仏教的な説話の中に「虎とイチゴ」というお話があることをご存知でしょうか。最後まで読んでも「だから何だ!?」となりそうなお話なのですが、今回のメルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』では現役精神科医のゆうきゆう先生が、この説話を独自に解説。この中には「人生を生き抜く秘訣が隠されている」と語っています。
人生を変える!「虎とイチゴ」の話
こんにちは、ゆうきゆうです。
みなさん元気でお過ごしでしょうか。
今回は仏教的な説話の中から、こんなお話をご紹介します。
「虎とイチゴ」
ある男が外を歩いていると、突如虎が襲ってきました。
男は当然逃げますが、逃げている途中に崖から落ちてしまいます。
そして偶然生えていた1本の枝をつかみ、危うく転落は免れました。
しかし虎がいるため、この枝から上に登るわけにはいきません。
下に逃げようにも、当然高い位置であるため落ちれば命はありません。
困っていると、枝の近くにネズミが2匹やってきました。
そしてこのネズミたち、枝をかじり始めてしまいます。
「枝が折れてしまう!」と男は大ピンチに陥ります。
すると、男は木の枝の根元にイチゴが生えているのを見つけます。
そして彼はそのイチゴを手にとり、パクっと食べました。
おいしかった。
これで話はおわりです。
…だから何なんだ!?と。
その後どうなった、という解説もなしです。
この話はいったい、何を表しているのでしょうか。
人生を生き抜く秘訣
実はこれは、人生における教訓を表しています。
虎に追われただけでなく、さらに崖から落ちそう、という恐ろしい状況でも、男は目の前にあったおいしいものを食べて「幸せだな」と感じたのです。
これが人生の秘訣だ、と言うことができるのではないでしょうか。
過去のことを悔やんだり、未来のことを心配したり、現在ですとコロナウイルスやその他の病気なども、心配していたらキリがありません。
そして、世界情勢・仕事・人間関係など全てにおいてパーフェクトな状態は、なかなかありません。
どんな人も心配ごと、イラっとくること、悲しいこと…たくさんの悩みを抱えているのです。
それを全部解決しようとしても終わりが見えませんね。
それはそれで置いておいて、目の前のこと「生きててよかった」と感じられる瞬間を味わって楽しみなさい
と、この説話は教えているのではないでしょうか。
「根本的に解決しなきゃ僕は人生を楽しめないんだ」
「これを解決しなきゃ自分は生きていけないんだ」
そんなことばかり考えているうちに、時間が過ぎておじいさんおばあさんになってしまうでしょう。
今まで地球に本当にたくさんの人類が生まれてきましたが、悩みがなかった人なんて、一人もいなかったと思うのです。
何かを抱えながらも【今この瞬間を楽しもう】この考えを、どうか心に留めていただけますと幸いです。
解決してあげるのはやめよう!
ちなみにこれは自分だけでなく、周囲への対応でも応用できます。
例えば人が悩んだり苦しんでいたりするとき、とにかく「悩みを聞いて解決してあげよう!」とするのではなく
お茶を入れてあげる、おいしいものを一緒に食べる、もしくは話を聞いて受け入れることで、その瞬間だけでも「良かった」と感じてもらう。
これがなんだかんだ言って、一番の悩みの解決法・安らげる方法なのです。
無理をしてでも悩みを解決しよう、と考えるのではなく
【一緒の時間を楽しく過ごそう】
そう考えることがおすすめです。
というわけで「虎とイチゴ」の話はいかがでしたでしょうか。
少しでも得られるものがありましたら大変うれしいです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
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