MAG2 NEWS MENU

日本の新聞が報じぬバイデン大統領「最初の試練」アメリカ国境崩壊の危機が近づいている

昨年11月の米大統領選挙によって僅差で勝利したバイデン大統領ですが、早くも「国境崩壊」という問題で大きく揺れていることをご存じでしょうか? こうした日本のマスコミがほとんど報じない重要な海外ニュースを毎回詳しく丁寧に解説しているのが、在米歴14年の起業家にして大学教授の大澤裕さん。この度、大澤さんが5月23日に創刊したメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』 では今回、米国内でリベラル寄りのマスコミさえ批判するバイデン政権の「国境崩壊」問題を取り上げ、いかに偏向報道というものが恐ろしいかについて解説するとともに、海外ニュースを見るためのポイントを伝授しています。

日本のマスコミが伝えない海外報道の読み解き方とポイントを解説する大学教授・大澤裕さん新創刊メルマガの詳細・ご登録はコチラから

 

 

日本では報じられない、アメリカ「国境崩壊」の危機という現実

2021年5月4日現在、アメリカで「このままでは近く国境が崩壊する。国家的危機だ」と騒ぎになっています。大量の不法移民が押し寄せて国境管理機能が麻痺しているのです。今後、大きな問題になります。 

バイデン大統領になって不法移民政策が大幅に変更されたためです。彼は就任初日に国境の壁の建設の中断を命令しました。そして不法移民に市民権を与えるなどと言及したためです。特に「親のない子供は強制送還することはしない」と発言したために、中南米の貧困家庭の親が子供だけを米国に送り込む悲劇的な例が増えています。 

トランプ大統領時代には「 700人もの子供が国境保護施設で親と離された 」と批判されていましたが、バイデン政権になり子供だけの不法移民が急増して2万人に達しようとしています。 

ところが、日本のマスコミはその経緯をほとんど報道していません。 

ちなみに下記は、3月後半から4月前半のニューヨーク・タイムズの記事表題です。 

このニューヨーク・タイムスはリベラル、反トランプで有名な新聞 です。 それが連日のように報道し、4月半ばには「 トランプの壁を早く完成させろ 」とさえ言っているのです。 

バイデン大統領と民主党政権が右往左往

このような不法移民の急増に動揺したバイデン大統領は、本年の難民受け入れ数をトランプ政権時代と同数の1万5000人に抑えると発表しました。受け入れ数の大幅増という方針から転換したのです。ところが、これがまた身内の民主党の大反発を受けて再度修正。5月3日には6万2500人にするとしました。 

それほどバイデン大統領と民主党政権が右往左往して混乱しているのに、その経緯をなぜ日本の新聞・TVは報道しないのか、というのが私の疑問であり怒りです。一貫して「トランプはバカなアメリカ人を騙している」といった論調で放送していたので、今さらトランプの政策を是認する報道をすることに抵抗があるのかもしれません。 

日本のマスコミが伝えない海外報道の読み解き方とポイントを解説する大学教授・大澤裕さん新創刊メルマガの詳細・ご登録はコチラから

 

米国「不法移民問題」」今までの流れ

そもそもの米国の不法移民問題の今までの流れを説明しましょう。

最初にトランプが大統領選にでてきた時に「国境の壁」を強く主張していたのはご存知のとおりです。そこでよく使われた言葉に「 キャッチ・アンド・リリース 」があります。 

「キャッチ・アンド・リリース」とは釣りの用語です。捕まえた魚を逃がしてやる事です。 

同じ事が米国国境で起こっていたのです。例えば中南米からの不法移民が密入国しようとして国境警備局に捕まったとします。国境外に追放されるのが普通だと思うでしょう。 しかしオバマ政権時代は、捕まった人がその場で「難民申請」することにより入国することを許可されていたのです。 

難民申請とは「人種、宗教、国籍、特定の社会的集団や政治的意見を理由として迫害を受けるおそれがある」人ができるものです。 不法移民の多くは、経済的な豊かさをもとめて米国に来ているので、この「難民」に該当しない人が多いのです。 

しかし、キャッチ・アンド・リリース政策では、米国側は難民申請の文言を言われたら入国を認めて「×月×日に米国の××裁判所に来なさい。そこで難民の資格があるかどうかを審査するから」といって釈放せざるをえなかったのです。 

その不法移民が、定められた日に裁判所に来ることはまずありません。そのまま米国内に消えるのです。 

移民したいなら正式な書類を提出しろ

2015年、これに真っ向から反論する形で大統領選に登場したのがトランプだったのです。「合法移民はよいが、不法移民はダメだ。移民したいなら正式な書類を提出しろ。また難民申請は正式な国境検問所に来てしろ。密入国しようとして、捕まったら『私は難民申請します』なんてのはダメだ。それを認めているから犯罪者、レイプ犯や麻薬の密売業者まで不法入国しているのだ」 というのが彼の主張でした。それが米国民の大きな支持を得て当選したのです。 

理解できると思いませんか? 

私もトランプは性格的に嫌いです。しかし、この主張自体は理解しえます。しかし、この主張に焦点をあてる米国の大手マスコミは少なかったのです。この論点を取り上げること自体が、トランプに利するという判断があったためでしょう。「トランプがメキシコ人は犯罪者、レイプ犯だ!と言った」といった、揚げ足取り報道がメインでした。 トランプはジャイアンのような悪役顔ですし、親族は白人ばかりです。言葉も悪いので、ひどい反移民主義者、差別主義者という印象をあたえることは極めて簡単でした。 

しかし、YouTubeで聞く彼の演説や著作とマスコミの報道を比べると、印象操作は度を越していました。実際には「メキシコからの不法入国者の大多数は、真面目に働きたい善良な人々だという事は知っている。しかしながら、中にはこういった犯罪者もいるのだ」と配慮をもった言い方をしているのです。 

米国人ならば彼の著作を読み、オリジナルの演説を聞いて、マスコミ報道の印象操作の度合いが分かります。「トランプの言葉使いもヒドイが、CNNの印象操作はもっとひどいな」と思う米国人が多数います。 

しかし、日本人でそこまでやる人はほとんどいないでしょう。なぜトランプが支持され続けるのだ? と不思議に思って当然です。

日本のマスコミが伝えない海外報道の読み解き方とポイントを解説する大学教授・大澤裕さん新創刊メルマガの詳細・ご登録はコチラから

 

社会分断化の責任はマスコミにあり

今、アメリカで話題になっている社会の分断も、トランプの主張を「彼の著作や、編集なしのYouTube動画で見た人」と「CNN等のマスコミ報道のみを通して聞いた人」の間で起こっていると思います。 日米ともにマスコミが彼の主張の正当な部分も詳しく伝えていれば、「支持はしないが理解はできる」という中間層がもっと増えて分断は起きなかったはずです。つまり、社会の分断の責任はマスコミにあります。 

そのキャッチ・アンド・リリース政策は、昨年11月の大統領選でも話題になりました。トランプは「オバマ時代のようにキャッチ・アンド・リリース政策をして不法移民を入れたら、彼らは裁判所に出頭しないで米国内に隠れるだけだ。裁判所にでてくるやつは相当にIQが低い奴だ」と言いました。確かにひどい言葉ですね(笑)。 

それに対してバイデンは「米国内に釈放された不法移民は、ちゃんと裁判所に出頭する」と言い、さらに「将来は(1100万人といわれる)米国に滞在する不法移民への市民権への道を開きたい」とさえ言ったのです(この「出頭する」というのは、ほぼ事実ではありません) 。

「もし不法入国で捕まっても、その場で難民申請をすればアメリカ側に釈放される。そして何年か身を潜めていれば市民になれる」となればリスクがありません。世界中の貧しい国の人がアメリカ国境を目指して当然です。 

善意の政策であっても正しい結果を生むとは限らない

さらにバイデン大統領は、「トランプの壁」の建設中断を命じて、また子供らは強制送還するような事はしない、と言いました。それを聞いた親が、まず子供だけを米国に送り込む不法移民が急増しているのです。当然、レイプや犯罪に巻き込まれる子供たちも急増しています。 トランプ政権時代とは比較にならない数の子供が危険な国境に放置されているのです。善意の政策であっても正しい結果を生むとは限らないのです。 

この問題はしっかりと報道して議論すべきです。 米国の国家としての方向性を決める問題だからです。また、日本にとっても不法移民、難民は対岸の火事でなく、中国や朝鮮半島の情勢次第では自らの身に降りかかるかもしれない問題です。 

上記のような今までの経緯を、日本のマスコミは報道するにしても、アリバイ作りのように事実を少し切り取っただけの分かりにくい伝え方です。私はこういったマスコミの報道姿勢に強い疑念をもっています。こんな報道ではいつまでも海外のことが理解できません。このメルマガでは、引き続きこういったトピックを分かりやすく解説していきます。

(メルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』 サンプル号より一部抜粋)

社会の分断化を推し進める「バランスを欠いた報道」を見極めるために

メルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』 では、在米14年の経験と起業家としての視線、そして大学教授という立場から、世界で起きているさまざまなニュースを多角的な視点で分析。そして各種マスコミによる「印象操作」に惑わされないためのポイントを解説しています。5月中であれば、5月配信分のメルマガ全てが「初月無料」でお読みいただけます。この機会にぜひご登録ください。

月額:¥330(税込)/月
発行日:毎週 日曜日(年末年始を除く)
形式:PC・携帯向け/テキスト・HTML形式

日本のマスコミが伝えない海外報道の読み解き方とポイントを解説する大学教授・大澤裕さん新創刊メルマガの詳細・ご登録はコチラから

 

 

image by: David Peinado Romero / Shutterstock.com

大澤 裕この著者の記事一覧

・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説 』

【著者】 大澤 裕 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 日曜日

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け