韓国民主党の李在明氏の最側近である金容氏が逮捕されました。その理由と現在の韓国内部について、韓国在住歴30年を超える日本人著者が発行するメルマガ『 キムチパワー 』で詳しく解説しています。
李在明側近=金容、逮捕される
検察が大庄洞の収益金の一部が李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表の大統領選予備選挙資金に流れた情況をつかみ、最側近の金容(キム・ヨン、56)民主研究院(=共に民主党中央党所属の政策研究所)副院長を19日逮捕した。
検察の大庄洞(デジャンドン)捜査から1年ぶりに、不法大統領選挙資金疑惑が浮上したのだ。特に20日午前0時拘束期間満了で釈放される「キーマン」柳東珪(ユ・ドンギュ)前城南都市開発公社企画本部長が最近態度を変えて口を開き捜査が急進展した模様だ。柳東珪が口を開き始め、金容が逮捕されたことで李在明の拘束も時間の問題となったとみていいようだ。
ソウル中央地検反腐敗捜査3部(姜伯信部長検事)は同日、「金副院長に対して政治資金法違反の疑いで裁判所が発行した逮捕令状を執行した」と明らかにした。検察は同日午前、金副院長の自宅を家宅捜索したのに続き、午後、ソウル汝矣島(ヨイド)の民主党本部の事務室を弁護人立ち会いのもと家宅捜索しようとしたが、民主党議員らが1階占拠するなど阻止し支障を来たした。民主党は「金容副院長の自宅、車両だけでは足りず、野党第一党の党本部に家宅捜索を行った。類を見ない非道な行動だ」と反発した(犯罪者の家宅捜索のどこが「非道」なのか意味がわからないけれど)。
検察は、金副院長が昨年4月から8月まで、数回にわたって李在明代表の大統領選挙準備を名目に、大庄洞(デジャンドン)の民間事業者一味から計8億ウォンを現金で受け取ったものと見ている。
大庄洞の民間事業者であるナム・ウク弁護士が金を用意し、当時城南都市開発公社のチョン・ミニョン戦略事業室長を経て、ユ・ドンギュ前本部長がキム副院長に最終伝達したと把握した。ナム弁護士は天火同人(株)の4号所有者で、宅地開発利益金として1007億ウォンを配当された。
彼らはナム弁護士の自宅やユ前本部長とチョン前室長が天然肥料事業名目で同業して設立した「ユウォンホールディングス」事務室などで金をやり取りしたことが調査の結果わかった。検察は金副院長の資金使途、李代表との関連性などについて集中的に取り調べる方針だ。逮捕期限の48時間以内に逮捕状も請求する方針だという。
検察は、この金が李在明代表の大統領選および党内選挙資金に使われた可能性に重きを置いている。金副院長が8億ウォンを受け取った時期が、李代表の大統領選出馬期間と重なるためだ。
民主党は昨年6月末から大統領選候補を決める党内予備選挙を始め、李代表は昨年7月1日、公式出馬宣言をした。キム副院長は2019年11月、京畿道スポークスマンを辞任した後、水面下で李代表選挙の準備を手伝い、予備選挙キャンプが構成された後、総括副本部長を務め組織管理と予算を担当した。李代表が昨年10月に候補に選出されると、本選キャンプでは組織副本部長を務めた。
しかし金副院長は立場文を出し「不法資金を授受したという疑惑は全く事実ではない。ない罪を作り出している」として「政治工作を日常的に行う検察の行動を強力に糾弾し、すべての方法を尽くしてこれを正す」と明らかにした。李代表は金副院長の逮捕と関連して今のところまだ立場を明らかにしていない。
金副院長は、李代表が城南市長時代から一緒に歩んできた最側近だ。チョン・ジンサン民主党代表室政務調整室長と共に李代表の「腹心」に分類される。昨年10月、ユ・ドンギュ前本部長の拘束で大庄洞疑惑がふくらむと、李代表が直接「わたしの側近というならチョン・ジンサン、キム・ヨン程度でなければならないのではないか」と言及したりもしていた。金容副院長という人間は李在明の紛れもない「側近」だ。こいつが逮捕された。
昨年9月、ユ前本部長が押収捜索される直前に通話した相手も金副院長とチョン室長の2人だったことがわかっている。大庄洞一味の裁判で「チョン・ジンサン、キム・ヨン、ユ・ドンギュ、キム・マンベ(火天大有の大株主)4人が集まって義兄弟を結んでいこうとチョン室長が話した」という通話録音内容が公開されたりもしている(火天大有については2021年10月2日の#344号で詳しく書いている)。
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検察が昨年9月末から行ってきた「大庄洞開発特恵・ロビー疑惑」捜査が「不法大統領選挙資金疑惑事件」に拡大することになったのは1年以上収監中の柳東珪(ユ・ドンギュ)前本部長が最近口を開き始めたおかげだという。検察内外では「ユ前本部長が20日拘束満了を控えて約1か月前から核心陳述をしている」という話が出ていた。ある検察関係者は「李在明代表が関連した事件の中で李代表本人が直接関与した事案は初めて」と話した。
反面、民主党側は検察のユ前本部長懐柔疑惑を主張したりもしている。キム・ウィギョム議員は18日、国会法制司法委員会国政監査で「ユ・ドンギュが近い将来釈放されると確信するなど検察が懐柔している」と疑惑を提起したが、ソン・ギョンホ=ソウル中央地検長は「法手続き内でユ氏調査を進行した。事実と違う」と反論した。
(この民主党議員の発言は)ユ前本部長が20日午前0時、2回目の6か月間の拘束期間満了で釈放されたことで陳述信憑性を低くしようとする意図と解釈される。ユ前本部長は昨年10月3日、賄賂疑惑で拘束され、4月に6か月拘束期間が満了したが証拠隠滅教唆疑惑で追加拘束令状が発行され拘束状態で裁判を受けてきた。
柳東珪が李在明に対する忠誠心をかなり失いかけているのは、自分も(すでに亡くなった誰かのように)李在明によって全ての罪を擦り付けられて「ポイ捨て」される恐れがあると最近思い始めたからではないかと思われる。
柳東珪のことを李在明は「末端」の人間のように以前言ってるし、側近というべきは金容とかチョン・ジンサンくらいの人間でないと話にならないんじゃないの、なんて言っているのを聞いて、「こりゃ、やばい」と思い始めたのではないだろうか。犯罪者は調子のいいときはいいけれど、一つタガが外れるとお互いに疑心暗鬼になり裏切り行為に走るっていうのは昔から相場が決まっている。
(無料メルマガ『キムチパワー』2022年10月20日号)
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