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Parking of colorful truck in Japan.

まさに「トラック野郎の聖地」。千葉のドライブインが愛されている秘密

昭和時代、国道沿いのドライブインには多くの自動車が集っていましたが、多くの高速道路が整備されると、その賑わいは遠い昔の話となってしまいました。しかし、今なぜかドライブインが再び注目を集めていると言います。その理由をメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の中で、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが紹介しています。  

健在、ドライブイン!トラック野郎の聖地は、今日も旨い!

ドライブイン。この懐かしき響きが、いま再び注目を集めています。

昭和の時代。地道を走るトラックドライバーたちが、ひとときの癒しを求め、国道沿いのドライブインに集まってきていました。

ドライブインとは、広い駐車場のある休憩場所のような施設で、主に飲食店のことを指します。長距離ドライバーのために、仮眠する場所やシャワーのあるお店もあります。

高度成長期に爆発的に増えましたが、高速道路の整備によって、徐々にその姿を消し、生き残ったお店は静かに営業を続けています。

ところがいま、巷のレトロブームのひとつとして、ドライブインが脚光を浴びつつあります。見ための古臭さ、店内の昭和感が、“映える”“エモい”と、若い人たちに受けているようです。

千葉県香取市にある「与倉ドライブイン」もそのひとつ。

大型トラックがたくさん止まることのできる大きな駐車場の中にポツンと建つこのお店は、見るからに昭和の建物。

「与倉ドライブイン」という文字の下のオーニング、昭和チックに言うなら「日よけテント」には、「ドライバーのオアシス・働く人のお食事処」というフレーズが書かれています。懐かしい言葉・表現が残っていることに、感動してしまいます。

入口横の営業中を知らせる木札には、「やってる」の文字が。小さな遊び心が、笑わせてくれます。

店内はかなり広く、どれだけ流行っていたかがわかります。

テーブル席と小上がりがあります。

メニューの種類は数えきれませんが、ドライバーが好みそうなガッツリ系の名前がたくさん並んでいます。

「生姜焼き定食」「ホルモン定食」「肉野菜炒め定食」「ハンバーグ定食」「焼肉定食」「レバニラ炒め定食」「唐揚げ定食」「酢豚定食」などの肉系もあれば、「マグロ刺身定食」「わかさぎフライ定食」「キスフライ定食」「あじフライ定食」「エビフライ定食」「イカフライ定食」「カキフライ定食」「サバ焼き定食」「アジ焼き定食」「さんま焼き定食」などの魚介系もあります。

「炒飯」「カツ丼」「親子丼」「中華丼」「オムライス」などのご飯ものも充実。「塩ラーメン」「味噌ラーメン」「タンメン」「醤油あんかけ焼そば」などの麺類も。

他に居酒屋風メニューも数多く揃えられています。そのどれもが大盛り。多くのドライバーたちの要望に応えていった結果、これだけのメニュー数に至ったのだと思います。お客さまを飽きさせないための心遣いなのです。

長距離ドライバー、いわゆるトラック野郎にとって、疲れた身体を癒し、空いたお腹を美味しいもので満たすことができるドライブインは、まさにオアシスなのです。古い表現かもしれませんが、言い換える言葉が見つかりません。とても大切な場所なのです。

このお店は、ドライバーたちに愛されています。創業50周年記念の時には、数十台の大型トラックが集まって、記念撮影会を行ったほどです。トラック野郎の聖地となっているのです。

今後、高速道路のさらなる整備によって、ドライブインの存続は難しくなるかもしれません。しかし、レトロブームをキッカケに、「旨いものがある場所」として注目されれば、永続も不可能ではありません。

ぜひ、残って欲しい、残して欲しい昭和遺産です。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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