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新型コロナに喘ぐ人々に伝えたい、「やること計画」の作り方

さまざまな業界に大きな影響をもたらし続けている、新型コロナウイルスによる感染症の拡大。多くの社が、事業計画の変更を余儀なくされています。そんな困難に直面している企業に救いの手を差し伸べるのは、経営コンサルタントの梅本泰則さん。梅本さんは今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』で、各セクションにおけるアクションプランの具体的な立て方をレクチャーしています。

「やること計画」を立てる

経営計画書や事業計画書を立てても、なかなか実行できない企業もあります。それは、綿密なアクションプランが立てられていないからかもしれません。そこで、今回はアクションプランの話です。

やること計画

あなたも、コロナの影響で販売計画を修正されていることでしょう。計画数値の修正をするだけではいけません。同時に「やること計画」を見直すことが必要です。「やること計画」って、何ともベタな名前ですね。実は、この言葉は、ある経営コンサルタントから教えてもらったものです。しかし、実に大切な計画だと思っています。

この「やること計画」のことを知ったのは、私が会社勤めをしている時のことです。その会社は、当然のことですが年間と毎月の売上計画、利益計画を立てていました。その売上・利益計画は、全社はもとより、部門別、エリア別、課別、商品別、顧客別、担当者別に細かく分けられています。その計画をもとに、毎月、部門別や課別の会議で実績値との違いを検証し、対策を検討するのが通例でした。

会社の業績が好調な時は、それでも大丈夫です。ところが、だんだんと業績の伸びが鈍くなっていきました。すると、社内の雰囲気がぎくしゃくし始め、なんとも嫌な感じです。そこで、経営者は経営コンサルタントを入れることにしました。経営計画の練り直しです。

その経営コンサルタントは、売上・利益計画書を眺めながら、この計画書には「やること計画」がない、と指摘をします。いわゆる「アクションプラン」のことです。しかし、横文字で言うより、「やること計画」といった方がピンときます。当時の私にとって、この経営コンサルタントの指摘は衝撃でした。

この「やること計画」には、必ず数値目標と実行期限が設けられます。つまり、「やること計画」とは、誰が、いつまでに、どれくらい、どんな方法で、ということを盛り込んだものです。売上や利益の数字を追いかけるだけでなく、行動の目標を決めなくてはなりません。それまで、この会社ではそんなことを真剣に考える習慣がなく、計画を作り直すのに大変な思いをしました。

そして、社会が変化をしている今、「やること計画」を練り直すことが必要ではないでしょうか。そこで、簡単に「やること計画」の作り方を説明します。

営業部門の「やること計画」

まず、営業部門の3つの計画、

についての「やること計画」です。例えば、「商品A」の今年の売上目標が1,000万円だとします。どんなことをすれば、この目標が達成できるでしょうか。いろいろとアイデアが出てきます。そのうちの3つを大きな目標に絞り込みました。

次に、このそれぞれの目標に、時期、回数、数量、金額などを書き入れていきます。例えば、

といった感じです。そして、この計画をもとに、各担当者はそれぞれの「やること計画」を立てていきます。もちろん、時期、回数、数量、金額といった数値目標もです。実際に行うことと期限や数値を決めることで、計画の途中で経過がチェックできます。

「顧客別計画」も同じです。例えば、顧客B社について、

が、「やること計画」だったとします。その次に

というように決めれば良いです。

営業以外の部門の「やること計画」

では、「担当者別計画」はどうでしょう。担当者それぞれの「やること計画」は、先の「商品計画」「顧客計画」の作成時に立てられました。それを合わせれば、「担当者計画」は出来てしまいます。

ただし、部門の管理職は別の意味での「担当者別計画」を立てると良いです。つまり、各担当者の活動をフォローするために、担当者別の「やること計画」を立てます。例えば、

といった計画です。

また、企業には営業以外の部門があります。例えば、仕入れ管理部門、マーケティング部門、物流部門ですね。これらの部門の活動は、会社の業績に直接関係してきますので、営業部門と同じように「やること計画」が大切です。

では、経理や人事といった間接部門はどうでしょう。実は、間接部門も「やること計画」は必要です。例えば、

といった目標があるとします。それぞれ、時期や数値を決めれば、やることが決まります。ですから、「やること計画」は全社で立てられるのです。この計画をうまく進めていくことで、会社の業績は良くなっていくことでしょう。

いかがでしょうか。簡単に「やること計画」の作り方を紹介しましたが、「やること」は一人で考えるのではなく、メンバーで話し合って決めていくと良いです。また、今回は販売会社の例を考えましたが、スポーツショップも同じことです。あなたのお店も、商品カテゴリー別、ブランド別、担当者別に月別の売上・粗利・仕入計画が立てられています。一度、それぞれの計画について「やること計画」を立ててみましょう。それも、コロナの状況を考えながら。

■今日のツボ■

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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