正夢、逆夢、悪夢に吉夢。毎日見ているらしい夢でもすぐに忘れるものもあれば、ずっと覚えているものもあります。印象的な夢を見ると、何か意味があるのではないかと気になりますね。今回のメルマガ『富田隆のお気楽心理学』には、23歳の女子学生から「宇宙から見る地球が雲に覆われてよく見えない。見ようとするとジャーナリストに制止される」夢を分析してほしいとの依頼が届きました。心理学者・富田隆教授の見立てはどんなものになったのでしょうか?
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「宇宙から見た地球」の夢を見ました
Question
夢について教えていただきたく、お便りしました。宇宙から地球を見る夢を見ました。民間の宇宙船による旅行が成功した話をニュースで見たことに影響されたのかもしれません。
宇宙船が軌道に乗り、無重力になり、窓の外には地球が広がっています。「日本はどこだろう?」と思い、探すのですが見つかりません。想像していた以上に雲が地球を覆っていて、海や大陸も、その隙間から少しだけ覗いていて、どこがアジアかアメリカか、見当もつきません。
一生懸命、雲の隙間を見ているうちに、キラキラと輝いている土地が見えました。「あそこを望遠鏡で見たいんですが」と船長に頼んだら、横からジャーナリストの人が、「あの辺りは国家機密が絡んでいるから、見ない方がいい」と言うのです。船長の方を見ると彼もうなずいています。
私は、「せっかく宇宙までやって来たのに」と、がっかりしてしまいました。そして、だんだん腹が立ってきて、「あんなに雲ばっかりの地球なんておかしい。偽物じゃないの?」と叫びました。すると、先程のジャーナリストの人が、「ダメですよ。それは陰謀論です」と囁きました。何だかバカバカしくなった私は、早く地球に戻りたいと思いました。
以上が、夢の概略です。先生なら、どのように分析されますか?(23歳、女性、学生)
富田隆先生からの回答
「グローバル・アイ」というような表現もあるように、地球を俯瞰(ふかん)して見るということは、「広い視野」でものごとを理解することの象徴と考えられます。学生の貴女は、向上心に溢れ、今以上に「広い視野」でものごとを認識し、客観的に判断したいという志を持っておられます。それが、宇宙から地球を眺める夢に象徴されています。
しかし、地球は雲に覆われていて良く見えない。一部を垣間見ることができても、これを深く探究することは禁じられており、邪魔されてしまいます。それどころか、大切なことが雲で隠されているという事実を指摘しただけで「陰謀論」のレッテルを貼られてしまうのです。
そして、残念ながら、現代のジャーナリズムは、読者に広い視野を提供することもせず、真実を探求することも怠り、むしろ、それらを雲で覆い隠す側の代弁者になっている。
貴女の夢は、こうした困った現実を直観的に看破したものだと思います。社会的矛盾に打ちのめされることなく、こうした構造を突き破る抜け道を探し出してください。あなたが今取り組んでおられる「学問」の世界にも、そのためのヒントは少なからず隠されていると思います。
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