「あの時ああしておけばよかった」などネガティブなことを繰り返し考えてしまうと、仕事にも必ず支障が出てしまいますよね。メルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』の著者、石川和男さんは、その『反芻思考』の対処法を3つあげています。
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仕事中に「反芻思考」に陥ったときの3つの対処法
「反芻(はんすう)」とは、牛や羊などが一度飲み込んだ食物を胃から口の中に戻し、再び噛んでからまた飲み込むことを繰り返す食べ方を言います。転じて、言葉や経験について繰り返し考え、よく味わう意味で使われます。
一方、「反芻思考」とは、「なんで、あんなこと言ってしまったんだろう」、「あのとき、ああしておけばよかった」、「あのとき勇気を出して実行しておけばよかった」など、ネガティブなことを繰り返し考えてしまう思考のことです。うつ病や不安障害など、様々な精神疾患を引き起こすリスク要因であると考えられています。
反芻思考の人は、頭のなかがネガティブなことでいっぱいです。「あのミスが最悪だった」などと繰り返し思いながら、目の前の仕事をしているということは、仕事→マイナス思考→仕事→マイナス思考と繰り返すことになり、目の前の仕事に集中できないのです。ネガティブにくよくよ考えることが、仕事の効率を下げているのです。
反芻思考への対処法
1.予定を「ぎゅうぎゅう」に詰め込む
今現在モーレツに忙しいと、過去のミスなどを後悔する暇がありません。もちろん仕事だけではなく、スポーツや映画鑑賞、読書など、自分が好きなことであれば、そのことに打ち込んでみる。そうすれば、 余計なことはすべて忘れ、いつの間にか心もポジティブになります。
2.「自分でなんとかなること」と「自分ではどうにもならないこと」を分けて考える
世の中には、自分ではどうにもならないことがあります。例えば、「コロナ禍でイベントが中止になってしまった」、「野外活動の日に雪が降る」など、どうすることもできませんよね。
弊社は建設会社です。公共工事で他の業者と同じ入札金額になった場合は、くじ引きになります。くじに外れて仕事が取れなかったことをくよくよ悩んでいても、仕方ありません。
反芻思考による悩み事があったら、紙に書き出してみてください。次に「自分でなんとかなること」と「自分ではどうにもならないこと」をきっちり分けてみて下さい。そして、悩むなら「自分でなんとか解決できること」だけにフォーカスすると決めてください。すると、大部分のことが、「自分ではどうにもならないこと」のはず。なぜなら、どれだけ考えても過去のミスを修正することはできないからです。どうにもならないとわかれば、悩むだけ無駄だと気づくのではないでしょうか。
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3.「すっぱいブドウの論理」で考える
心理学に「すっぱいブドウの論理」と呼ばれている考え方があります。イソップ物語の寓話で「キツネがおいしそうなブドウを見つけるが、木の高いところにあり、どうしても届かない。そこで『ふん!あのブドウはきっと酸っぱくてまずいに違いない』と言って立ち去る」という話から、自分が努力しても手に入らなかったものを諦める理由を正当化させ、自分の心を落ち着かせる心理を表しています。
過ぎ去った昔のことを後悔しても仕方ありません。そんなときは、このキツネのように、負け惜しみの言葉をいって未来に目を向けるのです。
「あの会社に転職できなかったけど、それでよかった。あと3年で独立するから」
「彼女に振られたけど、自由になれてよかった。だって世界にはまだ何十億人と恋愛対象がいるんだから」
終わったことは後悔しない。わざと負け惜しみを言ってさっぱりする。失敗したことも、一度反省して次に活かすと決め、気持ちを未来に切り替える。
人生には、過去、現在、未来しかありません。過去にとらわれて後悔している時間はありません。「今を生きること」が大切です。
この反芻思考への対処法を知っていれば、気持ちを上手に切り替えることができます。それにより、仕事が早く終わらせることができ、自分の時間を確保できるようになり、一層人生を楽しく豊かにすることができます。
気持ちの切り替えスイッチとして、ぜひ役立ててください。
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