるという。安倍氏の支持者からも「エープリルフールの冗談ではないのか」という見方が出ていると伝えた。

また、ブルームバーグ通信は「アベノミクスからアベノマスクへ」と題した記事で、多人数の世帯には2枚では足りないとの声を示し、「マスク配布の計画は物笑いの種になっている」と紹介。CNNテレビ電子版も「さえない政策だと多くの人々が感じている」と指摘しているという。

アベノマスクに様々な反応

新型コロナウイルスの感染が広がる中、問われる世界の指導者たちの在り方。国民たちにどういう安心を与えるのか、どういう方向性を示すのか? ネット上では様々な声が上がっている。

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source: 朝鮮日報共同通信

image by: 首相官邸Facebook

 

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