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岸田首相「分配主義」の目玉になるか?貴族制の再創設が日本を救う理由

もはや誰の目から見ても、衰退の一途を辿っていることが確実な日本。そんな我が国の舵取りを任された岸田首相は「分配」に重きを置きますが、はたしてその手法で日本を立て直すことは可能なのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、「お金」の他に分配する資源として「名誉と地位」を提案。その上で、日本を救うことにつながる「貴族制の再創設」プランを披露しています。

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避けて通れない日本の貧困化。岸田首相「新しい資本主義」における分配の考え方

日本の貧困化が避けて通れない。この貧困化に合わせて、新しい資本主義と分配を岸田政権は掲げている。その分配を検討する。

超円安で、日本国民の多くが貧困化することになる。これは前回までに述べたが、税収も落ちてくるし、赤字国債発行も円安を加速するので、多額の発行はできなくなる。

このため、税収に見合った予算にする必要になるはずだ。このため、日本国の機構もリストラが必要になる。この時の国の形をどうするのかの検討が必要になる。

日本の経済成長は無理であるから、新陳代謝する安定社会をどう作るのかを考えることである。新旧の産業の入れ替えができないと、衰退することになるので、安定社会は思っているより難しい。

その方法として、岸田首相は、新自由主義的な資本主義から分配主義的な新しい資本主義にするという。

国の役割は、国民の生命・財産・文化を守ることである。その上に個人的な権利を守り、個人の意見を尊重することである。この基本に照らして、国の機構のリストラを準備していくことだ。

一番重要なのが、民主主義を守りながら、国民の多くを餓死させないことである。最低限の生活を保証して、個人のチャレンジ精神を刺激することである。この保証予算が大きいので、他分野の経費を減らすことが重要になる。

このため、日本国を畳み小さくする必要がある。民主主義の費用がかかりすぎているので、その部分を畳むしかない。畳み方が重要になる。

明治以降150年以上も経って、日本が欧米化社会発展の壁にぶち当たっているからだ。そして、この壁が厚い。乗り越えるには何か、欧米とは違う道を探るしかない。

しかし、この国民を守りながら安定化した低予算の社会を日本は、昔に作り出している。それが江戸時代である。明治時代に、日本は欧米的な社会にしたことで、江戸の仕組みを捨ててしまったが、江戸の仕組みの中には今拾い上げるべきものがたくさんある。江戸時代は300年も続いたが、それには訳がある。

この部分を再度、欧米的資本主義から日本的な新しい資本主義にするために、復活する必要になっているようだ。今後数回、その江戸の仕組みを復活することで、軽量国家としての日本の仕組みを考えたい。

その1つ目が、岸田政権では、分配が重要というが、分配をお金の分配と思っているかもしれないが、それでは分配資源が不足することになる。

お金だけだと、金融所得でも法人税でも重税になり、または賃金UPだけでは、企業の経営者のマインドが削がれるし、いいことはない。このためには、その不満解消が必要である。

このため、分配資源として、お金以外に名誉と地位を加えることだ。高額納税者・企業や多額の寄付実行者や社会貢献する個人に名誉や地位を分配することで、社会的な名誉と地位を得ることができるので、個人的な達成感を得られるし、税金等に不満を持たれないようにすることもできる。

法人税の納付額が大きい企業経営者だけではなく、法人税の納付額増加スピードの早いベンチャー企業経営者なども貴族になれることで、社会変革の動機づけができるし、従業員への待遇改善をする企業経営者なども貴族になれるような制度にすれば、その動機付けになる。貴族維持経費は小さいが、その効果は大きいことになる。

このお金、名誉、地位の分配の考え方は、江戸時代の天海上人のアイデアであろう。

明治以降は、お金、名誉、地位が集中されたので、分配にあずかる人が少なくなり、富と名誉などが一部の人に偏ってしまったのである。

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そして、名誉資源の中心的な存在として、太古から続く天皇制があるので、再度、貴族を創設して、その貴族になれるようにする。貴族にはランクがあり、社会貢献度でランクが上がる仕組みを作る。

勿論、社会貢献度が下がれば、貴族のランクも下がるようにする。貢献度と名誉が比例する関係を作ることが重要である。

そして、今の勲章だけでは不十分である。勿論、貴族と勲章という組み合わせを分配するべきなのである。

貴族制度で逆に、天皇制も守ることもできる。天皇家の分家を上位の貴族にして置き、天皇家に復帰できる制度も創設すれば、天皇制自体も存続できる。貴族を廃止したことで、天皇制も脆弱な制度にしてしまったようである。

しかし、天皇家の分家以外の貴族は、世襲制ではないことで、社会的身分の固定化を防ぐことである。

話を戻して、貴族には、それなりの社会的信用も必要で、いくら高額納税者でも反社会的な人たちや犯罪者の排除は必要である。このため、貴族の資格自体が、逆に社会的信用を創造することになる。勲章は、その制限を緩くしておくことで、差別化できる。

あるランクからは、上殿の資格やお目見えの資格を与えれば、貴族制度の中心ができる。一般人の上級貴族は、月1回の会食会に招かれ、天皇と会食ができるようにすることで、天皇制で天皇の役割も作れる。

その上に、あるランク以上の貴族には、国の政策に関与できるように貴族院を作れば、参議院はいらないし、貴族院議員を無給とすれば、国の費用も掛からないし、選挙費用もいらない。

貴族院は、議決権はないが、衆議院に法案を再審議させる権利や付帯案を付ける権利を持たして、それを再度衆議院で審議して可決したら、法案が通るなど、ご意見番の役割にする。参議院の本来の役割を貴族院に持たせることである。

これで、参議院は不要になり、議員数は半分にできる。貴族院の役割を小さくして、衆議院の権限を維持して、民主主義の根本は守れる。

貴族院は、国会会期を無くして、長期に議会に出る必要をなくし、法案審議もなるべく短くするような配慮が必要であり、その分、費用も掛からないことになる。

これで、国会の費用を半分以下にすることができる。衆議院の定数も減らすと国会費用を一層減らせることになる。

その上、貴族になれることで、国民の5%程度の年収1,000万円以上の人への税率を高くすることができ、税収UPにもなる。高額納税の金融所得者でも、自由時間があるので有能な貴族院議員になれる。

社会的な地位も確保できるし、後ろめたさも少なくなる。

ここで、貴族院議員と貴族の名誉と地位の2つがバラバラに授与されないと心配される方がいると思うが、貴族院議員は、時間が取れる人しか無理で、会社の経営者は基本的になれない。

貴族院議員になれるのは、資産家であろう。年収が1,000万円以上を長期に維持できるのは、配当3%の株を3億円以上所有している必要がある。ブリジストンの大株主の石橋家などは、衆議院議員ではなく、名誉が欲しいなら、貴族院議員や貴族院議長になればよいのである。

金融資産がある人は、若いときに高所得で、引退までに金融資産を貯めた高齢者が多いはず。このため、貴族院議員には有能であるが、時間のある高齢者が多くいることになる。

ということで、株で億万長者になった人たちに、社会的な信用と地位を与えて、皆が株式投資する環境をも作れることになる。

株式市場活性化のためには、このような制度構築と日本も1株での売買を認めることである。個人株主の数を増やすことが、日本の企業にとっても得になるからだ。個人株主が名誉と地位も持てるとなれば、有能な人たちは挑戦するはずである。

もう1つ、今後、有能な人は世界で活躍して、老後、日本に戻ってくることになる。この人たちを引き付ける役割として、貴族院議員というポストを準備することで、日本に帰って来安くなる。地位と名誉の付加は、重要な帰国の動機付けになるからだ。

さあ、どうなりますか?

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image by: Shutterstock.com

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