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世界的に広がる「異常な受注量」。中国在住邦人が感じた背筋の寒さ

先日掲載の「株も住宅もパンデミック以前より上昇。米国の凄まじい経済復興」では、コロナワクチンの接種が進み驚くほどの経済回復を見せているアメリカの様子をお伝えしましたが、復興の兆しは世界に広がっているようです。今回の無料メルマガ『出たっきり邦人【アジア編】』では、中国在住の日本人著者Mochiさんが、自身が勤める深センの支店だけでなく、海外の全拠点が「異常受注」を抱えているという事実を紹介。付き合いのある全ての業界がV字回復していると伝えています。

『華南の風』中国・深セン【10】好景気?

日本ではいよいよ今月からオリンピックですね!コロナを抑え込んだようには見えないものの結局開催の決断をしたと。色々な見方があると思いますが成功して欲しいと思います。本来なら全世界への放映権、国内外からの大量の観客と関係者の宿泊・食事・関連グッズの販売など経済的に明るい材料があるはずなのですが、来日される外国人の入国制限や条件、無観客で開催される競技など当初の景気上昇の見通しから大幅に縮小されそうで残念です。

周知のとおり中国では見ることが出来ない日本のサイトが多いのですが、最低限のニュースチェックとしてYahoo Japanを見ていると、暗い話ばかりで朝から気持ちが沈みます。このメディア独自の視点の偏りもあるのかもしれませんが、この1年くらいは政府のコロナ対応を糾弾するのが多いですね。飲食、ホテル、小売などBtoCの業界がどれだけ悲惨なダメージを受けているか、補償がいかに不十分かというニュースばかりでした。「だからこうすればいい」という具体案を提示せず責任を取らないところがマスコミの残念なところです。

中国は世界中にコロナをばらまいたのは自国民であることを脇に置いておいて、以前に書いたような徹底的な管理で抑え込んだ結果、一早く景気が回復しました。去年の4月には通常出勤に戻っていました。

私の顧客は基本的に製造業で自動車・半導体・携帯電話・PC・電子部品・ガラス等、多岐に渡っているのですが、去年の秋頃から受注が増え始めました。付き合いのある全ての業界がV字回復しています。昨年暮れからは納期調整が仕事の大半を占めるくらい異常な受注を抱えています。最初は中国だから回復し始めたのだと思っていました。しかしこの流れは日本でも起きており、欧米・アセアンの全海外拠点に広がりました。「過去最高売上」という顧客は1社や2社ではありません。

でも日々目にするニュースからはこのような動きがほとんど上がってきません。出張も接待も激減し、リモートワークで会社の計上する経費は縮小しています。娯楽に使うお金が金融商品に回り、株価は上昇しました。これも上場企業にとっては追い風のはずなのですが。まさか次のショックに備えて各業界が在庫をひたすら貯めこんでいるとか?来年の受注分まで受注していると考えるとちょっと背筋が寒くなってきました。

前回のコロナ感染者発見から約1か月半、広東省はいつも通り徹底した管理を続けました。驚いたのは深センでは3週連続で全居住者の核酸検査を行ったことです。

深センの人口は1,400万人ですよ!?「時間的にあり得ない」という声が聞こえてきそうですが、次々と採取した検体を10人/件で検査に回し、陽性が出たらその10人を再検査する方式なのです。

結果は携帯に24時間以内に届き、「健康コード」に記載されます。そしてこの健康コードが緑の人のみ公共施設・商業施設・オフィスビルに入ることが出来ます。ちなみに子供の結果は登録した親のコードに表記されます。

残念なことにうちのスタッフが済むマンションに濃厚接触者が一人いたため、マンション自体が2週間封鎖され、住人は外に出られなくなりました。買い物や出前はネットで注文し、マンション入り口まで受け取りに来るという方式で過ごし、2日に1回核酸検査をしていたそうです。強制的にリモートワークとなりましたが、今週月曜の夜中0時に封鎖解除となり、やっと出勤できるようになりました。

ワクチン接種の外国人向け予約開始が待ち遠しいです。

著者/Mochi(「『華南の風』中国・深セン」連載)

image by: Dave Colman / Shutterstock.com

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【著者】 アジア6カ国の在留邦人メンバー 【発行周期】 週刊

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