書店チェーン有隣堂のYouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」が静かな人気を呼んでいます。接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんも「激烈にハマっている」というファンの一人。そんな坂本さんは今回、自身の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で、このPR動画のどこが優れているのかを解説するとともに、そこから学ぶべきことを記しています。
スタッフの持つ見えない魅力
最近何かのネットニュースで知って、私が激烈にハマっている動画があります。「有隣堂しか知らない世界」というYouTubeの動画です。
神奈川県を中心とした書店チェーンである有隣堂が、昨年から始めたらしいYouTube動画なのですが、これがもうぶっ飛んでいて本当に面白いです。
「R.B.ブッコロー」というキャラクターがMCで、有隣堂の社員やアルバイトの方が推すいろんな商品について話を聞いてみたり、時には人気の曲を古文訳して歌ってみたりと、内容は様々。
タイトルからも分かるように、TBSの『マツコの知らない世界』のオマージュ作品ですが、相当な完成度に仕上がっています。
なぜか再生回数は1万回以下のものがほとんどで、まだ認知が低いのかなと思うのですが、コメント欄などを見ても、すごくハマっているファンの多い動画ではないでしょうか。
この動画、なぜ私がハマっているかというと、それはもうただ単純に面白いからという理由も当然あるのですが、いくつか素晴らしいなと思うポイントがあります。
全ての詳しい内容は次回の「販売力向上講座NEXT」で語りたいと思っているのですが、誰の目にも明らかなのは、動画に出てくる出演者の人選だろうなと感じています。
特に動画に関していえば、通常ファンが増えるのは誰の目から見てもわかりやすく人目を引くような見た目の人です。
これは以前からよく言われていることで、例えばすごく美人の人であったり、例えばすごくイケメンと言われるような人を出演させることが、動画を見てもらう人を増やす策だと言われているわけです。
そのため、こうした企業の動画などでも、モデルさんや俳優さんを起用して、商品紹介や会社の紹介をするというような流れがごく一般的だと言えます。
しかし、有隣堂しか知らない世界に出演しているのは、先にも書いたブッコローというキャラクターと、有隣堂のバイヤーや、現場でハンコを売っている社員や、アルバイトの方達です。
言い方が悪くなって本当に申し訳ないのですが、客観的に見ると、見た目的には普通に街中にいるおじさんやおばさんに見えてしまいます(ごめんなさい)。
でもそれが逆に良い雰囲気を出しているのです。
そして何より、外から連れてきた誰かではなく現場で長年働いているような人たちだから語れるすごくマニアックな商品の魅力というものが聞けます。
特にそこに対する情熱のようなものが垣間見えるわけですが、それがブッコローとの掛け合いの中で何も知らない人にも伝わりやすくなっており、「マニアの面倒くさそうな人」ではなく、「なんとなく直接会って話をしてみたいな」と思わされるような表現につながっています。
こういう形でスタッフの方の魅力を引き出すことができるんだなぁと、とにかく脱帽しきりです。
販売員は見た目が大事です。
これはもう言うまでもなく、どんな見た目かによって印象は決まってきてしまいますし、それによってファンがつくつかないが変わってしまうことも少なくはありません。
でもその見た目というのは、あくまでもその人の一つの側面にしか過ぎません。
見た目を整えなさいと伝えることはとても大事ですが、それと同時に、その人しか持っていない魅力をいかに引き出すかというのは、プロデュースする人の腕にかかっています(もちろん本人にも)。
ですから、特に店長などは、パッと見ではわからないスタッフの魅力をいかに見抜き、いかに引き出すかを考えておかないと、そのスタッフが力を発揮する場を生み出すことができなくなってしまいます。
そういう視点でこの動画を見てみると、スタッフの見え方も変わってくるかもしれません。
ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。
今日の質問です。
- 自店のスタッフを起用し、そのスタッフの魅力を最大限引き出して動画を撮影するとしたら、どんな内容でどんな動画を撮影しますか?
image by: Deman / Shutterstock.com