子どもや受験生にとって勉強することは大切ですが、ぶっ続けで何時間も勉強できるわけではありません。休憩を合間に挟んでいきますが、「ちょっと休憩」のつもりが長くなってしまうこともしばしば。そこで今回は、メルマガ『成績がイイ子の親だけが知っている!新「勉強の常識」』の著者で受験指導のプロであるタイガー山中さんが回答。勉強の効率をあげるために最適な休憩時間について解説します。
勉強の効率を上げる休憩時間って、何分?
こんにちは、タイガー山中です。
いよいよ高校入試も終盤になってきました。クラスの中でも行く高校が決まった連中が増え、終了組とこれから組とが混在した時期です。今から最後の入試を控える者は、自分のペースで最後のひと踏ん張りをして欲しいと思います。
さて、今回は「休憩時間」について考えてみようと思います。
よくある相談としては、「休憩ばかりして、休憩時間の方が勉強時間より長くなっている」というものがあります。
冗談のような、本当の話です(>_<)
ここまで極端でなくても、休みの日などで長時間勉強をさせようとしたときに、休憩時間はどのくらいが適当かは考えることだと思います。
では、休憩時間は何分がよいのか?
●●分といった正解があるわけではないですが、私自身これまで試行錯誤しました。その結果、
休憩は●●分ぐらいがベストである
に至っています。●●分なのかについても経緯を含めて、話をしましょう。
まず、休憩を取る目的について。
★勉強の効率を上げるため
↑↑↑これ、いいですかね。
だから、「休憩時間の方が勉強時間より長くなって…」なんて話は本末転倒です。2時間程度の勉強であれば、休憩なしの方がいいぐらいです。
なので休憩時間を考える前提として、「4時間の勉強」を「効率よく」するための休憩時間は?という条件で考えることにしましょう。
4時間ぶっ通しで集中するのは、いくら集中力のある子でも厳しいです。なので、適度に休憩をした方がいい。
休憩のタイミングは、集中力が途切れる手前がちょうどいいので個人差はあります。だいたい1時間ですかね。となると、
・勉強+休憩+勉強+休憩+勉強+休憩+勉強
これで4時間です。休憩を10分とすると、休憩も入れて4時間30分かかることになります。午前中に2時間、午後に2時間だと、お昼ごはんを挟むので、15時終了ぐらいになります。
あくまで計算上はこれぐらいですが、勉強を4時間する子どもの気持ちになってみるとどうでしょう?
「あ~、4時間も勉強するのか~、朝から、昼までずっと勉強かよ~」といった感じでしょうね。
そのとき、「休憩は10分よ」と聞いたらどうでしょう?「絶対無理!」と猛反発するのは、当然といえば当然です。
この調子で勉強スタートとなれば、勉強中もダラダラ、休憩中は休憩時間を少しでも引き延ばそうと必死になるわけです。
・勉強の効率を上げるため
の反対になってしまいます。そこで、納得感を得るために休憩時間を少し多めにしたりしましたが、結果は同じです。
そこで、視点を変えてみたのです。親技ではよく使う手です。
・休憩時間を5分にする
10分でも不満なところをさらに短くして5分としました。もちろん、猛反発です(^_^)
長くしてダメなら短くしろ、ではありません。視点を変えて、全体の時間を短くするために、「休憩時間は手短にしよう」と提案したわけです。具体的には、こんな感じです。
「集中して勉強して、午前中で終わらせよう」
子どもたちの頭には「あ~、4時間も勉強するのか~、朝から、昼までずっと勉強かよ~」という不満で一杯な状態です。そこに「午前中だけ」という楽できるの(?)的な魅力ある提案をするのです。
どうですか、印象が違いませんか?
実は、この提案には2つの問題があります。午前中に4時間の勉強を終わらせるには、休憩時間を長くとれないということ。もう1つは、開始時間を早める必要があるのです。
そこで、勉強開始を8時にすることを提案しました。もちろん、即OKではないですが、「午前中だけ」で終わるならということで渋々OKです。
8時スタートで、休憩5分。12時15分に終了です。15分オーバーは、昼ごはんまでという言い方で、うまく了承を得ておけば問題ありません。この提案は、うまくいきました。
想定外だったのが、勉強をし終えた充実感です。
「午前中に、4時間勉強やったぜ!」
やる前はどれだけ時間するかは伏せておいて、やった後は「4時間集中して勉強した」という事実を告げると、子どもたちは充実感を覚えます。
最初はスタートが早いのが不満であっても、先に済ませることの充実感、勉強を済ませた後の自由時間をスッキリした気持ちで遊べた実績が、早いスタートでもOKへと定着していきます。
「早く」「速く」は成果だけでなく、習慣化にもつながる。こうなれば、さらに長時間の勉強だって可能になります。
例えば、10時間の勉強をするときだったら。朝7時にはじめて、午前中(お昼ごはんまで)でも半分の5時間を済ませることができます。
お昼からは自由時間を与え、夕方4時ぐらいから後半戦をはじめれば、10時前には終了します。これで、遊びありでも1日10時間の勉強が可能になります。
いやいや、うちの子は12時15分に終わるだったら反論するはず!と心配であれば、15分短縮してもいいんです。勉強時間は3時間45分になるけど、4時間分の勉強をすればいいのだから。
問題は、時間ではないということ。こなすべき課題をこなし、成果を出せばいいのですから。
1時間集中できない子は、30分ごとに休憩でもいい。でも、休憩は5分ぐらいがベストであるというのは、これまでの経験でわかったことです。
親技は、あくまでも子どもが納得させて、全力で頑張らせるために、親はどんな工夫をするか?を考えます。うちの子にはちょっとあてはまらないということがあれば、少し変えればいいだけです。
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