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接客の達人が伝授。お客様の「値段が高いなぁ」は最大の販売チャンスだ

商品やサービスの価格に対してお客様から「高い」と言われてしまった際、ほとんどの販売員は意気消沈してしまうもの。しかしそんな状況を好転させる捉え方もあるようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、お客様の口から「高い」という言葉が出た時こそチャンスと考えるべき理由を記すとともに、接客の流れを変えることができるリアクションをレクチャーしています。

高いと言われたら

商品を売っていると時折出てくる「高い」というお客様からの言葉。こうした「高いですね」といった言葉に対しては、「ウッ」と言葉に詰まってしまう販売員もいれば、「そうですよね…」と元気が無くなる人や、「そんなことないですよ!」と必死になって値段の理由を説明しようとする販売員もいます。

お客様によって、どれが良いとか悪いとかの正解は常々変化をしているので、上記のような対応が全ていけないとは言えません。ただ、私の話をするなら、「値段が高い」と言われた時に“喜ぶ”というリアクションを見せることがあるので、そのお話をしておきたいなと思います。

全く同じ商品が近隣の違う店で安く売られているということもあったりするので、商品にもよるのですが、私は接客中に「これ高いですよね」などとお客様に言われたら、「そう思いますよね!」と喜ぶことがあります。

これは決してその値段が高いと思っているわけではなく、値段について説明ができるチャンスが来た!と感じてしまうからです。

例えば、ドイツ製の靴を販売していた時、大してデザインも良くないのに、他のデザイン性の高い靴などと比べても、価格が倍以上違うということがありました。デザインが似ているものでも、価格が全然違うのです。

他では似たようなものや、同じニーズに当てはまりそうなものが、1万円くらいで売っていても、私が扱っている商品は3万円とか5万円とかだったという感じです。そういう商品なので、お客様からは他の商品と比べて、「これ良いお値段しますよね」と言われることが多々あります。

そういう場合でも、「良いお値段しますよね!そうなんですよ、値段だけ見るとその通りなんです。私も最初そう思いました。ところで、この靴履いてみられたことありますか?」みたいに、やたらと楽しそうに(というか嬉しそうに)接客を進めていきます。

そういうことを言われると、普通は「やばい」と思ってテンションが下がってしまいがちです。でもお客様はそういう雰囲気はものすごく肌で感じ取ります。

販売員が「高いと言われた。どうしよう」と心の中で思っていることは、簡単にお客様に伝わってしまうものです。だからそこから取り返そうと躍起になっても、お客様も「でも高いと思ってるんでしょ」と感じているので、なかなか響きません。

でも、商品の値段が高いということには、それなりに理由があります。素材が違う、製法が違う、機能が違う、職人にかけるコストが違うなど、値段が上がる理由が確実に存在しているのです。

そうした部分にどれだけの価値があるかを伝えることができれば、その値段が本当は高いものではないということを理解してもらえるのですが、接客中にそういう説明をしようと思っても、実はなかなかチャンスがありません。

一方的な説明になりがちなので、どうしてもお客様は話を聞いていて疲れてしまいますし、そもそも説明が耳に入っていなかったりします。ですが、お客様から「高い」と言われた時には、その説明をするチャンスだと言えるのです。

「高い」と口にするお客様は、なぜそんな値段になっているのかという興味が生まれている瞬間でもあります。そのタイミングだと、説明が続いてしまってもお客様は聞く耳を持ってくれていることが多く、話をしやすくなるのです。

加えて言うと、私はそういう説明(語り)をするのがすごく好きだということもあって、「高い」と言われてしまうとつい喜んでしまうということなのですね。

面白いもので、私が喜んで意気揚々と商品説明をし出すと、案外お客様も話を聞いてくれます。私が落ち込むでもなく楽しそうにしているせいなのか、なんとなく気持ちに変化があるのかもしれません。

その理由ははっきりとしたことは言えないのですが、でも、「やばい、取り返さないと」と思っている販売員よりも、そんな焦りなどは微塵も見せず、楽しそうにかつ冷静に喋ってくれる販売員の方がよっぽど話に説得力は生まれるように思います。

また相手によっては、その場で買ってくれなくても、とりあえず知ってもらって検討してもらえるだけでも良いというお客様もいるので、そういう時もやはり同じように説明をさせてもらいます。そうすると、やっぱり気になって後日来てくれるなんていうことは結構多いのです。

「高い」と言われたからといって、シュンと落ち込んではいけません。その理由を説明できるチャンスが来たと思って、喜んでみてください。それだけで、接客の流れは大きく変化しますよ。

今日の質問です。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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