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Asian student with backpack outdoors,back to school concept

減らした負担は“9割”。ランドセルの重すぎ問題を解決した話題の商品とは

小学生が毎日背負うランドセルの重さは平均で5キロにも及ぶそうで、肩や腰の負担や痛みを訴える子どもも増えているそうです。そこで今回、MBAホルダーで無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者である青山烈士さんが紹介するのは、負担を9割減らしたランドセル。どのように負担を減らしているのか、目からウロコの商品開発のアイデアを解説しています。

注目のランドセル用スティックキャリー「さんぽセル」の画期性

今号は、注目のランドセル用スティックキャリーを分析します。

株式会社悟空のきもちTHE LABOが展開する「さんぽセル」

重いランドセルに苦労している子どもがいる方をターゲットに「理念や特許技術」に支えられた「小学生の負担を約90%減らす」等の強みで差別化しています。

ランドセルは背負うものという常識に対して、背負わないという選択肢を提供したことで注目を集めています。

分析のポイント

我が家には3人の小学生がいますが、皆ランドセルを背負って学校に通っています。教科書は、基本的に毎日持って行って、持って帰ってくるので、6時間授業の日はかなり重そうです。

3年生の娘は、学校から帰ってきて、疲れていることもあり、2階の自分の部屋にランドセルを持って上がれない日も多いです。

いまは、コロナ禍ということもあり、自宅でのオンライン授業をすることがあるので、タブレットPCをランドセルに入れて持って帰ることもあります。

我が家のように重さに苦労している小学生は多いはずです。ランドセルメーカー各社は、軽量化するための開発を進めていますが、入れるモノの重さはどうにもなりません。

そういった状況の中で、「さんぽセル」は、重さに苦労している小学生を救う可能性のある商品と言えるでしょう。

重要なポイントは、いままでランドセルを背負う以外の選択肢が無かった中で、新たな選択肢を提供したことにあります。選択肢があれば、人はいろいろ検討できますからね。

選択肢として、妻に「さんぽセル」の話をしたところ、「両手が空かないのは賛成できない」と言っていましたが、賛否両論あっていいと思います。

世の中には完璧な商品は無いわけですから、「さんぽセル」を使うことで得られるメリットとデメリットを天秤にかけて、親が判断していけばいいと思います。

そのように多くの親や使用した子どもによって、「さんぽセル」が多角的に評価されることで、利用が推奨されることになるかもしれませんね。今後、「さんぽセル」がどのように拡がっていくのか注目していきます。

戦略分析

戦場・競合
・戦場(顧客視点での自社の事業領域):ランドセル用スティックキャリー
・競合(お客様の選択肢):リュック など

強み

「小学生の負担(運搬に必要な力)を約90%減らす」

・ランドセルを背負わないで済む
・重いランドセルを背負うことでの健康被害(姿勢の悪化、伸長阻害、慢性的な腰痛など)を防止できる
・キャリーケース⇔ランドセルを簡単に変形可能

★上記の強みを支えるコア・コンピタンス

・小学生の負担を減らすという理念
・小学生の発想に、健康被害を研究する医学生はじめ、自動車の安全部品などを製造する株式会社アオキシンテックが協力
・特許技術:すべてのランドセルに取り付け可能

上記のような、理念や技術が強みを支えています。

顧客ターゲット
・子どもの健康被害が気になる方
・重いランドセルに苦労している子どもがいる方

戦術分析

売り物
「さんぽセル(ランドセル用スティックキャリー)」
すべてのランドセルをキャリーケースにかえるスティックキャリー。

・取り付けは1分、伸縮は約10
・本体重量約230g(教科書11冊分)
・収益の一部は、廃校の遊び場への活用に利用
・合計500kmの歩行耐久試験実施済み

売り値

5,940円(税込)

売り方

・小学生が考案し、商品化されたということで、テレビや新聞、雑誌など、多数のメディアに取り上げられている。

売り場

公式サイト

売り値や売り物などは調査時の情報です。最新の情報を知りたい場合は、企業HPなどをご確認ください。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 青山烈士 【発行周期】 ほぼ 週刊

 

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