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韓国に世界が激怒。隣国が各国にし続けてきた信じがたい「お家芸」

韓国がついに中東の大国・イランを激怒させたというニュースが報じられています。二国間にいったい何が起きているのでしょうか。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんが、韓国がイランに対して行い続けてきた非礼な仕打ちを記すとともに、バイデン政権下となる米国がイラン核合意に戻れば、韓国はイランに意趣返しされることになると予測しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2021年1月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【韓国】イランが韓国を「我が国の歴史は韓国の仕打ちを忘れない」と激怒する理由

イラン「韓国政府が70億ドルを人質に取っている」=タンカー拿捕で

1月4日、イラン革命防衛軍がペルシア湾を航行中の韓国船籍のタンカー「MT韓国ケミ」を、海洋汚染を理由に拿捕しました。

韓国ケミの船員は海洋汚染の容疑を全面否定し、韓国政府もイラン大使を呼んで猛抗議を行い、船舶と船員の即時解放を求めました。

冒頭の朝鮮日報は、ロイター通信が伝えこととして、イラン政府のアリ・ラビエイ報道官が、イランの韓国船舶拿捕は人質事件に当たるという主張に反論して、「イランの資金70億ドルを人質にとっているのは韓国だ」と述べたことを報じています。

冒頭の朝鮮日報の報道ではここまでしか書いていないので、日本人にとってはなんのことだか分かりづらいと思いますが、韓国とイランはずっと確執を抱えていました。

かねてより、韓国は相手の弱みに付け込む、約束を守らない、すぐにゴールポストを動かす信用のできない国だということを、私は繰り返し主張してきました。台湾は朝鮮戦争時に韓国を支援しましたが、韓国側は1992年の中韓国交正常化の際に、「台湾との断交はない」と甘言を弄しながら韓国車を台湾に売りつけ、その直後に一方的に断交を宣言して、韓国にあった台湾の大使館の資産を中国名義に変更するといった、信じられない不義を行いました。

日本に対しても、1965年に結んだ日韓基本条約で「解決済み」としている問題を繰り返し持ちだして、条約締結から55年を経過した現在も、いまだに「謝罪と賠償は終わっていない」と言い続けています。

さらには2015年に「最終的かつ不可逆的に解決した」と日韓政府双方が取り決めた慰安婦問題日韓合意も、韓国側は一方的にこれを破り、日韓合意の際に設立した財団も解散させてしまいました。

このような国柄ですから、イランに対しても、韓国はこれまで何度も相手の弱みに付け込んできたため、大きな摩擦が起こっていました。

最初にいざこざがあったのは2016年頃です。その顛末は次のようなものでした。2010年に西側がイランへの制裁措置を取り、ドル決済の禁止となった際、韓国はウォン決済に切り替えました。

韓国はイランから輸入する際にウォンで決済し、それをイラン中央銀行の名義で韓国のウリィ銀行に積み立てておいて、次に韓国企業がイランに輸出する際の代金精算のために使ってきました。とはいえ、イランからの輸入額のほうが多かったこともあり、2016年ごろにはこの口座に3兆~4兆ウォン(約3,000~4,000億円)が積み立てられていると推計されています。

イラン「韓国口座から資金移す」

これだけの預金が積み上がれば、イランとしては当然ながら、より利率の高い口座に回したいと思うはずです。実際、イラン側は一部を定期預金にしてほしいと韓国側に何度も要求してきましたが、銀行側はこれを拒否してきたのです。

当時の韓国での定期預金金利は3%を超えていましたが、イランに支払う年金利は0.1%に過ぎませんでした。2012年にようやく利子を上げましたが、それでも年利1.6%でした。

加えて韓国は、アメリカすらも求めていないさまざまな制裁をイランに対して行ってきたということで、イランから恨まれてきました。2013年12月、中央日報の取材に対して、韓国イラン経済人協会のシン・ジョヒョン会長は、「なぜ韓国が米国よりもイランに厳しいのかわかりません」と述べています。

「韓国は過度な制裁でイランの自尊心を踏みにじった」

しかし2015年、当時のアメリカのオバマ大統領を中心に、イラン核合意が締結されました。これにより、イランへの経済制裁が解除されることになったことで、イランは韓国の口座から預金を引き出して本国に移そうとしました。これまで屈辱的な扱いを受けてきただけに、一刻も早く韓国から預金を引き上げたいと思ったことでしょう。

しかし、それで慌てたのが韓国側です。前年にはムーディーズが「韓国の銀行資産が危ない」と警告していました。とくにウリィ銀行は業績不振が深刻な海運、造船、建設、製鉄分野への貸出が12%を超えていて、巨額の不良債権を抱える可能性が高まっていたからです。

韓国で「限界企業」が増加、ムーディーズが「韓国の銀行資産が危ない」と警告=韓国ネット「国家デフォルトに?」「そんなに生ぬるい状況じゃない」

そこで韓国政府は韓国ウォン口座の維持のための協議をイラン側に呼びかけたのですが、イランからの返答はありませんでした。

政府「韓国ウォン口座維持協議を」…イランは返答せず(1)

そこで韓国政府と銀行業界の代表団はイランの中央銀行へ飛び、泣きついてお願いしたのでしょう。当時のニュースでは韓国国内のイラン口座を継続活用することが決まったと報じていました。

しかし2016年、トランプ政権が誕生、アメリカはイラン核合意を破棄し、再びイランに制裁をかけ、同盟国にも同様の制裁措置を要求しました。これをいいことに、韓国はイランへ再びきつい仕打ちをし始めました。

イランは、アメリカの制裁下で行われた韓国によるイランの資金凍結解除を求めており、中央銀行総裁によると、70億ドル(約7,200億円)が韓国で凍結されている上、手数料の支払いが求められているといいます。

加えて、イラン政府の報道官は、アメリカの制裁対象ではない物品に絡む資金についても韓国側が引き渡しを拒否しているとして、「わが国の歴史はこれを忘れないだろう」と語っています。

イラン、韓国による資産凍結を非難 船の拿捕は無関係と強調

相手を舐めて強気に出た結果、後で泣きつくハメになるというのは、韓国のお家芸のようなものでしょう。

日韓の通貨スワップにしても、2015年ごろは中国と韓国とのあいだで通貨スワップが成立したこともあり、韓国は強気で、「日韓通貨スワップは日本側から頼んできたものだ。韓国に必要ない」と主張したことから、2015年1月に終了しました。

ところが、THAAD(終末高高度ミサイル防衛)の在韓米軍への配備で中韓関係に亀裂が入ると、韓国側から日韓通貨スワップの再開を求める声が続々と上がるようになりました。

イランは2019年から、駐イラン韓国大使館を通して「凍結された資金問題」の解決を求めてきたそうです。前述したように、アメリカの制裁対象ではない医薬品や食料品の代金決済をしてほしいという要請も行ったといいます。しかし韓国側はまったく応じようとしなかったわけです。

その一方、日本は安倍首相が同年6月にイランを訪問したのに続き、同年12月にはイランのローハニ大統領を日本に招待もしました。アメリカの制裁を受けるイランに対して日本は誠実な態度を貫きました。

韓国は今回のイランに対して軍艦を派遣するなど、緊張が高まっています。しかし、バイデン政権になれば、アメリカが再びオバマ時代のイラン核合意に戻る可能性も高く、そうなるとまた韓国は、イランに意趣返しされることになるでしょう。

韓国は日本に対して「恨みは千年変わらない」などと言いますが、古代文明を誇るイランからは「我が国の歴史はこれを忘れないだろう」とまで言われているわけですから。


 

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