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育児がキツイ時期に「今が一番いい時よ」と言われムカッとする自分への“処方箋”

なぜか、子育て中のお母さんを見ると話しかける人っていますよね。その中で意外と多くかけられる声が「今が一番いい時よね」という言葉。育児中の身からすると、「大変なんですけど!」と反発したくなるかもしれません。雑誌編集者としての長年のフルタイム勤務と育児を両立してきたという、川ノ森千都子さんは、メルマガ『川ノ森千都子から送る「育児中のあなたへの心のマッサージ」』で今回、その言葉の真意と、そう言われた時の心の持ちようをアドバイスしています。

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今が一番いい時といわれたら

息子が小さい時、何度か 「今が一番いい時よねえ」 と話しかけられました。
知り合いにも、知らない人にも。
赤ちゃんの時から、10歳くらいまででしょうか?
いわれたときは 「いやいやいや、大変です」 とか 「まだまだ大変なんですけど」 と思って、
「はあ・・・」と流していました。
とても「今が一番」とは、思えなくて。

そんな経験はありませんか?
いうのは全員、子育てを終えた女性でした。
今、息子が高校3年生になって、いった方の気持ちがわかるようになってきました。
小さい子がいることが、なつかしくてうらやましいんです。

時がたつと子育ての苦労の記憶が薄れがち。
もう大きくなってしまって、離れていく自分の子ども。
もう一度、抱っこしたい、「抱っこして」といわれたい。
そういう気持ちになるんですね。
赤ちゃんや小さい子どもがかわいくてしょうがないんです。
その頃に戻りたい!って切実に感じているんです。

腕の中にだれもいない。
かわいい小さなものが遠ざかってしまった。
そう思っています。
ただいわれる側は、複雑な思いです。
そんな気持ちはわからないし。
むしろイラッとします。
こんなに大変なのに、なんでそんなことをいうんだろうって。
呆れたり、ため息をついたり、しますよね。
私はそうでした。

あるとき、そういってきた友人に「今すごく大変なんだけど、どうしてそんなこというの?」と聞いてみたことがあります。
友人はかなり早くに出産をして、お子さん二人は大学生でした。
「ええ?・・・ だってうらやましくて」
といわれて、気が抜けたというか、変な気持ちになりました。
そういわれてもなあ・・・という困ったような気分。
今、大変なのに、というじりじりした気持ち。
ムッとした感情。
もう覚えていないんだな、という悲しい思い。
どうして忘れてしまうんだろうという。
もうそう思ったなら、「今がいい時ね」という言葉は、受け取めなくていいです。
いわれたときは、「そうですか」と流していいと思います。
楽しいとおもえなくて、疲れているときは特に、気に留めないで。
「いい時じゃない!」とカッとしたらなおのこと。

私もそう感じたことがあります。
大きな荷物を持って、移動も大変で。
移動中に泣かれて、白い目で見られて。
お店に入ると騒いで、動き回って。
商品に触って注意されて。
そんな時に、なぜかいわれることもあるんですよね。
慰めのつもりなのでしょうか?
わかりませんでした。
なぜ?

それは、 育児中はまさしく「真っ最中」 だからです。
その 真っ最中の一生懸命が、うらやましかったり、まぶしかったりします。
だからいわれたら、知ってください。
「 私、うらやましがられているんだ」 って。
いう側は、悪気はないんです。
本気で言っているんです。だからいいというわけではありませんが。
育児の大変な時はあっという間に過ぎる、とその人は思っています。
自分が終わってしまったから。
渦中にいると、ちっとも「あっという間」ではありません。
けっこう長いです。

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ただ「うらやましがられている」と優越感を持ってみてください。
そうするとイラッとしなくなります。
こんな大変な私が、うらやましがられる立場にいる。
それってどういうことだろう、と。
「私もいつかそう思うんだろうか?」って、考えるかもしれません。
そうすると、 今の時を少しだけでも、客観的に見られます 。
それが大事。
いう人のことは考えないで(笑)。
自分のことだけ考えてみてください。

少しだけ、視野が広がるかもしれません。
子どもが少し大きくなった姿を、想像できるかもしれません。
まだかわいいと思うか。
ほっとするか。
寂しいか。
自分時間ができることを喜ぶか。
生活を考え直すか。
人それぞれです。
子どもの年齢にもよります。

でも、少しだけ距離をもって自分と子どもの姿を見られるかもしれません。
子どもとだけいると、煮詰まることがありませんか。
楽しいこともあるけれど、やることも多いし、責任も大きいし、ハードです。
私はキューッと視野が狭くなって、叫びたくなったことが何度かあります。
ちょっとしたことがうまくいかなかったとき。
例えばいつまでも泣き止まないとか。
電車の中で騒ぎ続けるとか。
店でねだって泣くとか。
反抗してグサッとくることをいうとか、
そんな、キューッと追い詰められたり、つらくなったときに。

逆に 「私はうらやましがられている」「今が一番いい時」って唱える と、ちょっと気分が変わるかもしれません。
その気持ちは、わからなくていいんです。
わからない方が普通です。
まだそうじゃないんですから。
でも、ちょっとだけ、優越感を持ってみてください。
うらやましがられているんだ、私って。

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子どもは今、あなたのことを大好き。
大泣きしても、反抗しても、少しきたない言葉をいっても、大好きなんです。
とにかく、 一番に、無条件に、好き。
全面的に頼るのは、あなた!
大きくなってもそうかもしれませんが・・・今とは違います。
少し距離ができます。
自立し始めます。
そうしないと困るわけですが・・・。
「尊敬される」かもしれませんが、「ムギュ~、大好き!」みたいな瞬間は、きっともうないでしょう。
それをうらやましがられているんですね。

客観的に自分を振り返る手がかりのようにしてみてください。
私自身、あなたがうらやましいです。心から。
だからといって「今が一番いい時ね」なんて、いいません。
大変なことはわかっています。
まだまだ生々しく記憶にあります。
今は「じゃあ、満喫しよう」とか「大事にしよう」となかなか思えないかもしれません。
それが普通です。
ただ、 うらやましがられているってことだけ、おぼえていてくださいね。

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image by: Shutterstock.com

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雑誌編集者として長年フルタイム勤務。独身時代は世界各国を旅し、バックパッカーで南米を回ったり、ワインの産地を訪ねたりと趣味に没頭する日々。ワイン・エキスパート資格保持。バレエ、着物、アート、マンガなど多趣味。 高齢結婚・高齢出産でいきなり違う世界に飛び込み、右往左往しながら日々を過ごす。息子が高校入学して自分を振り返り、noteを始める。SNSのnoteを毎日2回更新。エッセイ・料理・育児の3部門同時・3週連続1位、育児部門では37週連続1位の実績あり。小学校・図書館で絵本の読み聞かせボランティア、絵本編集の経験あり。

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【著者】 川ノ森千都子 【月額】 ¥495/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第1水曜日・第2水曜日・第3水曜日・第4水曜日

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