MAG2 NEWS MENU

「日韓トンネル」も容認?外務副大臣さえ統一教会ベッタリの危機的状況

問題発覚の発端となった安倍元首相銃撃事件から4ヶ月あまりを経た現在も、次々と明るみに出る自民党所属議員と旧統一教会の不適切な関係。先月末には新たに副大臣や政務官らと教団との癒着が露見、当人らは苦しい言い訳に終止しています。この中で、井野俊郎防衛副大臣と山田賢司外務副大臣の二人を問題視するのは、ジャーナリストの内田誠さん。内田さんは今回のメルマガ『uttiiジャーナル』で、彼らが旧統一教会に「籠絡」されていた事実を、安全保障上の問題として強く批判しています。

この記事の著者・内田誠さんのメルマガ

購読はこちら

 

テレ朝「モーニングショー」が取り上げた、統一教会と深い関係を持つ3人の副大臣:「デモくらジオ」(11月4日)から

今日、この冒頭でお話申し上げたいと思いますのは、先週の確か水曜日だったと思うんですが、テレビ朝日の「モーニングショー」、玉川徹さんがコメンテーターを外されたあの番組ですけれども、そこで毎週毎回というわけではないですが、その日は旧統一教会に関する問題をかなり長く特集としてやっていました。

鈴木エイトさんというジャーナリストがもう20年以上も統一教会の取材をされている、専門家と言ってよい方ですけれど、その方をゲストに迎えてパネルを開けながら色々なことを紹介していました。その日の主な内容は、副大臣3人の統一教会との関わりが発覚したこと。各社の報道のまとめのような内容でした。

その内容を見ていて、これはちょっと、ちゃんとこの場所でも紹介しようと思ったのが一つ。で、まあ、玉川さんがいたらどう言ったかなんてことを私、偉そうに言えないですが、私だったらこういうことを付け加えるだろうなということを含めて、ちょっとお届けしたいというふうに思っています。

その番組で扱われていた3人の副大臣。一人は井野俊郎さん。この方はなんと防衛副大臣ですね。で、二人目が山田賢治さん。この方は外務ですよ。外務副大臣。防衛副大臣と外務副大臣。で、3人目は大串正樹さんという方。この方はデジタル大臣のところの担当副大臣ですね。大臣がいて副大臣がいて政務官がいる。この役はいずれも認証官、今、認証官というのかな?要するに、天皇が任命する。

この3人の副大臣、特に前の2人ですね。この2人に関してこんなことがありました。井野俊郎さんのトシは俊敏の「俊」という字なんですね。で、旧統一教会、世界平和統一家庭連合でしたっけ?「世界」の「世」という字が入っているので、この二文字をとって「俊世会」という、まあ、つまり大臣と旧統一教会の絆(きづな)のような名前をその後援会組織に付けていたと。解散したということですけれども、まあ、鈴木エイトさんに言わせれば(会員は)全員が信者だろうというふうなことでもありました。

井野さんはですね、いわゆるパーティー券を何枚も買ってもらっていることであるとか、それから「俊世会」、まさしく統一教会系の井野俊郎後援会ですね。ここの十数名の人たちに、法務副大臣の時代、法務省を見学させたと。おそらく大臣室に招き入れて、「これが大臣の椅子です」、ああ、副大臣ですけどね、いや政務官でしたかな、この時は。で、要するにそういう、なんと言うのでしょう、一種のサービスみたいなこと、これ、よくやるんですよね。私も今はもう厚生労働省となってしまいましたが、厚生省と労働省が分かれていた時代に、ある労働大臣が就任したときにその人の地元の人が大臣室に招かれる、そのときに一緒に伺って取材させてもらったことがありました。よくやるんですよね。で、統一教会の信者の団体に、後援会ですか、見学をさせたと。

この記事の著者・内田誠さんのメルマガ

購読はこちら

 

この井野さんという方、若いんですよね。42歳。群馬県の伊勢崎の弁護士さんだった人。確か自民党の議員候補の公募に応募して選ばれ、当選した、かなり選挙に強い方ですね。選挙区は群馬2区。ここが大事なんだろうと思いますけれど、非世襲議員ですね。世襲議員のメリットというのは、いわゆる「ジバン・カンバン・カバン」といわれるもの、これを税制で捕捉せずにですね、そのまま次の世代に相続できるようになっているんですよね。これについての批判は一時期よく行われましたけれど、未だに改まっていないのだと思います。世襲議員にはそういう強さがある。選挙に打って出ようとするときに既に自分の父親か母親、要は先代の議員の“持ち物”を受け継ぐことができるようになっている。この人は、そうでない議員なんですね。

井野さんが相当、統一教会のお世話になっているのではないかと思うのは、これは、共産党の新聞「しんぶん赤旗」の日曜版だったかな、スクープした件ですけれど、2014年、統一教会の関係者5人が自民党に入党して、その際の党費を井野さんの事務所が肩代わりしていると。この件について国会で共産党の議員が確か追及したかと思うのですが、井野さんは否定をしなかったので、おそらくその通りなのだろうということのようですね。因みに、共同通信が全議員に対して、統一教会との関係についてアンケートを採ろうとしたのですが、井野さんは回答を拒否しているようです。現在この人が防衛副大臣だということをちょっと覚えておいていただきたいと思います。

二人目、山田賢司さん。この方は群馬じゃなくて兵庫の方、兵庫7区だったかな。この方は外務副大臣で井野さんより大分年嵩で、56歳。統一教会の関連団体から、特に問題とされている「推薦確認書」という奴ですね。これにサインをしている。去年の9月にサインをしているのだそうです。ここで政策としてこれをちゃんとやってくださいね、ということでいくつも項目が上がっているなかに、憲法改正があり、家庭教育支援法の実現があり、LGBTQに関わる問題について慎重に扱うということであり、それから日韓トンネルの実現という話が入ってきているんですよ。これはねえ、ちょっと大きいんですよ。これについてはほとんどそこから先の話になっていないのではないかと思うのですが、テレビ、ちゃんと各局見ているわけではないので、これをちゃんと取り上げたところがあったかもしれません。けれど、日韓トンネルという構想があるんです。今現在はそれを統一教会が事実上やっているというか、そのために5万円の寄付を今も募っているはずです。紀藤弁護士が一番お詳しいのだと思いますけれど。こういう、その日韓トンネルの話は後で申しますが…。

で、こういう書類にサインしたことについて山田さんは謝罪をしていて、「取り消す」みたいな話になっているのですね。山田さんはなんと言っているかというと、「中身を深く考えずにサインをしてしまった」「大変軽率だった」と。言っているんですよね。うーん。まあ、とにかくね。中身をよく見ずにと言うけれど、もうちょっと言いたそうなのは、その組織がどういう組織かについて、ちゃんと調べずに、サインをしてしまったというニュアンスで言いたいんだと思うんですよ。

この記事の著者・内田誠さんのメルマガ

購読はこちら

 

でもね、この方、関連団体の会合に複数回出ていて、それからなんと、地元兵庫の関連施設を訪問している、施設を訪問というと、萩生田さんを思い出してしまいますが、萩生田さんは八王子のそういうところに、誰でしたっけ、女性の元タレント(生稲晃子さん!)の候補と選挙応援で施設を訪問していますけれど、この人もそうなんですよ。ちゃんと施設を訪問しているんですよ。で、2016年には「アジアと日本の安全を守る兵庫県大会」とかいうのを世界平和連合でしたか、そこが主催して開いたところに参加している。同様の会ですかね、文鮮明さんの奥さんが色々なところのトップですが、その方が日本に来たとき、代理で秘書を送っている。それだけ密接な深い関係にあるのに、「中身を深く考えずにサインした」「大変軽率でした」。彼らが何をしようとしているのか、私は全然知らないんですよ、と言いたげですが、これはにわかには信じられないですよね。

この件に関する言い訳はほとんど、むしろ地方議員の人の方が正直に、ほとんど私は信者ですと言っているような人も含めてありますし、より正直に仰っているように思うのですが、何もね、隠すことはない、隠したって隠せるものでもないんだけど。とにかく、そういうことです。参考ですけれど、この方、日本の核武装の検討を始めるべきだとも仰っているのですが、そういう方が外務副大臣で良いのですかね。凄い話です。

今の2人、井野さんと山田さんは2人とも非世襲の議員で、公募に応じて自民党の議員になっていった人たちです。ということは世襲議員のような「ジバン・カンバン・カバン」のない状態からスタートした。統一教会からしたら、一番入り込みやすいタイプの議員ではなかったかと思うんですね。

もうひとかたは、大串正樹さんという方。デジタル担当の副大臣で、以前は消費者担当の副大臣だか政務官をしていたことがあります。この方も「推薦確認書」に署名している。この方、所属している派閥の力はどちらかというと弱いところというか、谷垣グループあるいは菅さんのグループに所属している。

こういうデジタルなんとかはおいておくとして、防衛副大臣と外務副大臣、この2人が例えば最近流行の「2プラス2」というのがあるじゃないですか。両国から外務と防衛の担当者が出てきて安全保障問題を話し合う。安全保障問題を海外との間で調整する最もハイレベルの会議、首脳を別にすれば、ですが、実質的に議論したり調整したりするところ。実際にいっぱいやるじゃないですか。「副」がつくから、直接行くわけではないけれど、そういう役回りのところの副大臣がこういう人たちで、べったりとくっついている団体が韓国のカルトだという。これは安全保障上の問題だと言っていいのだと思います。

例のトンネルの話がまだでしたよね。日韓トンネルと言っているものは、佐賀県の唐津から韓国の釜山まで海底トンネルを作る構想です。今現在は統一教会がらみになっていますが、元々は戦前から続く話で、昭和10年代くらいだと思うのですが、弾丸列車構想というものがありました。日本の国内も横断するような高速の列車網を作り、その西の端から海を渡ってさらに朝鮮半島を渡り、かつての奉天まで行き、そこからさらに中国大陸を西進するという、まあ、日本から朝鮮半島、そして中国大陸、これを横断する線路を引こうという気宇壮大な話。

この記事の著者・内田誠さんのメルマガ

購読はこちら

 

この構想、結構ずっと低空飛行で続いている話ですが、私が最初に知ったのは1985年。今から37年前になりますかね。テレビの仕事を始めてすぐに調べようとしたのですが、色々な事情から続かなかった。これ、いわゆる日本ではその一部分が東海道新幹線になり、さらに旧満州地域では満鉄ともつながっているのですね。つなげようとしたんですね。新幹線に乗るたびに「弾丸列車構想」を頭に浮かべてしまうのです。そんな必要はないのですが(笑)。そういう代物です。技術的な可能性はあるのでしょうが、嘘みたいに金の掛かる話ですので、海底トンネルを通すということで。日本のゼネコンが本気でこれを取り上げる可能性があるかというと、ない、ないのですが、実は誕生したばかりのユン政権。ユンさんはこの日韓トンネル構想を進めようとしているらしい。どこまで本気か分かりませんが、そういうことも関係してくる。で、日本の外務副大臣が署名した政策協定書の中に日韓トンネルもあり、それは現在の韓国の政権が進めようとしている政策の一つでもある、重なる、ということになると、ちょっと具合が悪いのではないですかね。あ、そうですか、では済まない話であるような気がしています。

先週の「本会議」冒頭の方ではちょっとややこしい話で、信教の自由との関係の話もありますし、解散命令の解散は別に法人格を失わせるだけであって、信仰を抑圧することではない、その団体に法人格を与えるのは、公的な利益につながるということでやるわけですが、現実には宗教法人に対する税制優遇につながるわけですね。これ税制優遇そのものに対する批判も山のようにありますので、それもちゃんと言わないと不公平だと思いますかが。

昔、よくありましたよね、お寺が敷地の中に風俗営業の店を開業したりして、あるいは駐車場にする、これも税制優遇されていながらそれでいいのかという話もありましたよね。当然。あの、風俗営業の店が悪いと言っているのではなくて、業種によっては、開業に関する制限が色々あるということです。となると、何が悪いのかと言われる向きもあると思いますが、今般の政権の状況を見るに付け、これは毎度品のない表現で申し訳ないですが、「骨がらみ」の状態。

ですから、この前も言いましたが、自民党は統一教会系の組織と言っても良いくらいに相互浸透している。鈴木エイトさんの話の中にあってなるほどなと思ったのは、合意した中に、泊まりがけのセミナーに代議士自身が出席するということが含まれているとありました。これって、場合によっては洗脳を受けるということになりかねない。それから統一教会系の会員さんが自民党に入党する。お互いの組織に相互浸透する現実があったということで、これはやはり、少なくとも何がどのくらい浸透し合っているのか、可能な限り明確にしてから、次の選挙に臨んでいただきたいと思います。

(『uttiiジャーナル』2022年11月6日号より一部抜粋。全てお読みになりたい方はご登録ください)

この記事の著者・内田誠さんのメルマガ

購読はこちら

 

image by: 一般財団法人国際ハイウェイ財団

内田誠この著者の記事一覧

ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 uttiiの電子版ウォッチ DELUXE 』

【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け