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コロナ禍で大躍進。ネットスーパーは本当にメリットだけなのか?

長引くコロナ禍で急速に伸びている、ネットスーパーの需要。在宅勤務の人などにとって便利なサービスですが、本当に良いことばかりなのでしょうか? 今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、ネットスーパーによるメリットと「悪影響」についても紹介しています。

消費者は、もう買い物に行かないのか?

ネットスーパーが拡大しています。食料品や日用品をインターネットや電話で注文すれば、自宅まで届けてくれます。過疎化で商店が無くなった町。高齢化による買い物難民。小さな子どものいる家庭や妊婦。日常の買い物に困っていた人たちにとって、非常に有り難い存在です。

ネットスーパーと呼ばれるものの、ネットが使えなくても、チラシを見ながら電話で注文できるので、特に高齢者には便利です。また、働く主婦は時間に追われているので、仕事帰りの買い物はキツいと感じています。そこで、ネットスーパーの利用が増えているのです。どうして、これまで無かったのかと思うほど、大きな社会問題を一挙に解決できる仕組みです。

生協の宅配は存在していましたが、制約が多く、使いづらい面もあったため、広く利用されてはいませんでした。しかし、ネットスーパーのように、地元のスーパーが運営していると、馴染みもあり、安心して利用できます。ハードルが低くなったのです。

ネットショッピングの「楽天」までもが、ネットスーパーを運営しています。「楽天」のネットスーパーは、「西友」と提携しているので、地元スーパーでは扱っていないような商品を手に入れることができます。日常の買い物は地元スーパーで、変わったものは「楽天」で、となるかもしれません。また、珍しいものを買うついでに、日常の買い物も「楽天」を利用する、ということも。何れにしても、消費者にとっては便利な存在が出現したのだと言えます。

さて、ここで問題提起。ネットスーパーは良いことだらけなのでしょうか?

確かに便利で、困った問題を解決できます。しかし、周辺の小さなお店はどうなるのでしょうか。買い物のために外出していたお客さまが、外出しなくなります。つまり、来なくなるのです。「面倒だから、ネットで済ませよう」となります。ネットスーパーが普及すると、食料品や日用品をすべてネットで買ってしまう人が増えます。

こうなると、店舗のみで商売をしていたお店は潰れてしまいます。大手スーパーやチェーン店によって、窮地に立たされている上、追い打ちを掛けられます。このままでは、個人が経営するお店は、日本から消滅してしまうかもしれません。

これは、何を意味するのか。買い物に行かない。すなわち、買い物の楽しさを味わえないのです。レジャーとしての買い物がなくなってしまうのです。すると、街に活気がなくなります。活気のない街は、経済が低迷します。便利になることで、経済が落ち込む可能性が高くなるのです。

ネットで儲ける企業が増える反面、多くの小さなお店が消えていきます。日常の買い物はネットでも、楽しむための買い物の機会を増やす必要があります。現物を見て、買いたい。あれこれ見てまわりたい。見ていることが楽しい。そんな買い物シーンを創らなければ、小さなお店は生き残れないのです。

そのヒントは、大勢のお客さまで賑わっているお店を見ればわかります。商品が他と違う。お店にいて楽しい。思わず笑顔になってしまう。そんなお店でなければ、ネットスーパーには勝てないのです。買い物の楽しさを味わってもらう仕掛け・演出が不可欠です。

人が家にいては、経済は活性化しません。もっと外に連れ出すことが肝心です(コロナが終息してからのことですが)。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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