先日アラスカでおこなわれた、米中外交トップ会談ですが、想像以上のヒートアップで両国に溝ができた印象を与えました。そんな凍りついた会談の中、メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが注目したのは、中国側の女性通訳官。美貌に加え、通訳の出来もパーフェクトだったという、その通訳官の人気ぶりとは?
米中アラスカ・サミットで人気沸騰の中国側の美し過ぎる通訳官
ぶっちゃけ、先にアラスカで開催された外交トップ同士による米中サミットに関しては、「言葉のミサイルが飛び交う最悪の舞台回しだった」という報道が多かった。
確かに、冒頭からブリンケン国務長官はストレートパンチを繰り出し、新疆ウイグル自治区や香港、台湾問題を軸に、中国の人権無視を厳しく糾弾した。
そのため、中国側のトップ、楊潔チ氏は何と15分にも渡る反論に努めたのである。
お互いに発言時間は2分程度と事前に決めていたにもかかわらずだった。
更には、米中ともに退場した報道陣を会場に呼び戻して、相手側の発言の非のあるところを訴えるという異例の展開となった。
もちろん、恒例の食事会なども「一切なし」で、友好ムードはゼロ。
あたかもアラスカの外気温ゼロと同調するかのような冷え切ったサミットになった。
そんな冷たい雰囲気の中、両陣営が注目したのが中国側の女性通訳官である。
何しろ、楊氏の反論発言は想定外の長演説となってしまった。
隣に座って克明にメモを取っていた通訳官は楊氏の発言を正確かつ冷静に中国語から英語に翻訳したのである。
実は、楊氏は若かりし頃、中国の外交部で通訳を務めた経験もあり、自分の演説の後、「これは君の能力を試すいい機会だ」と若い通訳官にバトンを渡したわけだ。
逐次通訳の任に当たった女性通訳官にとっては相当なプレッシャーだったに違いない。
ところが、彼女の出来ばえは「パーフェクト」と折り紙が付けられたほど。
これにはブリンケン国務長官も感心したようで、「素晴らしい。君は給料を上げてもらう資格がある」とまで唸ったのである。
この場面では米中両陣営のトップが笑顔を見せることになった。
厳しい非難の応酬が展開された2時間のトップ会合であったが、場が和んだ瞬間だった。
こうしたやり取りのシーンは中国でも放送されたため、その直後からネット上では「あの女性通訳官は見事だ。しかも、美人女優の趙薇(ジャオ・ウェイ)と張り合えるほどの美貌ではないか」と称賛の嵐が巻き起こった。
彼女の映像にネット上で「いいね」を押した人数は4億人に達したというほどの過熱ぶり。
そんな彼女の名前は張京(チャン・チン)。
中国外交部(日本で言う外務省)の英語専門の通訳官である。
高校時代から成績優秀で北京大学や清華大学に楽勝で入れると言われながら、将来の外交官を目指すため、杭州外国語大学で英語を学び、その後、英国への留学のチャンスを物にしたのであった。
確かに彼女の英語力は素晴らしいが、中国外交部に所属する英語専門の通訳官80名の内の一人に過ぎない。
ぶっちゃけ、中国の人材の豊富さには圧倒されるばかりだ。
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