どう解釈しても理解不能な上司の言動に頭を抱えた経験がある方、少なくないと思われます。部下が上役を選べない以上、受ける被害は最小限に済ませたいものですが、良い手立てはないものでしょうか。今回、世界的なコンサルティング会社で14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんの元に寄せられたのは、指示が曖昧な上に毎回途中で意見を変える上司に右往左往させられているという読者からの相談。赤羽さんはメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』誌上で、なぜそのような現象が起きてしまうのかをよく観察し深堀りすることを勧めた上で、事態を「ましな状況」にするための「A4メモ書き」を応用した4つの対処法を紹介しています。
※「A4メモ書き」とは:赤羽さんが考案したA4用紙を横置きにして左上にタイトル、右上に日付、本文を4~6行、各20字前後を1分で書き上げることで“もやもや”が消えていくという方法を使用したストレス軽減策
※ 本記事は有料メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』2021年10月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
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上司の指示がいい加減で、いつも右往左往します
Question
上司である部長が結構いい加減な人で、指示があいまいです。途中で意見を変えることは日常茶飯事ですので、部下としても本気で取り組む気がしません。言われた通りやっていたら、後から、「そういうつもりではなかった」「もっとちゃんと考えてやってほしい」と言われることが普通です。何度も繰り返されるので、念を押すのですが、それ自体嫌がりますし、実際、平気で意見を変えてきます。さらには、後出しジャンケンも平気らしくて、毎回、部下はみなあきれかえっています。上司の上司もわかっているのかいないのか、放置気味なので、部下としてはたまったものではありません。どうにかならないのでしょうか。
赤羽さんからの回答
残念ながら非常によく聞くお話です。遠慮なく言わせていただくと、どうにもなりません。部下が上司を変えることも、選ぶこともほぼできないからです。そういう人にはなりたくないと思ったら、自分が上司の立場になったときに同じことを繰り返さないよう、今の気持ちをしっかりと書きとめておくといいです。
なぜそういう現象が起きてしまうのかもよく観察して深掘りしておくことがお勧めです。観察すると、「ああ、そうだったのか。そういうことだったのか」ということも思いがけずあります。あまり認めたくはないかも知れませんが、上司には上司なりの理由があるからです。理由があっても、それを本人が意識していないことも多いですし、ましてや部下に説明しようと思わない人のほうが多いと思います。
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では、そういう中でも、どう対処すると、まだましかという点で何点かご説明したいと思います。
1.毎日、経営者と上司の視点でA4メモ書きをします。この会社をどうすべきか、この商品の売り上げ拡大をどう加速するか、この競合にどう勝つか、会社の組織をどう変え、強化していくべきか、こういうタイトルのA4メモを毎日5~6ページ書き続けていると、経営者の視点、上司の視点がかなり見えるようになります。そうなると、上司がやみくもに変えているのではない、ということが結構見えてきます。ちゃらんぽらんにやっているように見えて、実はポイントをはずしていなかったのだというようなことも見えてきます。「だったら、ちゃんと説明してくれよ」と思われるでしょうが、それはないものねだりです。
2.上司の立場で多面的なA4メモ書きをします。どういう親に育てられたのか、どういうしつけだったのか、上司は自分自身にどのくらい自信があるのか、新入社員のときどういう失敗をしたのか、どういう成功体験があるのか、仕事とは何だと考えているのか、そういったことを毎日5~10ページほどA4メモ書きをしていきます。そうすると、上司が何を考え、どう行動し、部下の心証を大いに傷つけているのかなども見えてきます。上司のことがわからない、という方も多いとは思いますが、毎日の大半を一緒にすごす大事なビジネスパートナーなのですから、普段から関心を持ってもバチは当たりません。
3.自分の業務、成果などに対して上司が何を言うかをまず書いてみます。次に第2案として、思いっきりあまのじゃくの答えも書いてみます。その次に、これ言われたら怒るぞ、という第3案も書いてみます。これを用意して上司とのミーティングに臨むと、「当たった!!」「はずれた!」と答え合わせができますし、クイズ的要素も出てきて、少し楽になります。
4.上司にどう提案するかをA4メモに書いたあと、同僚2名にお願いして、ロールプレイングを実施します。そのとき、へそ曲がりの上司の役をやってもらうと、上司のいい加減さがほほえましいと感じるようになるかも知れません。
ともかく、被害者的に見ても疲れるだけで悪循環に陥りますので、極力、客観視して、第三者的視点で見るようにしてみてください。
(メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』2021年10月4日号より一部抜粋。全文はメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』を購読するとお読みいただけます)
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