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The man who came to the Hostess bar

女子大生がキャバクラに潜入。修士論文のためキャバ嬢になった彼女が見た内情とは

女性にはあまり縁のない場所ですが、好きな男性は連日のように通ってしまう場所。それがキャバクラです。“お金を払ってでも行く価値のある場所”で、男性の心を掴んで離さないキャバクラとはどのような場所なのでしょうか。今回はメルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』の中で、 大学の修士論文を書くためにキャバ嬢として潜入した女性がその内情を語った一冊を紹介しています。

【一日一冊】キャバ嬢の社会学

キャバ嬢の社会学
北条かや 著/星海社

テレビのニュースで時間外営業をしていたキャバクラのオーナーが逮捕されたと聞いて、手にした一冊です。本のソムリエはキャバクラにほとんど行ったことがないので、その仕組みに興味を持ったのです。

なんと著者は、同志社大学の修士論文を書くために、キャバクラ嬢として潜入、働きはじめたという。冗談かと思って読み進めたら本当でした。

クラブのホステスが会話のプロとすれば、キャバクラは「普通の女の子」とのコミュニケーションを売りにしているお店です。在籍する女の子も、30歳以下が中心でプロが1割、セミプロが4割、素人アルバイトが5割で、入れ替わりが激しいという。

キャバクラの市場規模は、1兆円程度です。日本人一人当たり年1万円。男性だけが顧客であり、老人・高校生以下はキャバクラに行かないでしょうから、仮に1千万人が顧客とすれば、一人当たり年10万円、月1万円使っている勘定となります。

1983年、現在のキャバクラの原型となる「キャンパスパブ」が誕生する(p37

キャバクラのお店では、二人掛けのソファーで、一人のキャストが一人の客の相手をする形となっています。団体客も一人ずつバラバラにしての接客となります。

指名なしで来店した客には、一時間に4名くらいのキャバ嬢が入れ替わりで接客し、15分間で場を盛り上げながら、指名をもらえないか交渉します。
仮に指名がもらえれば、客は2,000円をプラスで支払うことになり、キャバ嬢にはポイントが入る仕組みです。

指名本数やドリンク杯数は毎日、ポイント成績ランキングが作成され、携帯に送信されます。多くのポイントを獲得したキャストの時給が上がるという仕組みになっています。

ここからは想像になりますが、お客が素人ばかりのキャバクラに行くのは、素人さんと仲良くなれるのではないか、という幻想を持って行くのではないでしょうか。

「〇〇さん、キャッシャー」は、「〇〇さん、指名交渉や連絡先交換をしましょうという合図あ、今呼ばれたんですけどぉもうちょっとしゃべっててもいいですか指名になるんですけど(p100

興味深かったのは、お客に好かれながらもお店に来てお金を払ってもらうという関係を維持することが、非常に難しいということ。本当に好かれてしまうと、個人的に店の外でデートしようということになってしまうし、かといって好かれなければ再度会いたいと思ってもらえないからです。

成績の良いキャストの例を示していますが、お金目当てではないと思わせつつ、恋人未満という関係を維持しようとしています。あるキャストは常に「今日はありがとう、楽しい!楽しかった!」と何度も伝えて対等な男女の楽しい関係を強調し、お客に伝えていました。

また、他のキャストはあえて「お店に来て」とは言わず、ありのままの日常生活を「今日はこれからバイトです」などとメールして、友だちのような関係を維持するようにしていたという。

このように男性の幻想をエネルギーにしてキャバクラにはお金を払ってくれるお客が今宵もやってくるのです。私は、どうせお金を使うならセミナーや勉強会に集まってくる人との出会いにお金をつかってはどうかと思ってしまいました。

北条さん、良い本をありがとうございました。

【私の評価】★★★☆☆(73点)

<私の評価:人生変える度>
★★★★★(お薦めです!ひざまずいて読むべし)
★★★★☆(買いましょう。素晴らしい本です)
★★★☆☆(社会人として読むべき一冊です)
★★☆☆☆(時間とお金に余裕があればぜひ)
★☆☆☆☆(人によっては価値を見い出すかもしれません)
☆☆☆☆☆(こういうお勧めできない本は掲載しません)

image by: Shutterstock.com

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【著者】 本のソムリエ 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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