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安倍・麻生の地元利権で政局が動く?疑惑の「洋上風力発電」が結ぶ点と線

昨今、体調不良の噂が絶えず「ポスト安倍」の動きが加速する永田町周辺ですが、その中で浮上してきたのが「麻生総理再登板」説です。その背景として、安倍総理と麻生副総理が「利権の面で共闘している」可能性を指摘するのは、『アクセスジャーナル・メルマガ版』の著者でジャーナリストの山岡俊介さん。山岡さんは、麻生氏と「風力発電会社」のツーカーぶりを2019年6月すでに報じていますが、今回はさらに踏み込んで、麻生氏の旧選挙区と一直線に結ばれる安倍総理のお膝元における利権疑惑を考察しています。

※この記事はメルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』2020年8月3日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

安倍・麻生政権の地元2大利権!?

安倍政権は、安倍・麻生政権と言い換えてもいいだろう。

麻生太郎氏は第2次安倍政権以来、今日の第4次政権まで副総理兼財務大臣として安倍晋三首相を支え続けたのみならず、かの「森友問題」では職員の自殺者を出しながらも、財務省資料を改ざんしてまで安倍首相を守ったともいえるのだから、もはや“運命共同体”といってもいい。

決して冗談ではなく、ポスト安倍候補として、麻生氏の再登板説が出ている。ポスト安倍有力候補とされる石破茂氏はむろん、禅譲説がいわれる岸田文雄氏にしても、河井夫婦買収事件を巡っては岸田氏の地元でもある広島県の同選挙区で側近の溝手顕正氏を落選させられているのだから、禅譲したら最後、反撃される懸念もある。そう考えれば、“傷を持つ者”同士、麻生氏だけがポスト安倍で安心できる相手だからとも。

image by: 首相官邸

そして、この2人は利権の面でも共闘しているとの見方もある。

ポイントは、2人の地元。

いうまでもなく、安倍首相は山口県下関市。麻生氏は福岡県飯塚市。もっとも、麻生氏の旧選挙区は北九州市も含み、まさに安倍首相の下関市とダイレクトに隣接している関係にあるのだ。

そして、重大疑惑が出ている1つ目は洋上風力発電に関してだ。

麻生氏に囁かれる「風力発電会社」との癒着

本紙は19年6月21日に、「麻生副総理と風力発電会社との癒着疑惑」というミニ情報を配信している。

その際はイニシャルに止めていたが、G社のO代表とは「グローカル」(広島県呉市)の奥原征一郎氏(79)を指す。

伯父は元呉市長、従弟は元県会議長、自身は父も務めた呉商工会議所会頭を6期16年務めた。政界にもパイプを持ち、父の逝去時(08年)には、麻生氏が葬儀委員長を務めた。また、麻生氏の資金管理団体「素淮会」に地元の政治団体「中国素淮会」代表として17年10月に2000万円、翌年にも1000万円寄付している。

image by: 360b / Shutterstock.com

そのグローカルは独立行政法人「新エネルギ・産業技術総合開発機構」(NEDO)と19年5月から、北九州沖の響灘で「浮体式」の風力発電システムの実証実験を進めている。ただし、来年に着工し風車2基(最大出力9900kW)の23年運転を目指すのは着床式。事業費は約70億円。

「このグローカルが実質、NEDOから補助金を得て進めている『浮体式』実験は、成功すればわが国の洋上風力発電を牛耳れる技術。水深50m以上となれば海底に基礎杭を打つことはできず、風力発電機は浮かべて係留することになるが、そのコストの安い次世代システムを目指している。発電時に出る低周波の健康被害もいわれるなか、沖合海上ならそうした問題も解決できる」(永田町筋)

 

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麻生・安倍お膝元を結ぶ「風力発電銀座」計画

一方、安倍首相の地元・下関市の安岡沖では「前田建設工業」(1824。東証1部。東京都千代田区)が以前から4000kWの洋上風力発電15基を建設する計画を立てているも、地元住民の反対で進んでいない。

「そのなかで、安倍首相の地元では有名な支援企業で、独自の海洋での建設技術を持つ『関門港湾建設』が前田建設の協力会社として登場。また、反対派リーダー4人が威力業務妨害などで告訴され山口県警がガサ入れするなどきな臭い動きもありました。当時から、安倍・麻生両氏が組んで、西は北九州の響灘から、東は下関市の人工島沖、安岡沖、彦島沖一帯を、原発銀座に代わる、風力発電銀座にするとの見方が出ています」(地元事情通)

19年4月、再エネ海域利用法が施行に。

その結果、同法に基づき、まず洋上風力発電の「促進区域」の指定を受け、その上で、同区域の公募による事業者選定で通れば、実に最大30年、その海域を占有して風力発電をすることができる。したがって、大変な利権になるわけだ。

経済産業省が公表するその促進区域に名を上げている地域(10箇所)にはまだ北九州市の響灘、山口県下関市の安岡沖なども入っていない。しかし、響灘に関しては今年3月、福岡県は国に候補地として情報提供したし、政治力さえあれば、下関市安岡沖にしろ、逆転して先に指定を受けることは可能だろう。(※メルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』2020年8月3日号より一部抜粋)

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image by: 首相官邸Twitter

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2003年12月2日、世界有数の億万長者、「武富士」会長(当時)・武井保雄を塀の中に追いやったジャーナリスト・山岡俊介が、政・官・財を始めとするあらゆる“悪”に鋭く切り込みます。

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