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楽天市場で一番売れたキッズヘルメットは他社製品とドコが違うのか?

お子さんにとっての「はじめてのもの」は、親も大切に選びたいものですよね。そんな親心を掴んで話題になっている商品があります。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』では著者でMBAホルダーの青山烈士さんが、人気の幼児用のヘルメットと胸部プロテクターの戦略と戦術を詳しく分析しています。

はじめて選ぶ商品

今号は、幼児用のヘルメットと胸部プロテクターを分析します。

株式会社マグクルーズが展開する幼児向けの自転車用のヘルメットとチェストプロテクター

幼児の頭と胸部を守りたい方をターゲットに「モノづくりへのこだわりやスペシャリスト」に支えられた「幼児向けサイズがある」「強固に保護してくれる」等の強みで差別化しています。

ヘルメットデビュー専用など、はじめての方(幼児)向けというメッセージが、幼児の親にとってはシンプルに伝わりやすく、注目を集めています。

■分析のポイント

キックバイクをご存知でしょうか。幼児向けのペダルの無い自転車のようなもの、足でこぐ自転車と言えば、イメージできる方も多いと思います。そのキックバイクに私の3人の子どもたちも乗っていましたが、上の子の世代より、下の子の世代の方が持っている子どもの比率が高いです。ですので、公園では、キックバイクに乗っている子どもが年々、増えている印象です。

親から見たキックバイクの魅力は、自転車にスムーズに移行できることです。バランス感覚が身に付くので、キックバイクに乗れる子はすぐに自転車に乗れるようになります。心配事としては、スピードがかなり出ることです。転倒や接触をすればケガをする可能性が高いです。

マグクルーズの公式オンラインショップにも記載がありますが、自転車での交通事故での死亡者の怪我の部位トップは頭、2番目が胸部となっています。頭を守る重要性は、認知度が高いため、ヘルメットを着用している子どもは多いですが、胸部プロテクターを着用している子どもはほとんどいません。まだまだ、胸部を守ることの重要性は認知されていない状態ということでしょう。そのような状況の中で、マグクルーズは、胸を守る重要性を伝えつつ、はじめての胸部(チェスト)プロテクターとして訴求しているわけです。

胸を守る重要性の認知度が高まってきたときに、はじめての胸部(チェスト)プロテクターというブランドイメージはユーザーから見ると、購入候補に入る可能性が高いです。買い手から見て、はじめて購入する方に向けられて作られていることが、すぐにわかりますからね。購入経験のあるモノより、初めて購入するモノの方が迷うものです。

迷っている親からすると、はじめての方(幼児)向けに作られているものは、まさに自分向けに作られていると思うでしょう。特に幼児向けであれば、安心感を得たいので、同じような小さなお子さんを持つ親が、”はじめて選ぶ商品”というポジションは非常に強力です。

マグクルーズは、「はじめてのヘルメット」で成功をおさめていますので、その成功を横展開する形で「はじめてのチェストプロテクター」をリリースするというのも自然な流れかもしれませんね。

キックバイクにしても、自転車にしても、現時点で、事故や転倒を100%防ぐことはできません。であれば、転倒などが起きた時の影響を最小限にすることは大切なことだと思います。私もそうでしたが、一度、ヒヤッとする思いをしないと自分は大丈夫と思ってしまいがちです。

今後、チェストプロテクターが普及していくことを願いつつ、マグクルーズがどのように訴求していくのか注目していきたいです。

 

◆戦略分析

■戦場・競合

・戦場(顧客視点での自社の事業領域):自転車用ヘルメット、自転車用チェストプロテクター
・競合(お客様の選択肢):ヘルメットなどの保護具メーカー など

■強み

1.幼児向けサイズがある

・1歳から着用でき、サイズ調整もできるヘルメット
・2歳から着用できる胸部プロテクター

2.強固に保護してくれる

・落下や転倒の際の衝撃をしっかりとガード
・守られている安心感

3.軽くて動きやすい

・快適仕様のヘルメット

★上記の強みを支えるコア・コンピタンス

・“あったらいいな”を形にして世の中に送り出す。それが私たちの仕事であり、特技でもあります
・提携工場は、ヨーロッパのプロチーム向けのヘルメットを製造してきたスペシャリスト
→「はじめてのヘルメット“MagRideイチハチロク”」は、より安全や衝撃吸収性に優れた構造。競技用ヘルメットにも採用される作り方で、内側と外側が一体化しているため、耐久面が抜群

上記のような、モノづくりへのこだわりやスペシャリストが強みを支えています。

■顧客ターゲット

・自転車などに乗った際に、幼児の頭部と胸部を守りたい方
・幼児に合うサイズの保護具を探している方

 

◆戦術分析

■売り物、売り値

キッズ向けヘルメット&チェストプロテクター(MAG RAIDシリーズ)

・「はじめてのヘルメット“MagRideイチハチロク”」:4,380円(税込)
1歳から着用できる業界最軽量ヘルメット(186g)
始めてのヘルメットデビュー専用とすることで、よりフィット感を高めた。日本人の子どもの頭の形に合うよう、Japan Fitモデルでの設計となっている
・「はじめてのチェストプロテクター」 : 4,980円(税込)
2歳から使える!業界最小設計の胸部を守るプロテクター。2歳から6歳(Sサイズ)まで、6歳から10歳(Mサイズ)まで使える2サイズ

■売り方

・楽天市場で一番売れているキッズヘルメットブランド
・ヘルメット&胸プロテクター同時購入で1,000円OFFクーポン発行
・頭部と胸部を守ることの重要性を訴求
・1年間の無償修理保証を付帯

■売り場

・公式オンラインショップ など

※ 売り値や売り物などは調査時の情報です。最新の情報を知りたい場合は、企業HPなどをご確認ください。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 青山烈士 【発行周期】 ほぼ 週刊

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