学校が休校になっている地域では、外出もままならず、家でゲームや動画視聴ばかりしているという子どもが多いようです。そんな子どもを心配する親御さんに、昔懐かしい遊びをオススメするのは、メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の柳川由紀さんです。家族と過ごす時間が多いときだからこそ楽しめるボードゲームやカードゲームから、一人で長い時間楽しめるジグソーパズルまで、デジタルゲームにはないメリットの解説とともに紹介しています。
家族で懐かしいあのゲーム
Question
3月の終業式も満足にできず、学校がオンライン授業になって早ひと月。家での遊びもマンネリ化して退屈してきました。ゲームもひと通りやり尽くしたようで、今ではビデオを見てばかりの毎日です。何とかしたいのですが、気分転換になる遊びはありますか?(小学4、5年男、中学2年女子のお母さまより)
柳川さんからの回答
あります!昔懐かしいものも。家にいる時間が増えたひと月は、相当なストレスがかかっています。それでも、喧嘩や不機嫌な状態がなく生活できていることはとても素晴らしいです。おそらく自分をコントロールする力が備わっているのでしょう。これまでの環境がそうした力を育ててきたのです。気分転換になる遊びをご紹介します。
1.親子でボードゲーム
「ゲーム」というと、今の子供たちはデジタルゲームのイメージが大きいですが、40、50代の保護者にとっては、子どもの頃に親しんだ「ボードゲーム」が、もっとも「ゲーム」らしいのではないでしょうか。
双六、人生ゲーム、野球盤、サッカー盤など様々な種類があります。子どもにとっては珍しいでしょうし、実際にやってみると非常に面白く楽しいので、デジタルゲームに負けないほど集中できると思います。
2.ジグソーパズル
一人で黙々と遊びたい、という場合にはジグソーパズルをお勧めします。3歳で100ピースをクリアする子供もいるほど、集中できる遊びの一つです。ジグソーパズルは、感性や感覚をつかさどる右脳の機能を高める効果があるといわれています。子どもの成長期にはぴったりの「脳トレ」ゲームと言えるでしょう。
例えば、有名絵画のパズルを組むと、美術館で本物を鑑賞する以上に、隅々まで絵を知ることができます。ほかにも集中力や持久力を高めたり、痴ほう症を防いだりするための効果があるとされていて、子どもから高齢者まで幅広く愛されています。
3.トランプ、UNO、折り紙
トランプでは、神経衰弱、ポーカー、ツーテンジャック、ババ抜き、七並べ、大貧民、大富豪など様々な遊び方があります。足りない場合は、トランプを2セット、3セットと増やしてもいいでしょう。
勝負に勝つにはどうしたらいいか、相手を迷わせるにはどうしたらいいか、などを考えますし、負けたくないという感情も育ちます。子どもたちそれぞれの性格が出るため、親は子どもの新たな一面を知ることもできるでしょう。
4.室内遊具
外へ出て運動ができればそれに越したことはありません。思い切り走ったり、ボールを蹴ったりして体を動かすとストレスも解消できるでしょう。でもそうした機会がない場合には、室内遊具を利用するのも一考。
売れに売れて品薄状態になっているものもあるようです。例えば、トランポリン。ダイエットにもなるため、大人からも大人気です。次に、バランスボール。こちらも、体幹を鍛えるのにうってつけで、腹筋も割れるそうなのでやはり人気が高いようです。
そして、小さなお子様向けに、「秘密基地」や「ブランコ付きスライダージム」、乗って遊べる「ブルーナボンボン(ミッフィーちゃん/D・ブルーナ)」などもあります。
家庭教育アドバイス…「ボードやカードゲームのメリット」
こうしたゲームのメリットはたくさんあります。ひとつは、「社会性の習得」です。大人数で遊ぶためのルールが身につきます。誰もが気持ちよく遊べるよう自分本位にはできません。
デジタルゲームは「リセット」できますが、対人のゲームでは、負けていても自分勝手にやめるわけにいかないのです。起死回生を狙って辛抱することになります。大人でも形勢不利になるとやる気をなくしたり、投げやりな態度でその場を白けさせる人がいます。人と遊ぶときのルールを学べば、どんな状況でも最後まで勝利を目指してゲームする、という辛抱強さを鍛えることができます。
もう一つは、主体性を養うことができます。ゲームの基本は勝つことが目標です。誰もが勝つことを目標にしているので、人に言われる通り動いては勝てません。自分で考えるのです。指示を待つのではなく自分で考えて行動する習慣はすべてにおいてよい影響を与えます。リアルな対人ゲームを今一度見直してみてください。子どもの新たな笑顔を引き出すことができると思いますよ。
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