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デジタルに強い子どもを育てる。親がすべき「ネットリテラシー」の高め方

「デジタルネイティブ」という言葉を耳にするようになって久しいですが、今ではさらに細分化されていることをご存知ですか?そんなデジタルネイティブな子どもたちによって、現在の大人たちが想像することすらできない未来が近い将来やってきます。今回のメルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育アドバイザーの柳川由紀さんは、デジタルネイティブ世代の我が子に対してどのように接したらよいかを紹介しています。

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デジタルネイティブ世代

今回のテーマは、「デジタルネイティブ世代」です。生まれたときからデジタルの世界にいる子ども達の特徴、そうした子供へのアプローチ法についてお伝えします。

1.デジタルネイティブ世代とは・・・

アメリカの作家:マーク・プレンスキーが提唱した言葉です。生まれた時からIT環境に囲まれている世代を「デジタルネイティブ」と定義しています。

日本では、子どもから学生時代にかけて携帯電話やインターネットなどに親しんで来た1990年生まれ以降を「デジタルネイティブ世代」、それ以降、概ね10年ごとに「スマホネイティブ世代」(2000年生まれ以降)、「クラウドネイティブ世代」(2010年生まれ以降)と呼ばれています。それ以降は「AIネイティブ」などと呼ばれるのでしょう。

今の小学生は「クラウドネイティブ世代」です。パソコンや端末にアプリをインストールすることが当たり前だった2010年代までとは違って、Googleサービスやクラウド上にあるアプリにスマホからアクセスして利用することが当たり前の時代に生まれ育っています。

この世代は今まで以上にネットに常時接続し、サクサクとクラウド上のサービスを使い分けていくでしょう。

SNSの世界では誹謗中傷、詐欺、炎上など多くのトラブルがあふれています。そんなトラブルに遭わないためにはネットリテラシーを高めることが大切です。「ネットリテラシー」とは、「ネットにおけるマナーやモラル」と言う意味のほかに、「ネット情報の取り扱い方を知り、それを活用する能力」と言う意味が含まれています。

この能力が低いと、様々なトラブルに巻き込まれます。子供のうちからネットリテラシーを高めておく必要があります。

2.先駆者は藤井聡太棋士?

子供達はまるでスマホが体の一部であるかのように、クラウドサービスを当たり前に利用しています。

写真や動画、絵や文章をクラウドに上げてソーシャルメディアで拡散するのも当たり前です。常にスマホがインターネットに繋がっています。これからは、人工知能が人を超える「シンギュラリティ」が始まるとも言われています。その最先端を走っているのが藤井聡太棋士でしょう。

彼は、自作のPCを使って、AIとハイレベルな対戦を繰り返すことでこれまでに無い打ち手を研究しているそうです。まさに藤井棋士は「AIネイティブ」の先駆けですね。

簡単にAIの技術を利できるインフラが整うと、誰でも情報通信技術(ICT)を使って課題を解決することが出来ます。そういう人たちを「デジタルイノベーター」と呼びますが、「誰も」がなり得るのです。人生経験の少ない若者も、老齢の方も「ICTを活用できれば」可能です。

本人が何の気なしに投稿した情報でも、悪意あるリツイートやデマとして拡散されてしまう危険性があります。

例えば、煽り運転の事件が挙げられます。ニュースになったドライブレコーダーの映像から「ガラケー女性を特定」したというデマが流れました。「犯人を見つけてあげよう」と言う善意からの行動から、犯人探しをがスタートし、特定された女性の実名や写真が拡散していきました。しかし、特定された女性は、全くの別人だったのです。犯人扱いされた女性は、投稿者と拡散者を起訴し勝訴しました。

そもそも善意から始まったものが、思わぬ危険を孕み、人を傷つけてしまった例です。同じように、コロナ禍における「トイレットペーパー買占め騒動」も発端は、「トイレットペーパーは中国で生産されているため、コロナ禍で物流がストップして品薄になるのでは?」という何気ない一人のつぶやきでした。

一方で、気を付けていても個人情報が分かってしまうこともあります。自分は「個人情報」を投稿したつもりがなくても、「投稿した写真」が個人情報の手掛かりになります。数年前にも、瞳に写った背景を手掛かりに住所を特定され、ストーカー被害に遭ったという事件がありました。

SNSに何気なく投稿する写真、コメントは大量の情報元です。例えば、「今、塾からの帰り」などと毎回投稿すると、何曜日の何時ごろに塾が終わるかが分かってしまいます。ネットリテラシーが低いために、投稿して大丈夫か、リツイートしようとしているのは、正しい情報か、このコメントは誹謗中傷にならないか、などを考えずに行動してしまう危険性があります。

親として子供たちにリテラシーを高く持たせ、情報を判断する能力を身に着けさせることが求められます。

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3.今後求められるものは?

情報収集や検索スキルがとても高い代わりに、考える前にネットで調べて答えを出そうとするのがデジタルネイティブ世代の傾向です。これは悪いことではありません。

翻訳ソフトの性能が高まっているため、将来は、語学の勉強も不要になる可能性もあります。他言語を学ぶことの意義はあるものの、実務レベルでは翻訳ソフトで解決するからです。

また、ネットで調べればわかるような知識の学びは、これからはあまり意味があるとはいえません。それらの知識を駆使して新しい価値を作り出すことが求められるからです。

これからは、世の中の何が課題で、その課題を解決するにはどのような価値があればよいのか、そのために何が必要なのか、をトータル的に考えることができる思考力、洞察力、想像力が求められます。

◆家庭教育アドバイス・・・「親としてどうする?」

親としては、子供の思考力、洞察力、想像力を高めるための環境作りが求められます。これからは、プログラミングを学べばいいんでしょ?と言う安易な発想では太刀打ちできません。プログラミングは皆、出来るような時代が来ます。

その中を生き抜くのですから、柔軟な「頭脳」を持つ「地頭」を鍛えることが先決です。「経験」の機会を持ち、「失敗」を繰り返し、「試行錯誤」する姿を見守り「挑戦」させ、「粘り強さ」を持って取り組む力をつけさせることが求められます。

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image by: Shutterstock.com

家庭教育アドバイザー 柳川由紀この著者の記事一覧

家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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