悩ましい人事に振り回されるビジネスマン。世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんのもとに届いた相談者も人事で配属された部下に悩む一人でした。赤羽さんは自身のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』で、元上司が部下になってしまったケースについて双方に同情しながらも対処法を語っています。
この記事の著者・赤羽雄二さんのメルマガ
元上司が部下になってしまいました。当然ながら気分が悪いらしく、全く指示を聞きません
Question
新卒で商社に入り22年になります。こともあろうに、10歳先輩の元上司が降格されて、私の部下になってしまいました。社内でいくつかそういう例がありますが、この人事が決まって以来、機嫌が悪く、私の目を見て話そうともしません。気持ちはよくわかりますが、当然、私には何もできません。何かすべきことがありますでしょうか。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。元上司のお気持ちが大変によくわかります。もちろん相談者さんの辛いお気持ちも同じくよくわかります。
これは本質的にはどうしようもないことで、こういう人事をするな、と経営者と人事部に強く言いたいところです。
元部下の部下になっても何とかやる気を保ったり、不満を持たなかったりできる人などあり得ないからです。
なので、相談者さんは巡り合わせが悪かった、としかいえません。
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ただ、それで終わってしまったら、何も改善しませんし、どんどん悪化していく可能性もありますので、次のようなアプローチをお勧めしたいと思います。元上司をAさんとする
・Aさんに対しては、必ず敬語を使う
・ただし、おもねる必要は全くない。余計なお世辞などもいらない。単に丁寧に接するだけ
・大事なことは、チームのビジョンを明確にし、その達成方針を明確に示し、それを全員のタスクに分け、定量的・定性的KPIを定め、週次でKPI進捗確認会議を開催し、粛々と進める
・Aさんに結果を出してもらうことがすべてなので、それ以外に気をつかうことはない
・1on1ミーティングは、どんなに丁寧にやってもぎくしゃくする。けんかを売ってくるが、それはしょうがないと思う
・したがって、Aさんが部下でいる間は、チーム内の1on1ミーティングは最低限にする
こういったことになります。本来、業績・成長目標合意書も導入したいところですが、火に油を注ぐこともありますので、それよりは、タスク管理でしっかりと結果を出してもらうことに当面専念します。
距離を置いたコミュニケーションが続くのはどうしようもなく、3~6ヶ月、あるていど安定した関係が続いた後、業績・成長目標合意書を導入します。
上記のようなアプローチをとっても過剰反応が止まらないようなら、上司に相談してみてください。本来、この過剰にストレスのある人事を承諾したのは上司ですので、上司にも責任を取ってもらうしかありません。
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