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京セラ稲盛和夫名誉会長が死去。日本電産の永守会長が語る「夜10時の秘話」とは

稲盛和夫氏が老衰で死去、90歳

京セラの創業者で、経営破綻したJAL再生の立役者でもあった稲盛和夫名誉会長が今月24日、京都市内の自宅で老衰のため死去しました。90歳でした。

稲盛氏は1955年、鹿児島県立大学を卒業後、京都の碍子製造会社「松風工業」に就職。そこでファインセラミックスの将来性に気づき、1959年に「京都セラミック」を創業、一代で世界的な企業「京セラ」に成長させるなど、日本を代表するカリスマ経営者として知られています。

稲盛氏の経営哲学は多くの経営者やサラリーマンに愛されましたが、日本電産を一代で1兆円企業へと育て上げた永守重信氏にとってもそれは同じでした。1980年代に2人が語り合った夢を、無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』よりご紹介します。

「稲盛さんは半端じゃない」永守重信氏

──永守さんは稲盛和夫さんと同じ京都で創業し、精密小型モーターのメーカーだった日本電産を一代で1兆円企業に育て上げられました。今年で76歳(当時)になられるそうですが、いまなおバイタリティーに溢れていますね。

永守 「まだ現役バリバリですから(笑)。きょうは稲盛さんについてお話ができるというので、非常に光栄に思っています。

──そもそもの出会いはどういうものでしたか

永守 1973年の日本電産の創業から10年くらい経った頃だったと思います。もう亡くなられましたけれど牧さんとおっしゃる京都銀行の常務さんが『永守さん、これから会社を大きくしたいと思うなら、京都セラミック(当時)の稲盛さんと一度、会っておいたほうがいいですよ』と一席設けてくださいましてね。稲盛さんとは同じ申年で、年齢は稲盛さんが一回り上なんです」

──すると、永守さんが39歳前後、稲盛さんは51歳前後の頃ですね

永守 「ええ。当時、京セラは創業20年を越えて大いに驀進していた時で、まさに『京セラ、ここにあり』という感じでした。稲盛さんも経営者として脂が乗り切っていて、話に非常に勢いがありましたね。

実際、稲盛さんは猛烈に働いておられ、これが成長する企業のトップのあり方だということを身を以て教えられたんです。

会食が終わったのが夜の10時くらいだったでしょうか。私は当然、それから家に戻らずに会社に帰るわけですけれど、稲盛さんも会社に帰られると聞いて、『やはり、この人は半端ではないな』と思いました。そんな経営者にそれまであまり会ったことはなかったし、印象は大変強烈でした。その時の勢いのある姿はいまでも目に焼きついています」

──同じ経営者として強く意識するようになったのですね。

永守 「その日から目標が一段も二段も上がりました。京セラという会社と稲盛さんという人物を追い求めるのが私の目標になりました。もちろん、最初から同じことはできませんから、まずは真似るところから始めたんです」(『致知』2021年4月号特集「稲盛和夫に学ぶ人間学」より)

稲盛和夫の人生方程式

京セラ、KDDI、JALという3つの世界的企業を率いた稀代の名経営者・稲盛和夫氏。これまでの著作や講演の中で語られた言葉の数々は、多くの方に勇気を与え、行く道を照らす光となってきました。

このたび弊社から発売された『稲盛和夫一日一言』より、魂が響く珠玉の言葉をご紹介します。(無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』2021年10月13日号より)

●人生方程式1 熱意と能力

人生・仕事の結果=考え方

この方程式は、平均的な能力しか持たない人間が、偉大なことをなしうる方法はないだろうか、という問いに、私が自らの体験を通じて答えるものである。まず、能力と熱意は、それぞれ0点から100点まであり、それが積でかかると考える。すると、自分の能力を鼻にかけ、努力を怠った人よりも、自分にはずばぬけた能力がないと思い、誰よりも情熱を燃やし努力した人のほうが、はるかに素晴らしい結果を残すことができる。

●人生方程式2 考え方 

この能力と熱意に、考え方が積でかかる。考え方とは、人間としての生きる姿勢であり、マイナス100点からプラス100点まである。つまり、世をすね、世を恨み、まともな生き様を否定するような生き方をすれば、マイナスがかかり、人生や仕事の結果は、能力があればあるだけ、熱意が強ければ強いだけ、大きなマイナスとなってしまう。素晴らしい考え方、素晴らしい哲学を持つか持たないかで、人生は大きく変わってくる。

●「ど真剣」な人生

いつも燃えるような意欲や情熱を持って、その場そのとき、すべてのことに「ど真剣」に向かい合って生きていくこと。その積み重ねが私たち人間の価値となって、人生のドラマを実り多い、充実したものにするのだ。

●動機善なりや、私心なかりしか

大きな夢を描き、それを実現しようとするとき、「動機善なりや」と自らに問わなければなりません。自問自答し、動機の善悪を確認するのです。また、仕事を進めていくうえでは、「私心なかりしか」という問いかけが必要です。自己中心的な発想で仕事を進めていないかを自己点検しなければなりません。動機が善であり、私心がなければ、結果は問う必要はありません。必ず成功するのです。

image by: Science History Institute, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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