以前はひとつの会社に長く在籍している人が優秀だという風潮がありましたが、今は転職をする人が増えてきました。ステップアップを求めることはもはや当たり前になってきたといえそうです。そこで今回は、メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさんが、転職は年収アップのためのツールだという原則のもと、転職する際に必ず考えなければならない“問い”について語っています。
転職は年収アップのツールだから
このメルマガを書き始めてから、今年で15年目になるわけですが、そうすると読者さんの年齢層も、かつての若手、若者中心から、グッと年齢が上がって中堅どころは当たり前、管理職、幹部、ベテランという方もたくさん増えてきたわけです。
そういう人にとって、年収をインスタントに増やす手段としての転職って、これからは重みを増すと思うんですよ。その理由はいくつかあって、ひとつには
● 今や転職が不利という時代ではないということ
昔は一つの会社に長く在籍している人の方が優秀だという風潮があったんですが、今は5年もいたらそこから先は同じようなモノですから。さらに、
● 会社の寿命が短くなったので、旬な会社が変化するようになったこと
も理由に挙げられます。
今や上場企業だって、10年後が安泰とは言えないわけで、逆に言えば短いタームでメチャメチャ輝く会社がゴロゴロ出てきて、それが移ろいゆくということです。つまり、今イケてる会社がコロコロと変化するので、その波に乗ることが年収アップの有効なやり方になるということです。
身も蓋もない話ですが、あなたの年収が何で決まるのかというと、あなたのスキルや能力、実績という要素以上に、
● その会社が儲かっているのか?
ということの方が大きいんですよ。たくさん儲かっているから、社員に還元するパイが大きくなる。
グーグルの社食は豪華で美味しいのに、あれを無料にできる理由は、あの会社がメチャメチャボロ儲けをしているからなんですよ。儲かってなかったら、そんな原資があるわけないでしょ。儲かっていないのに福利厚生におカネを使って、赤字になっちゃいましたなんてことが、上場企業で許されるわけがないんです。
そしてそれくらいボロ儲けをしているから、そこで働く社員の給与水準も高いのです。
だからその時その時で旬の会社、つまり儲かっている会社を渡り歩くという戦略は、年収アップに非常に有効な考え方なんです。そしてそれは転職で簡単に実現できるんですね。
ですから転職に於いては、
● そもそもその会社って儲かっているの?
という問いを必ず立てないとならないのです。
上場企業なら、必ずウェブサイトにIRのページがありますから、そこにある財務諸表を過去3年分くらい確認して、売り上げと税引き前利益がどういう推移を辿っているのかを確認しなきゃダメですよ。もちろんこれが毎年大きくなっている方が良いんですよ。
もしそこで落ち目の会社だと分かったら、いくらオファーが高くても、魅力的な職種であっても、全く意味がありませんからね。そもそも土台となる会社が倒産しちゃったら意味無いですから。ま、フツーはそんな会社が採用をたくさんするとは思えませんけどね。
しかし利益が減り続けている会社や、利益率が低い会社というのは、経営が厳しいということですから、転職後の昇給は期待できないわけですし、そんな会社に活気があるとも思えないんですよ。
やっぱりウハウハと儲かっている会社の方が、社員の顔は明るいですし、伸び盛りの会社の方がチャンスは多いのが当たり前ですから。
ところが読者さんや受講生の多くが、やりたい仕事とか、やりがいのあるポジションとか、新しい可能性みたいなことに目を奪われて、その会社の財務状態を考慮しないで転職しちゃうんですよ。
- 自分はどうしても営業をやってみたかったので とか
- 部下がいる管理職というオファーだったので とか
- どうしてもこの研究を続けたかったから とか
- 世話になった上司に誘われたから とか
- 勤務地が自宅から近かったから とか今なら、
- リモートワークが多い会社だから
みたいな理由「だけ」で転職を決めたりするんです。イヤイヤ、その会社は赤字でいつ倒産してもおかしくないですよ!みたいなことを知らない、調べないで転職しちゃうんですね。
転職に関して一番初めに調べるべきことは、
● その会社ってどれくらい儲かっているのか?
なんですよ。全ての話は、それがクリアになってから。転職エージェントを使う時にも、このことはエージェントに確認して下さいね。
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