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「中国が世界で一番信用できない」韓国人が日本より中国を嫌う訳

世界一の反日国に、ある「異変」が起きているようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、韓国で行われた他国に対する好感度調査で、信頼できない国のトップに中国が選ばれたというニュースを紹介。黄さんは記事中、韓国において反中感情がここまで高まってしまった理由を解説するとともに、隣国の歴史認識の無理筋ぶりを指摘しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年1月12日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

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【韓国】韓国人の嫌いな国1位中国、2位日本だったことが示す異常な小中華の歴史観

「韓国人が信頼する国家」米国がトップ…中国最下位、日本はワースト2位=韓国報道

ソウル大アジア研究所が1月12日に発表した世論調査によれば、韓国がもっとも信頼する国家としてアメリカを選んだ一方、最も信頼していなく国に挙げられたのが中国だったそうです。また日本は中国に次いで2番目に信頼していない国だったそうです。

発表によれば、成人男女1,031人を対象に、アメリカ、中国、日本、フランス、オーストラリア、ドイツ、タイ、ベトナムなど20カ国・地域に対する好感度などを調査したところ、回答者の71.6%がアメリカを信頼できる国として選んだとのこと。

これに対して中国は6.8%の人しか「信頼できる」と答えなかったそうです。また日本については下から2番目だったものの、中国の倍の13.3%が「信頼できる」と答えたことになり、いかに韓国で中国に対する感情が悪化しているかということがわかります。

本来であれば、反日教育がさかんな韓国では日本が「もっとも信頼できない国」であるはずですが、2016年以来のTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)の在韓米軍への配置をめぐり、韓国は中国からさまざまな嫌がらせをうけて来たことが影響しているのでしょう。

このメルマガでも報じてきましたが、2016年のTHAAD配備以降、中国は中国国内で100店舗近く展開していた韓国企業のロッテマートに対して、さまざまな難癖をつけて営業停止に追い込み中国撤退を余儀なくさせ、さらには韓国への中国人団体旅行を禁止、そして韓国人芸能人を中国メディアから排除するという嫌がらせ「限韓令」を続けてきました。

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韓国政府はその後、アメリカのミサイル防衛(MD)体系に入らない、韓日米安保協力は軍事同盟に発展させない、THAADの追加配備はしないという、「三不」政策を中国に対して誓ったものの、それでも中国の嫌がらせは止まらず、最近はBTSやブラックピンクなどK-POPのスターの中国でのファンアカウントが停止されるなど、制裁対象がK-POPにまで及んでいました。

<W解説>中国でのK-POP規制、韓流コンテンツ輸出に影響か?=日本と韓国との問題の根源

一方、韓国では今年に入って、ガールズグループの中国人メンバーが韓国式のお辞儀をしなかったということで、大きな騒動となっています。報道によれば、エバーグローという韓国のガールズグループがファンに新年の挨拶をする際、「クンジョル」という韓国式のひざまずくお辞儀をしたところ、中国人メンバーのイロンという女性のみ、ひざまずかなかったことが発端でした。これに怒った韓国のネットユーザーはイロンに対して「中国に帰れ」と悪罵を投げつけ、さらにこれに激怒した中国のネットユーザーが「中国では強制的に他人にひざまずくのは恥」「韓国は中国の属国だったからひざまずくことが伝統礼儀になった」などと反論しており、大きな論争になっているのです。

「韓国は過去、属国だったから」 “クンジョル”しなかったガールズグループ中国人メンバーをめぐり中国で「韓国蔑視」拡散

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中国も韓国も歴史の捏造が大得意であることは言うまでもありませんが、朝鮮半島が中華王朝の「千年属国」であったことは歴史の事実です。李氏朝鮮の「朝鮮」という名前は、明の皇帝から下賜されたものです。

朝鮮は、「君子の国(邦)」や「礼儀の国」と称されるのを誇りにしていますが、それはまさしく属国としての誇りにほかなりません。もともと「君子の国」や「礼儀の国」とは、宗主国である中国が、天朝冊封体制下のなかで臣属した夷狄に対して下賜する誓詞でした。中国では、上国と下国、宗主と属国の礼を忠実に守る国に対して、忠実な属国である証としてこうした称号を与えるしきたりだったのですり「礼儀の国」を現代語訳すれば、「韓国は中国の属国」であるという宣誓なのです。

実際、洪翼漢の『尊周彙編』によれば、「列聖相承、世藩職を修め、事大一心」とあります。要するに、中華の天子へ忠実に諸侯の礼を尽くしてきたということです。中華帝国からすれば、この「千年属国」の朝鮮こそがもっとも忠実な模範属国でした。執拗に抵抗し、ひとすじ縄ではいかないベトナムに比べれば、まさしく「礼儀の国」そのものだったでしょう。

中華帝国の属国における歴代の国王は、原則として天朝皇帝の臣下とみなされ、皇帝によって任命されます。天朝の朝廷は、属国の王妃や太子の廃立に至るまで、権限をふるうことができました。朝貢は、中華帝国の礼部(文部省)が管轄していました。

属国であった朝鮮王国を実質的に指揮、監督していたのは、天朝の北洋大臣や直隷総督、あるいは任命を受けた代理人です。つまり、国王とは形だけのものであり、決して主権国家の元首としての役割は果たしていなかったのです。

清朝の時代、満州人(タルタル人・タタール人)支配下の17世紀初期の朝鮮半島事情については、帆船の漂着により朝鮮に抑留されていたヘンドリック・ハメル著『朝鮮幽囚記』(生田滋訳、平凡社)に比較的詳しく記述されています。救出後のハメルの報告によれば、朝鮮国王は絶対的権力を持っているものの、後継者を決める際はタルタル人(満州人)の汗(王)の同意を得なければならず、また、タルタル人の勅使や兀良哈(満韓国境の少数民族・オランカイ)は、年に3回貢物を徴収しにくる。朝鮮高官はタルタル人に怯え、ワイロを送って口止め料を支払っていたそうです。

朝鮮国王は、満州人の使節が来ると、みずから高官を従えて迎恩門まで歓迎に赴き敬意を表し、宴会を催し、芸を披露して接待しなければなりませんでした。太子は慕華館で勅使に酌の礼をするのが最大の役目だったのです。

もちろんこれは、現在行われているような、国賓を出迎えるため空港に儀仗隊を整列させるといった儀礼とはまったく異なる性質のものです。

しかし、これだけ天朝に尽くした朝鮮も、逆に朝鮮の朝貢使節が北京詣でをする際は、朝臣が出迎えの礼を受けるどころか、諸侯の礼さえ受けられない粗末な待遇でした。宿泊先も迎賓館などではなく、百官と同じ粗末な宿です。

そもそも、中国の属邦のなかでも朝鮮の地位はもっとも低く、下国のなかの下国でした。天朝の朝賀の席では、千官が赤色の礼服を着ていたのに対し、朝鮮の使臣だけは黒色の丸首の衣です。

また、琉球の使臣は駕篭に乗って宮廷に入るのに対し、朝鮮の使臣は駕篭に乗ることを禁じられていたと、尹昕の『渓陰漫筆』に書かれています。そして、李朝時代の臣民は琉球以下の扱いを受けていたと嘆いてもいます。

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いずれにしても、韓国人は、統一新羅の時代から自ら事大主義であることを決め、属国に甘んじていく道を選んでいました。そして朝鮮は『礼記』にある「天子七廟、諸侯五廟」の規定を守り、天神(天帝)を祈ることを避けて五廟だけを祀ってきたのです。

しかし、このことを現代の韓国人は認めたがりません。あくまで天朝朝貢冊封体制は、貢物に対して下賜品を多くもらう取引だったと言っています。

朝鮮が中国の属国から抜け出し、古礼に従って天神を祀ることが再開されたのは、じつに統一新羅時代から1,000余年も後のことです。それは日清戦争後の下関条約により、朝鮮が解放され独立を果たした1898年、国王の高宗が大韓帝国の帝位に就いてからのことです。

これこそ、朝鮮が中国の「礼儀の国」のくびきから解放された証であり、韓国が「千年属国」から解放され主権国家となった象徴なのです。そして朝鮮半島では日本との合邦によって、かつてないほどの近代化が推し進められ、リンカーンの奴隷解放に匹敵する、両班(貴族階級)支配社会からの脱却や、旧来の身分制度の廃止が行われたわけです。

それまで朝鮮半島は中国の属国でしたから、もちろん中国人は朝鮮人を下に見ていました。しかし、日清戦争に日本が勝利したことで朝鮮が独立、さらには日韓合邦によって当時一等国となっていた日本の国民に編入されると、立場が逆転したのです。

これまで中国人に従順だった朝鮮人は中国人と争い始め、万宝山事件などが起こりました。韓国人が「名前を奪った」と批判する創氏改名も、日本人としての名前を持つことで中国人に虐げられない、それどころか上に立てると考えて、自ら望んだケースが多かったのです。

しかし韓国は日本に対しても「人類史上最悪の日帝支配」などと吹聴、「九奪」「慰安婦の強制連行」や「徴用工の強制労働」などをでっち上げて、日本への憎悪を煽っているのです。これは「東邦礼儀の国」として日本より格上だと思ってきたにもかかわらず、支配されてしまったというコンプレックスにほかならないでしょう。そして中国に対しても属国だったというコンプレックスからあまりそのことを意識したくない。そうした気持ちが「恨(ハン)」の感情になって、中国と日本への憎悪になっているわけです。

こうして中国の属国だったことを否定すると同時に、日本によってその地位から脱却できたということも否定しているわけですが、しかしそうなると史実と矛盾してしまう。だから韓国では空想的な「ファンタジー史観」でしか歴史を語れなくなっているのです。

そもそも朝鮮半島は中華王朝への貢物として「貢女」を大量に輸出していましたが、慰安婦もその一種であることは言うまでもありません。

すくなくとも中国も日本も、かつて朝鮮半島が中国の属国だったという認識では一致しています。だから日清戦争後の下関条約の第1条には朝鮮半島の独立が謳われているわけです。中国はこの日清戦争で朝鮮半島への宗主国としての地位を失い、日本への台湾の永久割譲を認めましたが、現在はそのときに手放した台湾を取り戻そうとしているわけです。

そうした歴史的背景がなければ、なぜ中国が台湾を併呑しようとしているのかという理由もわからなくなります。

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韓国が日本と中国を嫌うのは、自分たちの歴史認識に都合が悪いからなのです。歴史問題を突き詰めると、中国に対して言っていることと、日本に対して言っていることで矛盾が生じてしまい、自己矛盾に陥ってしまいます。韓国人が時として歴史問題でヒステリー状態になるのは、その矛盾が解消できないことから、「火病」を起こしてしまうからではないでしょうか。

まもなく韓国大統領選挙です。すでに候補者のスキャンダル暴きが激化し、混沌とした様相を見せています。韓国の風物詩となった退任大統領が逮捕される可能性も小さくありません。親米意識と中国への反発が強まっているということは、保守派が優勢だという考え方もできます。もちろん保守派政権でもいざというときは反日に走るので、信頼できないことは言うまでもありません。


 


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※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年1月12日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込660円)。

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