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ゼットスケーラー日本・アジア代表の金田博之氏が伝授、マルチタスクがまわらない時の実践的「時間管理手法」

現役世代のビジネスマンであれば、常に複数のタスクを同時に回していかなければならない状況がやってきます。マルチタスクを上手くまわせない人は何がダメなのか? そして何を改善すれば上手く複数のタスクをまわすことができるのか? そのコツを伝授しているのが、メルマガ『ゼットスケーラー日本・アジア事業責任者が教える「金田博之のグローバル・ビジネススキル最前線」』の著者で昨年12月にクラウドセキュリティ業界を牽引する「ゼットスケーラー株式会社」の日本・アジア事業責任者として代表取締役に就任した金田博之さん。時間管理の方法について、金田さんは「時間管理マトリックス」を応用する独自の解決法を、わかりやすく具体例をあげながら丁寧に解説しています。

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テーマ:マルチタスクがまわらない時の実践的時間管理手法 (時間管理マトリックスの応用)

日時:2021/6/19(土)10:00~10:45
視聴方法はこちらから。

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マルチタスクがまわらない時に使える「時間管理マトリックスの応用法」とは?

課題背景

マルチタスクをどう効果的に時間管理するか?

今回も金田サロンのメンバーから多数相談いただいた内容をテーマにしました。

みなさんは多くのタスクを複数同時にまわしていかなければならないときにどのようにして時間管理しているでしょうか。

私の場合、タスクが飽和していて、時間管理しようにもどうしたらいいかわからないという場合は、まずタスクの棚卸し・優先付けをして上司とその認識合わせを行うことを推奨しています。自分が考える優先度と上司の考える優先度が違うかもしれないからです。

ですが、上司と意見がまったく合わないということもあるでしょう。

例えば、タスクが多すぎて全ては対応できない。一部をほかの部署に回してもらうか、一時的にでも人員を増加させたいときなど、上司の立場からすると「今の状況でなんとかできないか」と言いたくなるものです。

そういった上司を説得するにはどのように説明するのがよいでしょうか。

そのプロセスの中に、より効率的な時間管理のヒントがあります。

今回はそのタスク管理の優先度を説明するという例を通して時間管理についてお話していきます。

一流、二流、三流はここが違う!

【三流】目の前のことでマルチタスクに忙殺。何とかやっつけで処理(計画をおろそかにし悩みながら走る)
【二流】困ったらまずは「時間管理マトリックス」で整理 (書籍:7つの習慣の実践)
【一流】重要度の判断基準を明確にし、緊急度の高いタスクに絞りこむ(時間管理マトリックスの応用)

タスクをどのように分けるか

タスク管理・時間管理において欠かせないのが優先付けです。

三流のビジネスマンはこの優先付けが甘く、思いついた順にとにかく片付けるような段取りをしてしまっています。最悪な状態は、残業してでもやっつけで処理しようとしてしまうことです。

上手くいくこともあるかもしれませんが、これでは優先度の低い作業に時間を奪われ、本当にやらなければいけないことへの時間が確保できなくなる危険性があります。つまり、マルチタスクにおいてインパクトのある成果が出せなくなります。

先日の勉強会でいただいた相談で、その優先付けが上司の意見と噛み合わず、どうすればいいかというものがありました。 

冒頭で軽く触れたとおり、現場目線では明らかに時間が足りない量の仕事が降りてきていて上司にヘルプサインを出しているのだけど、上司との意見が合わずに「現場(3人)でうまく片付けてくれ」と言われてしまうというものです。

相談者の場合は、上司に説明するためにタスクの棚卸しをし、各タスクの見積もりを仕事の難易度と、インパクト(重要度)という2軸でマトリックスで整理して分類していました。

相談者の具体例を上げると、保守系の仕事で、

など他にも複数の重要タスクが重なっており、これを3人で分担しなければいけない状況。

これを必要工数・スキルなどから見積もった難易度と、重要性という意味でのインパクトで考えて分類し、高難易度かつインパクトの大きいタスクが貯まっている状況であるということを上司に説明。

対する上司はこの説明を受けて、「インパクトはすべて大きいので、そういった意味ではどれも優先度が高い」、「なんとかうまくまわすようにしてほしい」との回答。

そうなってしまった原因は、難易度とインパクトの 見積もりが曖昧 だったことにあるのではないかと考えています。

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何を基準にして重要度を考えるか

難易度とインパクトという軸での見積もりの例がよくないと考える理由は2つあります。

まず、 難易度とインパクトという軸は、要素がかぶってしまっています 。インパクトが大きいタスクは概ね高難易度、もしくは時間のかかる作業となっているので、的確に評価できていない可能性が高いということ。

次に、 難易度もインパクトも評価の仕方が不明瞭である ということ。そのため上司からは「すべてインパクトが大きいから」という回答が返ってきたのではないでしょうか。

実際に、相談者と一緒にその場でこの2つの軸で9つのタスクを重みづけをしてみました。

するとそのほとんどが難易度(高)/インパクト(大)という結果になりました。上司に言われる通り、この軸の切り方だと「全て今やらなければならない」という結論になります。

この2つを鑑みて、 まずは 重要度×緊急度の2軸で分ける ように考えましょう。これで2つの軸がかぶることはなくなります。

このときに大切なのが、 重要度を決める基準 です。 緊急度はざっくりでも時間軸にタスクを並べてみると整理ができます。

重要度というのは、TPOによって変わってきます。

例えば、あなたがどうしても仕事を休めないときに具合が悪く病院に診察を受けに行ったとします。そんなに重症ではないので病院側からしたら重要度は高くないため、他の患者様を優先することがあるでしょう。しかしあなたからしたら超重要な事態なので、雑な対応をされたら困ります。

1つの診察というタスクに対しても、このように立場(基準)が変われば重要度は全くことなるのです。

相談者の例では、何を基準にインパクトの大小を見積もっていたのかがわからないので、そこが上司に伝わらなかったのだと考えています。

ですので、 重要度を測る軸を決めることがタスク管理・時間管理の第一歩 とも言えます。その上で、緊急度の2軸で整理しタスクの優先付けをするのです。

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重要度を要素分解してみる

今回の相談者と会話を進めていく中で、「中期計画に基づく内容ほど重要度が高い(事業売上に効果)」とするのか、「コストがかかるものほど重要度が高い」とするのかの2パターンで重要度を評価することができると考えました。

つまり、重要度の評価が難しいので 2つの要素に分解 してみたのです。

そこで先程の重要度×緊急度の2軸を以下のように応用して考えてみることにしました。

これによって以下のような解決のアクションが生まれてきます。

と言う結論に至ったのです。

今回のように、重要度の基準を決めるのが難しければ、まずそこから上司に相談するか、自分なりに仮説を考えて重要度の基準を考えるとよいでしょう。 

実際にこの2つも、どちらを基準にするかは現場だけでは判断しかねる場合もあるので、「事業売上(中期経営計画関連)とコスト関連のどちらを優先的にやるべきですか?」と上司に相談を持ちかけることで、「重要度×緊急度」を整理し、活動を絞りこむ道筋が見えるようになったのです。

その他の要素は随時上司に相談しながらタスクの優先づけを決めていくことで、上司からの支援を仰ぐとよいでしょう。例えば、上司判断で「他部門に支援依頼をする」「優先度を変える代わりに後回しにしてもよいタスクを判断する」などの状況判断をしていきます。 

このような形で緊急度×重要度でマトリクスを時には応用して整理し上司に説明すれば、抱えているタスクが現場だけでは難しいということを説得しやすくなるでしょう。

時間管理がうまくいかないとき

ここまでタスク管理の考え方を説明してきました。

中でも、 重要度を決める基準をどこにおくのか が大切です。

今回の例ではとある部署内での話ですが、個人の時間管理でも同様のことが言えます。

重要度や緊急度をしっかりと考えた上で計画を立ててタスクに取り掛かっているのに、なぜか思い通りにいかない、時間が足りない、いい成果が出せないという人は、重要度の基準を見直す必要があるかもしれません。

例えば副業をやって儲かっている人が、優先順位をキャッシュとした場合は本業と副業では時間単価の高い方を優先するという判断になりますが、副業は収入が不安定なものが多いので、どっちつかずの状態になって結果としてどちらもよいパフォーマンスを出せなくなってしまうということが考えられます。

そうならないためには、別の基準で重要度を決めた方がいいでしょう。

例えば将来起業や転職などを見据えてやっている副業であれば、ノウハウや人脈などの将来性をメインに考えるなどです。

ただなんとなく重要度を決めるのではなく、今の自分にとって何が大切なのか、どこをゴールに設定するのかを考えて、逆算して重要度の軸を考えましょう。

今回の実践ポイント

  • 時間管理は、緊急度×重要度の2つの軸でマトリックスにして整理する (時間管理マトリックス)
  • その際に、重要度は何を基準に測るのかを決めておく(ここが大事な着眼点)
  • 結果的に、重要度と緊急度の高い要素に活動を絞りこみマルチタスクを前進させる(その他の要素は随時上司に相談しながらタスクの優先づけを決めていく)

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image by: Shutterstock.com

金田博之この著者の記事一覧

世界MBAランキング首位のINSEADエグゼクティブMBA卒業。1998年、外資系大手ソフトウェア企業のSAPに新卒入社。30歳からマネジメントを歴任、7年連続グローバル・トップタレント選出。 2014年、日本の大手製造・流通企業ミスミグループでGMとしてグローバルDX新規事業を推進後、最先端AI/チャットの外資系IT企業、ライブパーソン(LivePerson、NASDAQ上場)の代表取締役に就任。3年間で毎年300%超成長(アジア全体売上の76%)。 2020年12月、クラウド型ネットワークセキュリティのトップ企業ゼットスケーラー(Zscaler、NASDAQ上場)にて、日本を含むアジア全体を統括する代表取締役に就任。 セミナー、企業、大学等で講師経験10年以上、受講者のべ5,000名以上。日経BP、東洋経済ほかメディア掲載多数。

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