充実した日々を送っていれば、後から後悔するような人生にはならないかもしれません。とはいえ、なかなか難しいもの。誰でも簡単にできることではありません。そこで今回は、メルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』の著者で現役精神科医のゆうきゆう先生が、 ご自身の後悔しきりだった生活を劇的に変えた方法を紹介しています。
「それだけの世界」があなたを変える
こんにちは、ゆうきゆうです。今日も元気でお過ごしでしょうか。本日はこんな話をお届けします。
後悔しない一日の送り方
さてみなさんは、「何かをしたい、今日こそは充実して生活したい!」と思って一日を始めても、その夜に「あぁ、何もできなかった…」「何もしないまま一日が過ぎてしまった…」と残念に思うことはありませんでしょうか。
自分自身、今までに結構そういう日がありました。
しかしそんな生活を劇的に変えた方法について教えたいと思います。
人生は決断の繰り返し
ここで聞きましょう。人間は、一日に何回くらい決断をしているかご存知でしょうか。
10回?100回?
いえ。
実はケンブリッジ大学の心理学者バーバラ・サハキアンの研究によると、1日に最大で3万5,000回の決断を繰り返しているそうです。
すさまじい数です。とはいえ、当然ですが、大きな決断の他、小さな決断も含みます。
「トイレに行こうか?」
「ご飯を食べようかな?」
「どの服を着よう…?」
「今出かけるべきか、あとにしようか…?」
「部長にあいさつしようか…?」
そんな小さな決断を繰り返した結果、すべて合わせると3万5,000回ほどある…というわけです。
そして人間、実はこの連続で「決断疲れ」を起こすとされています。
というのも、どんなに小さなことでも、脳がそれを判断するのに、一定のエネルギーを必要とするからです。
特に「本当にこっちを選んでいいんだろうか?もう一方じゃない理由は?そしてそれは後悔しないか?」なんて思考は、たとえ小さくてもそれなりに大変なもの。これを繰り返しているうちに、どんどん疲弊してしまうわけです。
実際に、かのアップルの創始者スティーブ・ジョブズは、同じ服を何着も持っていました。新商品を発表するときに必ず着ていた、定番の服です。
またFacebookの創始者であるマーク・ザッカーバーグも同様だったと言います。これも「今日はどの服を着よう?」という決断をなくすためだと言われています。
まぁ、とはいえ、我々が同じことをすると「あ、あの人、あの服一着しか持ってないんだなー…」と思われて危険かもしれないんですけども。
何にせよ、決断疲れを防ぐことの重要性を理解しておいていただければ幸いです。
何かをした人、何もできない人
さてここで、我々の生活では、まさにその「真逆」なものがあります。その代表格こそが、SNS。たとえばTwitterやInstagramやFacebook(創始者が決断疲れを防ぐ生活をしているのに皮肉ですが)などなど…。
これらを見ていると、まさに情報の洪水です。くわえてその情報一つ一つにたいして
・この投稿にいいねをつけるべきか
・リプライをつけるべきか
・さらに関連投稿を読むべきか
などを無意識に判断していきます。そしてこれがエンドレスに繰り返されていきます。くわえて自分自身が「発信」をすると、さらに思考のエネルギーが奪われてい
きます。
・この投稿でどう反応されるか?
・もっと表現を変えた方がいいか?
・反応してきた人に、どう返すのがいいか?
などなど…。考えることがたくさん増えていきます。
まさに時間だけでなく、脳のエネルギーを無制限に奪われていく装置なのです。そしてエネルギーを使っているにも関わらず、得られるものはあまりありません。それどころか「なんでSNSずっと見て一日が終わっちゃったんだ…」なんて後悔することも増えます。
実際にSNSには、有名な社長や、大成功している人もいます。しかしその人たちが、朝から晩まで書き込みをしているイメージはありません。逆にどんどん書き込んでいる(ずっと見ている)人は、本業がそこまで充実していないイメージの人ばかりです。
とはいえ、もちろん、SNSで発信することが仕事につながる、ということはあるかもしれません。そう完全に割り切っているのであればまったくOKです。
ただ、漠然とSNSを見て時間が過ぎ去っていく…のであれば要注意。それはあなたが思っている以上にあなたの思考エネルギーを奪っていってしまうのです。
よって重要なのは、SNSなどを「断つ」ことです。
すべて、ご褒美に
とはいえ、完全に一生使うな、というわけではありません。大切なのは「ご褒美に設定」することです。
そのためには、まず目標を定めること。
「今日はこれをやったら、夜に満足して眠れるはずだ」
「この仕事こそが今、最重要だ」
「この勉強をやることが自分にとって何より大切だ」
そんなふうな、自分にとって一番のミッションを決めてください。そしてそれを、メモ帳でもテキスト画面でも構いませんので、何かに書いて目の前に置くことです。こうすることで、「何をするべきか?」という思考エネルギーを使わずに済みます。
実際に「アイビー・リー・メソッド」というものがあります。これは、コンサルタントであるアイビー・リーという人物が提唱したメソッドです。ある大企業の社長が、このアイビー・リーに、仕事のコツを尋ねました。すると彼はこう答えたのです。
「毎日、自分がやるべき最重要の仕事を6つピックアップしてください。そしてそれに優先順位をこなしてください。そのあとで、優先順位が1のものから順にこなしていってください。一つをこなすまで、次の番号のものをやってはいけません。もし途中で終わってしまったとしても、気にしないで構いません。なぜなら、最重要のことをやったからです」
実際にその社長は、それまではとにかく思いつくものなどをすべて並行してやっ
ていました。そのため、その方法にも半信半疑だったそうです。
しかし実行したところ、格段に仕事が進みました。そしてそれを部下にも勧めたところ、会社の業績は格段に上がりました。
そのため社長はアイビー・リーに、このアドバイスへの報酬として、2万5,000ドルを払いました。日給2ドルの時代の話でしたから、現在の価値にすると数億円になります。すごいですね。
ですので実際、みなさんもこの方法に従ってみてはいかがでしょうか。
もちろん6つピックアップするのは大変かもしれませんので、せいぜい3つくらいまでで構いません。そしてそこに優先順位を1から3までつけて、最初から順番にこなしていくのです。
さらに、その目標すべてがが終わるまで、SNSなどを始め、あなたの楽しいと思うことに接しない!と決めることです。また、他にもあなたのやりたいことが生まれたら、すべてそれを「ご褒美」にしてください。
この方法の素晴らしい点は、集中できるだけでなく「次は何をしよう、並行して何をしよう…?」というように、余計なことを考えなくて済むことです。
また「今ここで、マンガを読もうか、少し遊ぼうか」みたいに考える必要もな
くなります。「全部終わってからのご褒美」と決めているからです。
これを繰り返すだけで、あなたの生活は格段に高まっていくはずです。どうか覚えておいてくださいね。
今回のまとめ
・人間は一日にたくさんの決断をしている!
・よって本当に重要なことをやるために、小さな決断を極力排除すること!
・特にSNSやネットなどで、思考エネルギーはどんどん奪われていく!
・まずは重要な仕事や勉強を3つ決めること! そして優先順位を決めて、すべて「それが終わったあとのご褒美」にすること!
・それだけで能率は格段に上がっていく!
さいごに
というわけで、いかがでしたでしょうか。実はこれは、一日だけでなく、人生全般についても言えることです。
あなたの人生において何より重要なこと、これさえ達成できれば死んでも構わない、くらいに思うことはなんでしょうか。もしそれが思いつくのなら、まずは実行してみてください。
「日常的なこの行動が終わったら」なんて考えていてはダメです。それだけで一日が終わり、結局人生全部が終わってしまいます。まずは何より、あなたにとって一番重要なことを、今行動にするのです。
それこそが、後悔しない人生のために、何より重要なんですよ。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
image by: Shhutterstock.com