世の中に数多ある誘惑や、満たしたくなる欲望。私たちは日々、それらに絡め取られぬよう我慢と忍耐をもって生活していますが、ふとしたはずみで負けそうになることも多々あります。そんな時、我々はどんな手を打つべきなのでしょうか。今回の無料メルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』では現役精神科医のゆうきゆうさんが、「ケチ」をキーワードに「誘惑や欲望に打ち勝つ技術」をレクチャーしています。
誘惑や欲望に打ち勝つ技術
こんにちは、ゆうきゆうです。
勉強や仕事をするとき、なかなか集中できなかったりだらだらしてしまったり誘惑に負けてしまったり、といった経験をされたことのある方は多いと思います。
これらを防ぐ方法として、個人的に一番おすすめなのがもっと「ケチ」になるということです。なぜ、「ケチ」になることが効果的なのか、お話して行きましょう。
「ケチ」になることの効果とは
ちょっとした欲望を感じたとき、皆さんはその欲望をすぐ満たしたくなってしまいますか?
買いたいと思ったらすぐ買う。食べたいと思ったらすぐ食べる。
というように、欲望をすぐに叶えていると、どんどん欲望に負けやすくなってしまいます。
例えば勉強中に、お菓子を食べたくなって食べてしまったとします。すると、水が飲みたい、水を飲んだらトイレに行きたい、と席を立ちます。
そして今度は本格的にごはんを食べたい、そしたらマンガも読みたい…と、エンドレスに欲望がわいてきて、それらを満たそうと行動してしまいます。
そうすると、もう勉強や仕事どころではなくなりますね。
ですので、欲望をかなえようと思った時は、必ず「ケチ」になってほしいのです。
例えば「お菓子食べたいな」と思ったら「1分後に食べよう」そして「この1分の間は勉強しよう」と決めて「1分間勉強したら、その後で食べて(遊んで)いい」と、一段階先延ばしにするのです。
このように、すべての欲望において「1分後にしよう」という先延ばしのクセをつけてください。すると、流されるように欲望に負けていくことは減るでしょう。
1分後にしよう
これが1時間や2時間待て、と言われてしまうと「そんなのヤダ!今すぐやりたい!」と思って欲望に走ってしまうこともあるかもしれません。
でも1分であれば、先延ばしにできない人はなかなかいないといます。もし1分すらもダメ!というのなら、10秒でもいいです。
短くてもいいので、まずは先延ばしを意識してみてください。
犬にご飯を上げる前に「待て」としつけをしますね。野性的な犬ですら「待て」できるのですから、人間だってちょっと先延ばしにするくらいできるはずです。
何か欲望を感じた場合は「わかった。もちろんやってあげるけど、1分待て!」と自分に言い聞かせる形で先延ばしを心がけてみましょう。
人間の心というのは筋肉と同じようなもの
人間の心というのは筋肉と同じようなものです。ダンベルを毎日練習していると鍛えられて、より重いものを持ち上げられたり、より多くの回数を持ち上げられたりしますね。
心も、同じように鍛えることができます。「とりあえず1分でいいからガマンしよう」と毎日続けていくと、ちょっとしたことでは心が動じなくなっていきます。そうすると1分だけでなく、5分10分という時間でもガマンできるようになります。
ですので、スタートは「10秒先延ばししよう」で構いません。10秒が難しいなら1秒でもいいです。毎日、欲望を叶える前に少しだけ先延ばしする、というクセをつけてみてください。
例えば勉強中に何か飲みたくなったら、「よし、1分待て」「この1分間は勉強しよう」と唱えてみてください。すると、1分経つ頃には「飲みたい」と思っていたことを忘れていたりします。
「今はもう、どうでもいいや」と欲望の価値が下がることもあり得ますね。1分経っても欲望が忘れられなければ、その時は叶えてあげればいいでしょう。より喜びが深まるのを実感していただけるはずです。
すぐ満たしても、少し待ったとしても欲望の満たし方は変わらないのに、なぜ喜びは変わるのでしょうか(水はいつ飲んでも同じ水ですし、お菓子はいつ食べても同じお菓子です)。これは、先延ばしにした分だけ「満たす」ことの価値が上がるからです。
これは、食べたい・飲みたい等の行為以外でも言えることです。世の中には誘惑や欲望がたくさんありますね。ネットをやりたい、好きな人からメッセージが来たらすぐ見たい。これも「1分待て」です。
少しケチる=先延ばした後ゲットすることにより喜びは倍増するため、相手や好きなことへの気持ちも高まります。
何か参考になることがありましたら幸いです。最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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