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親も語学力が必要?ハードル高いインターナショナルスクールの真実

我が子をグローバルな人材に育てたいと、インターナショナルスクールを進学候補のひとつとして考える親御さんも少なくないようです。メリットばかりが強調されがちですが、はたしてマイナス面はないのでしょうか。今回の無料メルマガ『親も子供も一緒に伸びていく』では著者の高久手はるかさんが、意外な盲点とも言うべき項目を含む、インターナショナルスクールの4つのデメリットを紹介しています。

うちの子をインターナショナルに育てたい

先週の海外赴任と教育ネタの続きで、日本に居ながらにして海外生活に近い教育環境が得られるインターナショナルスクールのお話しをしたいと思います。

学校の敷地・建物に一歩入れば、そこは外国。学内に日本語の欠片もなく、先生や友人との会話もすべて英語。言葉や文化、習慣も自然に身につく。学校の外に出れば日本なので、治安や災害時にも少しは安心だし。ですよね~(#^.^#)

でも、メリットだけではありません。

学費が高い!

年間の上面上の学費だけでもスクールにもよりますが、ザックリ言って200万円程度。スクールバスや設備費、教材費、学外での活動費用等々、年間300万円くらいは必要になります。これが小1~高校卒業相当学年まで12年間続きます。結構覚悟を決めないとなりませんね。

日本の義務教育とは認められていない!

文科省の認可を得ているスクールであっても、その扱いはあくまで「各種学校」です。小学校~中学校という、日本の義務教育を学校教育法第1条に規定する学校で受けていないことになりますから、途中から日本の小中学校、高校へ移るのはかなり大変です。詳しくは文部科学省のこちらのページを参考になさってください。

11. 学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について

また、インターナショナルスクールで高校相当を卒業しても、IB(インターナショナル・バカロレア)を筆頭とする資格で受験できる日本の大学は少ないので、将来は通ったインターナショナルが国際的にどの種類の認可を受けているか、それによってどの大学に受験資格があるか等も視野に入れなければなりません。

日本人の入学枠がすっごく少ない上に、スクールの所在地が大都市、首都圏に偏っている!

東京や神奈川には、認可・無認可を含めて沢山あります。まさに玉石混淆。ならば、昔から有名なスクールを選ぼうと思うでしょうが、両親が日本人で、本人も海外経験が無い場合、本当に入学枠は狭いものになります。

そりゃそうです。本来、日本にいる外国人の子弟のための学校ですから。もし、海外の日本人学校に現地の子どもが多数を占めるようになって、転勤していったのに定員いっぱいで断られたらどう思いますか?

親にもネイティブ並みの英語力が求められる

学校からの連絡や先生、子どもの友人関係やその家族とのコミュニケーションには、英語が必須です。学校には日本人の職員がいる場合もありますが、全てをその職員さんに縋るわけにはいかないので、親側の英語力は(特に名門スクールでは)相当必要だと思ってください。

インターナショナルスクールに子どもを通わせるには、親の経済力、語学力、子どもの将来のプランニング等々が必要になります。

でも、我が子をバイリンガルに育てたい!場合は、家の中を英語一色にして、日本語のテレビやYouTube等を家族全員見ないで、当然会話も日本語NGという方法もあります。そこまで極端ではなくても、英語のアニメを常に流すという手もあります。

ですが、普通に高校、大学受験をするならば、国語力を補うためにどうするかを考える必要もあります。今は学校教育法第一条に規定された学校でも、外国語教育に力点をおいた学校や、インターナショナルスクールでもIBが受けられるカリキュラムを持った学校もあります。

文部科学省 IB教育推進コンソーシアム 認定校・候補校

要は先ほど言った子どもの将来の方向性を緻密に計画して、必要なスキルとそのための環境をどのくらい整えるか。そのための取捨選択をする覚悟が求められますね。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 高久手はるか 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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