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完全セルフ過ぎるうどん店が登場。なぜ現金むきだしの会計が成立するのか?

半セルフ方式のうどん店は全国的にも有名となってきていますが、ついに「完全セルフ」のうどん店が開店したそうです。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、 そのコンセプトをアピールする試みにも注目。好評となっているそのお店を紹介しています。

24h営業・完全セルフのうどん店。現金むき出しのセルフ会計は成立するのか?

あるラーメン店店主が、ユニークなうどん店を開店させました。

24時間営業で、完全セルフサービス。注文はタブレットかスマホ。前払い会計は、PayPayも使えますが、現金がむき出しになった、お札を入れるケースとコインホルダーで行います。

冷蔵庫から商品を取り出し、開封し、つゆは袋ごと湯煎にし、麺は湯切りカゴ(てぼ)で温めます。温まった麺を湯切りし、丼に移し、つゆを入れ、同封のねぎや天かすをトッピング。

その場に置かれた数種類の薬味も使い放題。カレースパイス、花椒、ブラックペッパー、魚粉、七味唐辛子、あおさ海苔、すりごま、生姜、ニンニクが用意されています。

香川の讃岐うどんでは、作る人がいて、お客さまは並んで順番に、うどん、つゆ、薬味を入れながら進む、“半セルフ方式”が主流ですが、このお店では作ることもセルフ。斬新で、面白い試みではあります。

オープンして間がないので、手順説明のために店員さんはいますが、基本的にはすべてお客さまが自分で行います。将来的には、完全無人化を目指すと言います。

このお店の特徴としては、山梨・富士吉田市のローカル麺「吉田のうどん」をリスペクトし、かなり硬めの極太面を使用していることです。

「圧倒的硬さに驚き、噛めば噛むほど、小麦の味に魅了される」というコンセプトに基づいています。つまり、つゆより麺に重きを置いているのです。

その姿勢を表現するために、架空の物語を作り、漫画でアピールしています。

タイトルは、店名ともなっている『惑星のウドンド』。「西暦2301年。地球では第3次小麦大戦が勃発し~」というストーリーがあり、その主人公の名前が「ウドンド」。

失礼ながら、内容が面白いというわけではありませんが、お店のコンセプト作りに漫画を使っていることは、新しい試みとして評価できます。漫画の数シーンを抜粋して、お店のインテリアに利用しているところもユニークです。

ただ、それ以外の店舗演出に、漫画が一切反映されていないのは残念です。やるからには、徹底した方がインパクトがあり、お客さまの印象にも残ります。

それでも、いまのところは、お客さまに好評のようです。自分で湯切りしたりすることが楽しいようで、喜ばれています。

また、このお店はうどん以外の食品やアルコールの持ち込みが自由なので、居酒屋代わりにする人がいたり、近くで買ってきた総菜などをうどんにトッピングして、アレンジを楽しんでいる人もいます。食べるためのフリースペースのようでもあります。

新しいビジネスモデルとして注目されるかもしれませんが、課題も見えています。

現在は店員さんがいますが、無人化となった場合、現金むき出しの会計は安全なのでしょうか。防犯カメラを設置していますが、窃盗の危険はなくなりません。最近店舗を増やしている無人の餃子販売でも、お金を払わない事件が多発しています。

無人販売のリスクは承知しているでしょうが、このお店の場合は、お金を払わないだけではなく、現金を持ち去られるかもしれないのです。

性善説の上に成り立っている無人販売ですが、商売として成り立つのでしょうか。いまの日本では、疑問だらけです。

しかし、面白い試みなので、経過を観察したいと思います。課題を解決しながら、成功することを願います。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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