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これも小泉・竹中“カネ持ち優遇”の一環。日本から「長者番付」が消えたワケ

元国税調査官として専門家の目線で紹介する「ギリギリまで節税する方法」や「最新の税金情報」等と並び、さまざまな社会問題をシビアな目で分析し考察する記事が人気の大村大次郎さん。大村さんは自身のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で今回、以前は日本で毎年発表されていた「長者番付」が廃止された背景について紹介。そこには、小泉純一郎&竹中平蔵の「金持ち優遇政策」が関係していたようです。さらに、最近全国的に続く大雨や台風で被害に遭った場合の「節税対策」などの税金に関する裏技も同時に教えてくれています。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』の2021年8月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

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日本から「長者番付」が廃止された理由

30代以降の人ならば、毎年、春に長者番付というものが発表されたのを覚えているはずです。

芸能人やスポーツ選手などの長者番付も発表され、芸能界の風物詩的なものにもなっていました。

この長者番付、いつの間にか廃止されたというイメージがあると思います。

この長者番付が廃止されたのは、あの小泉政権の時代の2006年なのです。

小泉政権の時代、竹中平蔵氏が経済政策を一手に引き受け、様々な金持ち優遇政策を行いましたが、長者番付の廃止もその金持ち優遇政策の一環だったのです。

長者番付というのは正式には、高額納税者公示制度といいます。

毎年1千万円以上の納税額がある人は、その氏名と納税額を税務署に公示するというものです。

納税額が公表されるわけですから、全国でその一覧を集めれば、分野別の高額納税者もわかるわけです。

そのためマスコミが各分野の高額納税者を集計して発表するのが長者番付というわけです。

なぜ高額納税者が公示されるのか、というと、これは金持ちへのけん制のためでした。

税務当局としては、

「ここに公示されている人のほかに、たくさん儲けている人や贅沢な暮らしをしている人はいませんか?そういう情報があったらお寄せください」

ということだったのです。

実際に、税務署では密告を受け付ける部署がありました。

そして、なぜ廃止されたのかというと、高額納税者制度は住所地が公示されるので、犯罪に巻き込まれる危険がある、ということでした。

しかし、この理由には無理があります。住所が特定されて危険というのであれば、住所地は公表せずに、国税庁が全国まとめて公示すればいいのです。

長者番付制度は、どれだけ稼いでいるのか公表されるわけなので、脱税だけではなく、金持ちの経済姿勢に対する強いけん制になっていました。

それなりの社会貢献をしなければ、世間的にみっともない、ということです。

が、長者番付制度が廃止されたたために、世間では誰がどの程度稼いでいるのかわからず、金持ち側としては、社会貢献などせずともこっそり稼ぐことができるようになったのです。

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台風、大雨の被害にあわれた場合の税控除

大雨がすごいですね。

最近の雨は以前とは違って降り方が激しいし、どこが被害に合うかも以前の経験がなかなか役に立たないようになっているので、くれぐれもご注意ください。

そして、もし大雨や台風の被害にあわれた方は、ぜひ覚えておいていただきたい税控除があります。

それは「雑損控除」というものです。

このメルマガでも何度かご紹介しましたが、お初の方もおられると思うので改めてご説明しますね。

雑損控除というのは、自然災害や盗難にあった人の税金が割引になる制度です。

ざっくり言えば、自然災害や盗難などで、所得の10分の一以上か、5万円以上の被害があれば、それを超えた分を所得から控除できるのです。

細かい計算式は下に記載しています。

実はこの雑損控除は対象者がかなり広いのですが、「対象となっているのに受けていない人」が非常に多いのです。大雨や台風、大雪などで、家の一部などが壊れてそれを修繕したような場合も対象になります。

また台風に備えて、土嚢やスコップなどを購入した場合、その購入費も対象になります。

家に浸水などしていなくても、「塀が壊れた」「ガレージが水浸しになった」「水道が壊れた」「車が壊れた」などでその修復に費用がかかったような場合は、対象になります。

ただし自然災害などの修繕費用は、災害の日から1年以内に修繕したものでなければなりません(災害の状況などでやむを得ない事情があれば3年以内までOK)。

雑損控除の場合、損失額が大きくて、その年の所得金額から控除しきれない場合には、申告を要件に翌年以後3年間の繰越控除が認められています。だから、大雨、台風などの災害にあった場合、その年だけでなく、三年分の税金が安くなるのです。

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盗難被害、害虫駆除、雪下ろし費用も対象になる

 

雑損控除は自然災害だけじゃなく盗難にあった場合も対象になります。

家に泥棒が入ったときのみならず、スリや置き引きなどで、被害を受けた人も対象になります。

ただし、詐欺の被害は対象になりません。

なぜ盗難被害は対象になるのに、詐欺の被害は対象にならないのか、筆者にはわかりません。

詐欺は、自分の判断で騙されているわけなので、自分の責任もあるというなのでしょうか?

とにもかくにもオレオレ詐欺などにはくれぐれも注意してください。

また雑損控除の場合には、あまり知られていない裏ワザがあります。

スズメバチ退治やシロアリ退治、自然災害の後片付け費用、豪雪地帯の雪下ろしの費用も対象となるのです。

スズメバチ、シロアリに限らず、害虫や害獣全般が対象になります。

クマが出る地域で、クマ対策にお金がかかれば、それも当然、対象となりますし、ハトの糞で悩まされている人がその対策を行なった費用、鹿の被害に遭っている人なども対象になります。

夏になるとスズメバチの被害が増えますが、スズメバチ退治を業者さんに頼んだという方もけっこういると思われます。

また大雨で被害を受けて、後片付けを業者さんに頼んだというような方もけっこういると思われます。

それらの費用が5万円以上かかった人は(もしくは所得の10%以上)、それを超える部分が、所得から差し引けるというわけです。

たとえば、大雨で庭がぐちゃぐちゃになり、業者に後片付けを頼んで20万円かかったというような場合、20万円-5万円=15万円

ということで、15万円が課税所得から差し引かれるのです。(※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』の2021年8月16日号の一部抜粋です。全文をお読みになりたい方は、初月無料のお試し購読をどうぞ)

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image by: 左 World Economic Forum / CC BY-SA 2.0 右 Derek Yamashita / Shutterstock.com

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