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子どもの「高い買い物」は無駄遣い?プロが教える親の対応とお金の教育

お金の教育は大切ですよね。でも、自分の子どもにきちんとお金の話をするきっかけはなかなかないもの。高い、安いにまつわることばかりで、本質的なお金の話をしたことがある人は少ないのではないでしょうか。そこで、今回の無料メルマガ『億の近道』では、ファイナンシャル・プランナーの遠藤功二さんが、親子で楽しい時間を過ごしながらお金の教育もできる方法をご紹介。子どもから教えてもらうこともあるようです。

遊園地のぷかぷか浮かぶ風船、いくらか知ってますか?

小学生の親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。

私は小学生になったら、仕事とお金の家庭教育をすることを推奨しています。お金の教育をすると、子供がお金を自分で管理できるようになります。

そして無駄遣いがなくなり、物の本質的な価値を見抜けるようになります。我が家でも小学生の息子にお金の教育をしています。

本日は先日ディズニーランドに行った時に子供に一本取られたお話をします。

まず、少しお金の教育論について説明をさせてください。

お金の教育で多くの方がぶつかるのが「子供がお金を使わない。」という点です。小学生くらいだと行動範囲が限られているので、意外とお金を使う機会がありません。

貯金の教育は大して難しくないのですが、お金を使う教育は難しいのです。ゲームセンターでお金を使いまくるのは、よくありませんし、そんなに頻繁に新しい欲しいものが出てくるものではありません。

お金を使う機会を子供に与える1つのコツがお出かけの予定を立てることです。映画に行くならチケット代、テーマパークに行くならお土産代が必要になります。

そういったお出かけの機会を作ることで、子供にとっての欲しいものが増えてきます。

先日我が家で久しぶりに浦安の有名なテーマパークに行きました。ねずみのキャラクターのあれです。子供には、普段働いて貯めたお金を持っていかせて、「欲しいお土産は自分のお金で買いなさい」と言っておきました。

めったにいけるテーマパークではないので、子供は、何を買おうか何日も前から考えていました。結果として、某キャラクターのポップコーンボックスが欲しいと決めました。

 

現地に行って、例のポップコーンボックスの値段を見て、親子共々驚きました。なんとポップコーンボックスは、3,500円もするではありませんか。息子は2,000円程度しか準備がなかったので買えませんでした。

もし、これを親が買ってあげる約束をしていて、「ごめん。ただのポップコーンの箱にしては高すぎるわ。別のにして」と言おうものなら相当子供は怒るでしょう。

しかし、自分のお金で買う、ということを最初から決めていると、子供はあっさりと諦めます。

お金の教育をしていると自分のお金では買えないものはきっぱり諦める習慣がつきます。駄々をこねたりはしません。子供の表情がすっきりしているのに、親が甘やかしてこのボックスを買ってあげる必要もありません。

次の子供のターゲットは変わりました。

何に変わったかというと、プカプカ浮かぶ紐付きの風船です。あれを買ったことがある方は値段がわかると思いますが、私は今回初めて価格を聞いて驚きました。風船なんて、100円ショップで何個も入ったものが売っています。

風船の価格は、1,500円もしました。子供は、「その風船一個ください。」と財布を出して買おうとしていました。

お店の人も、「1,500円もするよ。持ってるの?」といった感じでした。それに関しては、子供は2,000円の準備があったので、払えるわけですが、私は「風船はしぼんだら終わりだよ。本当に買うの?」聞きました。

子供は全く躊躇なく、2,000円を出し、500円のお釣りをもらっていました。私と妻は顔を見合わせました。「これは、浪費では?」私はお金の先生をしている立場上、一瞬慌てました。

「もっと長持ちするものをよく考えて買った方がよいのでは…」と思いました。しかし、その不安は子供の嬉しそうな顔を見て、吹き飛びました。「よっぽど欲しかったんだな」と私は理解しました。

大人にとってはただの風船でも、子供にとっては、ずっと前から気になっていたもののようでした。私たちがその胸の内を知らなかっただけです。子供の「これは買う」という強い意志は間違いなかったようです。

 

ところで、ポップコーンに話を戻します。

私は絶叫マシーンに乗れないため、妻と子供がジェットコースターに乗りに行ったので、ベンチで待っていました。

ただ待っていても暇なので、キャラメルポップコーンを買うことにしました。そこでまた値段に驚きました。なんとそのポップコーンは、400円で買えるではありませんか。

もちろん特製ボックスではなく、大きな紙カップに入っているだけなので当然です。普段映画館でポップコーンが400円で売っていると、「結構高いな」と思うものですが、この日に限っては激安だと思いました。

3,500円のポップコーンボックス、1,500円の風船を見た後だから、たっぷり食べられるポップコーンが400円でも激安に感じたのです。

価格の感覚とは面白いものです。遊園地の中で「安い」、と思うことってあまりないですよね。

最後に、子供が買った風船について報告です。

1,500円で子供が買ったその風船。1週間も経つのに、まだ元気にプカプラ浮かんでいます。我が家のクリスマスツリーと良いコラボです。

その風船を見るたびに、「まだ浮かんでるね。これは良い買い物だったね」と話しをします。そして、家族でディズニーランドの思い出話に花が咲きます。

もうこれは、1,500円以上の価値を生み出していることは間違いありません。

子供には本質を見抜く力があります。大人が見えていない視点で大人と違った価値観で本質を見抜きます。子育てをしているのに、お金の教育をしないなんてもったいない。1つの発見の機会を失ってます。

さあ、子供にお金のことを教えてみませんか。(遠藤功二)

遠藤 功二氏 プロフィール

日本FP協会認定CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、MBA(経営学修士)。大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。証券会社と外資系銀行で延べ1000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。

image by: Shutterstock.com

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