今、あらゆる経営者が頭を悩ましている問題の1つといえば、圧倒的な人材不足ではないでしょうか。そんな困りごとに対して貴重なアドバイスを提示するのは、世界的なコンサルティング会社で14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さん。赤羽さんは自身のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』で今回、「家業として継いだ会社にまともな人材が全くいない」との読者の悩みに答える形で、低迷する企業の生産性を上げるため経営者が取り組むべき5つのステップをレクチャーしています。
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家業を三代目として継ぎましたが、まともな人材が全くおらず悩んでいます。
Question
一部上場企業の経理部、管理部、経営企画室などで15年勤めておりましたが、父が高齢になり大病をしたこともあり、やむなく退職して家業を継ぎました。祖父が始めたもので、三代目社長です。社員は20名おりますが、のんびりした経営を続けていたこともあり、まともな人材が全くおりません。地方ではそこそこの評判だったこともあり、地元の国立大学卒のメンバーが多い状況です。どうやって活を入れたらいいでしょうか。多勢に無勢で困っております。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございました。お気持ち大変よくわかります。何かと気が滅入ることが多いかもしれません。
ただ、もう新しい立場になられたことですので、過去を振り返らず、残念にもあまり思わず、前だけ向いて進んでいただくのが、余計な悩みを持たない一番のことだと思います。
何かをなつかしんでも、残念に思っても、いいことはありません。それよりも、今、目先で取り組むべきことが山積しています。
第一に、三代目社長としてのビジョンと3年後、5年後の必達目標を1ページに書くことです。左側にこうなると素晴らしいというビジョンを3~5パラグラフ、計200~300字で書きます。言葉使いとかむずかしく考える必要はないので、自分の夢をできるだけ具体的に書きます。右側には、その具体的なイメージとして。3年後、5年後にどういう売上、利益、事業内容、業界内での地位になっていたいかを箇条書きで付け加えます。印刷して眺め、何回か書き直したほうがいいかも知れません。ドラフトを作成したら、印刷し、会社、自宅の書斎・トイレなどに貼り、アタッシュケースに入れて持ち運び、しっくり来るまで修正します。
第二に、会社の各部署ごとのアクションプランをそれぞれ1ページずつ書きます。これは、1月以内、3ヶ月以内、6ヶ月以内に、どういう必達目標にすべきか、大枠を書きます。大枠を書いた上は、部門長会議で全体像を説明した上で、彼らに仕上げてもらいます。部下全員のアクションプランと必達目標の記入となります。2日以内に提出してもらい、全体のバランスを見ながら修正案を考え、各部門長にフィードバックします。修正後、再度、部門長会議にて発表してもらい、合意形成の場とします。
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第三に、月末には、月次進捗確認会議を全員で開催し、未達部分に関してどう挽回するか、皆で議論します。最大でも1時間以内に全項目をカバーできるよう、重要部分のみハイライトして進めます。
第四に、部門長とその下の部長あるいは課長のコミュニケーション改善を図る必要があります。全社にアクティブリスニングを導入し、上司は100%部下の話を聞くことを必須とします。これは中間管理職だけに言っても無理ですので、社長が素晴らしい見本をまず見せ、上から意識・行動改革していくことがどうしても必要です。
第五に、ここまでで、組織は従来よりはるかに活気に満ち、生産性も上がった状況で動き始めます。余裕ができるので、経営者は新たな顧客開拓、既存顧客の継続・拡大、新事業領域の検討などに積極的に取り組んでいくことができるようになります。
どうでしょうか。前を向いてチャレンジして行く気が少ししてきましたでしょうか。
動き始めて疑問が出れば、すぐまたご連絡ください。
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