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京大教授が唱える小池百合子知事=クロちゃん説。人の不幸につけ込むクズなコロナ対策

新型コロナの急拡大を受けた小池都知事が、国に対して緊急事態宣言を要請する方針を固めたとの報道が出ていますが、小池氏のコロナ対策そのものを「単なる人気取り」と厳しく断じているのは、京都大学大学院教授の藤井聡さん。藤井教授は自身のメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』で今回、都知事のコロナとの向き合い方を、人気芸人トリオ「安田大サーカス」のクロちゃん(44)の女性に対する不誠実な態度になぞらえ、筆鋒鋭く批判しています。

(この記事はメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』2021年3月27日配信分の一部抜粋です。続きはご購読の上、お楽しみください)

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【小池百合子=クロちゃん説】小池都知事のコロナ対策は単なるポーズ。クロちゃんが口説く女性にだけ優しいのと全く同じ

3月22日に緊急事態宣言があけました。

それを通して、人々の動きが随分と戻ってきました。例えば当方、京都と東京の往復を毎週続けていますが、緊急事態宣言の期間中、新幹線の一車両に乗っているのは私だけということがしばしばだったのですが、その後は何と、満席以上で、デッキに立ち客がいる程。

やはり「緊急事態」という言葉の魔力は絶大だったわけです。

ですが、今テレビで盛んに報道しているのは「リバウンド」。

小池や吉村など「責任感ある政治家」を演じなきゃと鼻息の荒い政治家達は、早速時短の延長や独自の緊急事態宣言の発出などに勤しむ状況になりつつあります。

感染の拡大や収束を決定する数値として知られる実効再生産数(一人の感染者が何人に移すのか、という値)は、様々な要因に依存していますが、人々の接触の頻度にも勿論依存しています。したがって、緊急事態宣言が解かれて人々の社会接触が増えれば、当然、実効再生産数が増加し、感染が拡大していく可能性が生ずることになります。

当方はこれまで、人々の自粛と感染拡大との間の分析を重ねてきていますが、実効再生産数に対する自粛の影響は人々が素朴に思うほどハッキリしているものではありません。それよりも気温の方が大きな影響を及ぼしていることが分かっています。

とはいえ、人々の行動が実効再生産数に影響を与える可能性は常に存在するわけで、その意味において、緊急事態宣言が空ければ、幾分は感染が拡大するリスクは存在するのです。

したがって、メディアが盛んに言う「リバウンド」が生ずることくらいあり得るのだと考えておかねばなりません。

当方はだから、実効再生産数を引き下げるための、よりコストの低い、すなわち社会経済被害の低い取り組みを、行う事が必要だということをかねてより繰り返し提案し続けてきました。

筆者は、時短を緩和するなら、その代わりに「(家族外との会食時の)マスク会食」をさらに奨励すべきと考えます。

これに対して批判・反発する国民もいることはいるでしょうが、時短や自粛に比べれば圧倒的にコストが低いのが大きなメリットです。

しかもマスク会食をしていれば、万一そこに感染者がいたとしても、保健所の調査上その同席者は「濃厚接触者」ではないと判定されることになります。したがって、感染リスクを減らすだけでなく、クラスター発生リスクや濃厚接触者リスクも減ることになり、「社会人」の皆さんは様々な「面倒」から解法されるというメリットもあります。

したがって当方は今、会食時にはマスク会食を様々なパターンで実行してきています。

またこれに加えて徹底すべきは「目鼻口」特に「鼻口」への接触回避。これが全くまだ国民に浸透していないのですが、この対策の特徴も、基本的に実施コストがゼロである点。慣れれば何の苦も無く継続することができます。

鼻口を触らず、会食時にマスクをしていれば、はっきり言って感染するリスクは殆どゼロ。接触感染、飛沫感染のリスクがほぼゼロとなるからです。

にも関わらず、小池や吉村達は、この二つを殆ど何も言わず、派手派手しい「時短」や「自粛」を要請しています。

なぜこうなるのかというと、結局彼等は、本当に感染を抑え込もうという目的を持っているわけではないからなのです(!)。

彼等が目指しているのは、

「コロナに対して、責任ある知事としてなすべき事をやっている、とより多くの国民に思われる事」

逆に言うなら、

「コロナに対して、無責任な知事だと、多くの国民から批判されることを避けること」

に過ぎないのです。

これは100%間違いありません。

なぜなら、本当に感染を抑止したいなら、当方が1年以上前から繰り返し主張しているように、鼻口未接触とマスク会食の徹底推奨を行っている筈だからです。さらには、医療崩壊を防ぎ、緊急事態の宣言を回避したいと願うなら、コロナ対応病床をとっとと増やしているでしょうし、重症化しない若者の感染対策よりも重症化しやすく病床を埋めがちで、かつ死亡しやすい高齢者の対策をもっともっともっともっと徹底しているに違いないのに、そういう事を一切やってないからです。

それはまるで、女にもてたい、内面的魅力を全く持たない、気色の悪い男と全く同じ。

こういう気色の悪い男は、女の前ではやたらとカッコをつけて優しさを見せつけようとして、「108本の真っ赤な薔薇の花束」(108というのは、10=ト、8=ワ、つまり永久、だそうです 爆笑)を送って、ずっと君を守るよ、なんて言いながら、その女の子が見てないところでは他の女の子にメチャクチャ酷い事をしている、なんてことをやります。

例えば、一頃盛んに当方が「言論活動」で取り上げてた安田大サーカスのクロちゃんは、女の子を口説くときにいつも「僕が守るよ」「守るから」なんて言いまくってましたが、キャツが女性を守るなんてことは万に一つも無いことは(『水曜日のダウンタウン』の視聴者ならば)全員が理解していることでしょう。

小池もタダ単に世間受けだけを考えて、世間が望むものが何かをあれこれ確認しながら、それをやってるだけで、本当の感染症対策なんてどーーーでもいいのです。

っていうかむしろ、感染が拡大した方が、自分が「活躍」する場が得られるからうれしいと思っているくらいです。

これはクズ男が、口説きたい女の子に悩みがあった方が、相談のって活躍できるチャンスが来るからラッキーだなぁ、と思ってるのと同じ。

ホント、クロちゃんも小池も、人の不幸につけ込むなんて単なるクズそのもの。

だから今、小池や吉村は、「リバウンドを喜んでいる」節すらあるわけです。

もちろん感染が広がりすぎると今度は批判の矛先が自分に向かってきてしまいますから、それは嫌でしょうけれども、今くらいのリバウンドがくるかも、っていうような不安だけがあるような状況っていうのは小池らにとって一番心地よいわけです。

もう少し詳しく言うと次の様な話です。

小池にしてみれば、都民がコロナに対する潜在的な不安を抱え続けている方が有り難いのです。

コロナの不安がなければ、誰も小池のことなんて注目しないし期待もしない。でも、コロナに対する不安があれば、それに大して「適切に対処している」感をアピールすることに成功し続ければ、皆が良い形で注目し続けることとなり、人気を維持、拡大し続けることができます。

もちろん、その対処を間違えば、人々の不満が一気に高まり、自分をたたき出すリスクもあるにはあるのですが、旨くやれば自分にとって大変に心地よい満足な状態を得ることができるのです。

だから小池は、幾分のリバンドがあることの方がうれしいのです。

すなわち彼女は内心、緊急事態が空けて平穏になっちゃうと私の出番がなくなっちゃうじゃない、と一瞬不安に思ったでしょうが、今、リバウンドだ何だとメディアが騒ぎ始めたので、ほっと一安心しているところなのです。

ちなみに、こういう人の不幸を喜ぶクズは小池だけじゃ無く、コロナをあおり立てたいメディアも同じ。リバウンドの徴候を見て「あぁ、よかった、これでもうちょっと、コロナ商売、続けられるわぁ」と思っているのです。

…で、こういうのは、クロちゃんの様な女にもてたいクズ男と全く同じ心境。口説きたい対象の女の子に、なんかの悩みがあれば、自分を頼ってくる、で、そこで、彼女を満足させてあげるような対処ができれば自分の株が上がる、だから、もっとこの子に悩みがあれば良いのにーーーなんてことを願う心境になるわけです。

で、そうやって「手に入れる」事ができれば、後はその女の子の事何んてどーーーでも良くなってまた、別の女の子を物色しにいって、その女の子はゴミの様に捨てられることになるーーということを繰り返すわけです。

ホント、この男クズです。そして、欺された女の子はかわいそうの一言。

で、このクズ男=クロちゃんと、小池は全く同じ構図にあるのです。で、今欺されているのは、都民であり国民だ、という次第。

ちなみに、今、小池が人気があるのも、そして、そんな小池のウソがバレても、まぁ、小池でいいじゃん、っていう空気が漂ってるのも、今、世間にはクロちゃんみたいな男しかいないじゃん、っていう風潮が日本国中に蔓延しているからに他なりません。

まぁ、男は女を口説くときに嘘つくのなんて当たり前だよなぁ、なんて事が常識の様になりつつ有る世の中では、政治家が有権者に嘘つくのなんて当たり前だよなぁ、という常識が蔓延することになるのです。

しかし、世の中には、好きになった女性にウソをつかずに誠実に向き合う男性も確実に存在する筈です。そういう男性は、自らの欠点をさらけ出しながらひたすらにその女性の幸せを願い、その女性のために自分自身ができる全ての事を差し出がましくはなかろうかと自問しながら行おうとし、そして、その女性の不幸を一緒に哀しみ、その女性の幸せを一緒に喜ぶ筈です。

おそらくは、そういう男性が存在するということを知らない女性は、男はみんなクロちゃんみたいな奴しかいないと「誤解」してしまい、だったらもっと自分に一番メリットが多きいクロちゃんは誰だろうかと考え始めてしまうことになるのです。

何と言う不幸ーーー。

そうなると、クロちゃんを目にしても「なんと不埒な奴なんだ!」と憤ることもなくなり、「あぁ、いつものクズでしょ。クズの割にはまぁ、愛嬌があっていいじゃん」くらいの認識になってしまうのです。

…それこそ、今の国民が小池、さらには菅を見る目線なのです。

(メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』より一部抜粋・敬称略。続きはご登録の上、お楽しみください)

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京都大学大学院・工学研究科・都市社会工学専攻教授、京都大学レジリエンス実践ユニット長。1968年生。京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員,東京工業大学教授等を経て現職。2012年から2018年まで内閣官房参与。専門は、国土計画・経済政策等の公共政策論.文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞等、受賞多数。著書「プライマリーバランス亡国論」「国土学」「凡庸という悪魔」「大衆社会の処方箋」等多数。テレビ、新聞、雑誌等で言論・執筆活動を展開。MXテレビ「東京ホンマもん教室」、朝日放送「正義のミカタ」、関西テレビ「報道ランナー」、KBS京都「藤井聡のあるがままラジオ」等のレギュラー解説者。2018年より表現者クライテリオン編集長。

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【著者】 藤井聡 【月額】 ¥880/月(税込) 【発行周期】 毎週 土曜日

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