MAG2 NEWS MENU

ひろゆき氏「統一教会を潰さなきゃ」の主張がトーンダウンする日本の大問題

次々と明らかになる自民党議員と旧統一教会の関係。しかし、今後は関係を見直すとする政治家たちの紋切型の回答に飽きたのか、メディアがこの問題に割く時間や紙幅が徐々に少なくなってきてはいないでしょうか。メルマガ『施術家・吉田正幸の「ストレス・スルー術」』著者の吉田さんは、真っ先に「統一教会を潰さなきゃ」と声をあげたひろゆき氏の主張を紹介しながら、政治家がどのように教団と繋がりを持つに至るのかを説明。そのひろゆき氏自身がトーンダウンしている理由として、多くの論客やインフルエンサーがこの問題への立ち位置を表明しないことを上げ、日本人の特に保守派の人たちの問題点を指摘しています。

この記事の著者・吉田正幸さんのメルマガ

初月無料で読む

保守派というテーゼ

2022年7月8日、安倍晋三元首相(67)銃撃事件は起こった。奈良市で参院選の街頭演説中だった安倍氏が、同市内に住む無職の山上容疑者に手製の拳銃で撃たれて死亡した事件であることは皆さん、百も承知だろう。

首相経験者が銃撃されて死亡した事件は戦後では例がない。多くの聴衆の前で白昼、要人が狙われた事件だったこともあり、国内外に大きな衝撃が広がった事件。肝腎なのは、山上容疑者の動機について。特定の宗教団体の名前を挙げ、「母親が団体にのめり込んで破産した。安倍氏が、この団体を国内で広めたと思って恨んでいた」と供述したということ。

ここから一気にその「特定の宗教団体」が「旧統一教会」だという報道がされて注目が集まった。この宗教団体は韓国発祥の世界平和統一家庭連合(旧統一教会、日本では2015年に名称変更)。山上容疑者は、母親が宗教団体に少なくとも約1億円を献金して破産し、家庭が崩壊したとした上で、当初は団体の最高幹部を襲撃しようとしたものの接触が難しかったことから、団体と関わりがあると思った安倍氏を狙ったという趣旨の供述をしている。

統一教会っていうのはもともと霊感商法でひどいことをやっていた新興宗教だ。では、新興宗教とカルト、そして既存の宗教とはどこが違うのだろう?新興宗教は日本語で、カルトはラテン語だということ。ちなみに新しく出来た宗教が新興宗教という意味である。過激で異端的な新興宗教集団をさすのがカルトというもの。

いやいや調べていくとこれは深みにハマりそうだ。キリスト教も出来たばかりの頃はカルトと呼ばれていた。しかし、大きくなって大衆に認められるまではそのように呼ばれるのだろう。

宗教は必要か?必要だと思う。新興宗教、既存宗教にかかわらず、心の支えとなる真理は人間にとっては必要だからこそ、現存するのだと思う。しかし、カルト宗教は別だ。信者が奴隷状態になっている状況は、世界中に数多くある。奇妙に思うかもしれないが、それが事実だ。

この場合は、『隔離』と『コントロール』。(人々が)読むもの、見るもの、聞くものを支配すれば、考え方もコントロールできてしまう。代表的な例が『オウム真理教』だろう。なんたって教科書に「地下鉄サリン事件」が載っているのだから。

さてさて、宗教の呼び名に関してはこれくらいにして、今回なぜこのテーマを選んだのかというと、ご存じ、「ひろゆき」のYouTubeが面白かったからである。「統一教会」の取り上げ方に興味を持ったからだ。簡単に言えば、ひろゆきは統一教会を潰したいということ。ヒシヒシと伝わってくる。

統一教会の霊感商法。お金を巻き上げて、日本の信者から韓国へ500億?以上の多額なお金が渡っていくことに対して耐えられない様子だった。

この記事の著者・吉田正幸さんのメルマガ

初月無料で読む

公安調査庁の中、監視対象になっていた統一教会は、2006年の第一次安倍政権の時に公安調査庁の監視対象から外された。2015年、第二次安倍政権の時に統一教会の名前を変えた。統一教会の信者はお手伝いをするという形で政治家と仲良くなるらしい。そのやり方は巧妙で頭が良いとひろゆきは盛んに言っている。

今回参議院選で乙武さんが東京都から出馬した。選挙のポスターを貼る看板が東京都には10,000か所ほどあるらしい。その看板に選挙期間中の2週間ほど全部貼ったり剥がしたりという作業を一人では当然できない。そこで、無料で手伝ってくれる運動員っていうのを統一教会は貸してくれるらしい。貸してくれるというか、率先して手伝う。そして、選挙が終わったときに政治家と仲良くなって、政治家の名刺をもらうわけだ。

無料≪タダ≫で一日12時間ほど名簿から「今回の選挙はぜひ〇〇さんに一票お願いします!!」という電話を何百人もの信者がやってくれるのだから宗教団体とは知らずとも政治家にとってはとても有難い話となる。

そして、すぐには見返りを求めないものの、時間が経過したら「このイベントにぜひ一緒に出てください」「一緒に写真をお願いします」となって、お世話になったこともあって受け入れざるを得ない状況となって、それらがプロパガンダに流れていく。

ここに危機感を感じたひろゆきはYouTubeで拡散し続けた。それが7月20日あたり。「統一教会韓国に毎年500億円とか600億円とか被害者の多く出ているような宗教団体を野放しにするってありえないでしょ!!普通に日本にはいい国なってほしいと思うのであれば統一教会を潰さなきゃ!!」と。

「今のこの段階で無理だとしたら多分もうずっと無理!統一教会から日本を守る最後のチャンスはもう来ない。宗教の組織票というのが強くなってしまうので宗教の組織票を持っているところが政治家をバンバン作るっていうのが多分今後はもっと強くなると思うのでここで入れ替わるかどうかが決まるなと思っている!!」と言い続けた。

しかし、それから時間が経つにしたがって、ひろゆきのトーンが下がってきたのだ。要は、「今のインフルエンサーで騒いでいる人があまりいない」ということ。「テレビに出るジャーナリストで騒いでいるのが、有田さん。カルト宗教に対する反発があった江川紹子さんはもう少し騒ぐのかと思っていたが割と穏当な感じ」、としていた。

新進気鋭の若手の有名な芸能系の人で行くと東さんとか三浦瑠偉さんとか。あとは紀藤弁護士、山口弁護士などががんばっている。しかし、騒がれている割には「統一教会は良くないよね~」って言う人が全然増えない!!などとひろゆきが諦め節となっていた。マスメディアに関しても、信じられないような件もある。ひろゆきは続けた。

この記事の著者・吉田正幸さんのメルマガ

初月無料で読む

朝日新聞に宮台真司さんが原稿書いていたけれども、統一教会に関する場所ががっつり削られたらしい。「担当の人が、ものすごく頑張っていたらしいのだけれども、デスクかなんか上の人からがっつり削られたということもあって、結局そのメディア側が動けないと言うものがあったらしい」ということ。

「安倍首相のおじいちゃんの岸信介さんの家の隣が統一教会の本部があってそこで勝共連合っていうのをお互い作った時もあってそこの勝共連合が自民党の支持をしていて外務大臣になった安倍晋太郎さんとかも無関係はさすがにないでしょう」と。

都市伝説…ではあるが、山口県の小さな町、「田布施(たぶせ)町」。県南東部、瀬戸内海に突出した室津半島の付け根部分に位置する人口約1万5000人の小さな町だ。

実はこの町が、日本を代表する政財官界の大物を次々と輩出、我が国を影で操っているという「噂」まで出てしまっている。深くは「天皇家」と繋がっているというのだから、メディアでタブー視されているのもうなづける。

それはさておき、日本のインフルエンサーがことごとく「統一教会」関係に寡黙になっている状況にひろゆきだけでなく、多くの日本人が正面から考えていかなければならない問題ではないかとさえ思うのだ。

ユダヤ人が迫害された時に、いや自分はユダヤ人じゃないから、迫害とかどうでもいい!って言って、そのように思っていた人たちが結果として加担したという考え方もある。

統一教会潰すべきだとなっても、みんなで潰そうではなく、別に自分はどうでもいい。放っておいてもいいのではないか、という考えは「潰さない」と言う結論に見られても仕方がない。だから、ひろゆきは、「人前で喋る仕事をする人なのであれば旗色を出すべきだと思う」という。

統一教会を潰すべきだという考えなのに、自分の旗色を上げない人って、結果として統一教会が残り続けたほうがいいと思っているとされても仕方のないことだろう。

見て見ぬふりをするというこの兆候は日本人の特性だ。政府は動かないほうが得なのだろう。統一教会はお金も、選挙運動も手伝ってくれるから。

日本の保守派の人たちは、日本の人達を何とかしようという方向には中々向かわない。いや、向かえないのだろう。赤穂浪士の話もそうだ。殿様が間違ったことをやったとしても、間違った殿様を信じることが正しい…的な価値観を持っている人たちがとても日本人には多い気もする。

結局、安倍晋三氏の葬儀が国葬となってしまう事にも日本人の特質がよく出ているのではないだろうか。僕は特にひろゆきファンでも、嫌う側にもいない。しかし、ひろゆきはTwitterで185万人もフォロワーを抱え、ベストセラー本を何冊も出しているインフルエンサーでもある。

ひろゆきの「統一教会」に対する考えを、正面切って旗色を上げていく日本人自体がこんなに少ないことに対していら立ちを感じているのは自分だけなのだろうか。

今の政治自体の仕組みを変えていかなければ真の意味で日本は変わらないだろうが、「創造」は「破壊」から。まずは思いっきり壊れていくことも再生の一つなのかもしれない。

この記事の著者・吉田正幸さんのメルマガ

初月無料で読む

image by:Koshiro K/Shutterstock.com

吉田正幸この著者の記事一覧

医療機器メーカー勤務を経て、2000年7月に整体院にて独立開業。 一日200名以上の整体院に成長。その後7店舗展開。独立専門整体スクール開校し、生徒は全国で活躍している。 15万2000人以上を施術。整体スクールは650名以上の整体師を輩出。現在も施術及び施術指導継続中。 店舗立ち上げから閉鎖まですべて体験し、やりたくないことをやめ、やりたいことにエネルギーを集中させる人生へのシフト。 医療機器メーカー時代に得た生活習慣病に対する知識と経験を踏まえてヴィッシュ整体法を創始。 著書に「集客革命」「でも、大丈夫!!」「ぶっちぎり集客力」すべて現代書林刊がある。 JPMA日本理学手技療法協会代表理事 フィットバランス療術学院 学院長 エネルギー整体Vitsyu-Yoga 院長 趣味はトレイルWalking&Running。愛犬はアメコカ女の子“アビィ”

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 施術家・吉田正幸の「ストレス・スルー術」 』

【著者】 吉田正幸 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月曜日

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け