正夢、逆夢、悪夢に吉夢。毎日見ているらしい夢でもすぐに忘れるものもあれば、ずっと覚えているものもあります。印象的な夢を見ると、何か意味があるのではないかと気になりますね。今回、メルマガ『富田隆のお気楽心理学』に寄せられたのは、森で熊と遭遇したという夢。後退りして逃げ込んだ小屋では落ち着いた老人に出会います。さて、心理学者の富田先生の見立てとは?
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「森の熊さん」の夢を見ました
58歳の男性です。良い歳をして、童謡のような夢を見ました。森の奥で熊さんに出会ったのです。ただ、夢に出て来た熊さんのイメージはメルヘンチックなものではなく、とてもリアルで、ちょっと怖い感じでした。
なぜ、そんな森の奧を一人で歩いていたのかはわかりませんが、木々が生い茂る暗い森で、細い道の横には笹が一面に生えていました。その熊は、森の奥から、笹をかき分けながらこちらに近づいて来るのです。
私は「来るな、来るな」と心の中でつぶやきながら、道を後ずさりして、熊から遠ざかりました。2~3分の間、熊を正面に見ながら、後ろ向きに進むと、突然周囲が明るくなり、森の中の空き地に出ました。
そこには、炭焼き小屋(だと思うのですが)が立っていたので中に入ると、お爺さんがお茶を飲んでいました。「熊がこの小屋にも来るかもしれない」と私が言うと、その老人は、「その熊は、森を出て来ない。こちらが落ち着いて平常心を保っていれば、悪さはしない」と言いました。私は、なるほど、そういうものか、と納得し、老人からお茶をいただきました。とても、美味しいお茶でした。
以上です。とりとめのない夢ですが、どんなメッセージが読み解けるでしょう?よろしく、お願いいたします。
富田隆先生からの回答
「熊」は、父親や母親の象徴として夢に登場する場合もありますが、今回の場合は、リアルな猛獣としての熊のイメージなので、これは、貴方自身の無意識領域に潜む「攻撃的なエネルギー」の象徴と考えて良いでしょう。
「深い森」は、貴方の心の「無意識」領域を象徴しています。ですから、貴方は、自分自身の心の中を覗き込んで、心の底に強い「攻撃性」が潜んでいることに気付いたわけです。最近、仕事や私生活で、何か不愉快なことを経験し、貴方の攻撃性が刺激されたのかもしれません。
貴方自身は、自身の攻撃性を刺激せず、何とか抑え込もうと、熊から遠ざかります。炭焼き小屋の老人は、貴方の潜在意識に居る「老賢人(不思議な力を持つ男性の理想像)」です。「落ち着いて、平常心を保つ」という老賢人のアドバイスは、貴方が実際に自身の怒りや攻撃性をコントロールする際に役立つものではないでしょうか。そして、貴方は既に、そうした方法を会得しているはずで、老賢人はそれを言葉にして指摘してくれたのだと思います。
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