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YouTube logo on the front view Apple MacBook Pro screen. YouTube presentation concept. YouTube is a video-sharing site allows users to upload, view, and share videos. Varna, Bulgaria - May 31, 2015.

まずはYouTubeを開く。物ごとを「複数の視点で見られる人になる特訓」ってどうやるの?

Google、マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員などを経て、現在はIT批評家として活躍されている尾原和啓さんがビジネスでもプライベートでも大切にしているのは「複数の視点から見る」ということ。しかしなかなか難しいですよね。そこで、尾原さんは自身のメルマガ『尾原のアフターデジタル時代の成長論』のなかで、YouTubeを使った方法について語っています。

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米ペロシ議員の台湾訪問は「複数の視点から見ることがすごく大事」の好例

今日は、週末とか時間のあるときにぜひやってもらえたらなという、「複数の視点から見ることが大事」っていう話をしたいと思います。

複数の視点から見ることが大事

2022年8月にアメリカのペロシ議員が台湾に訪れた時には、色んな議論が起きました。とくに中国が日本の経済水域にミサイルを撃ち込んだりっていうことが起こっていたわけなんですけど、こういうときこそ、「複数の視点から見ることがすごく大事」なんですよね。

つい僕たちって、自分に危害が加わるかも知れないってなると、身をすくめてしまって恐怖で動きが取れなくなるときもあるし、怒りが起こってくるときもあるし、ないしは、一方的に相手が悪いって思ってしまうかも知れない。こういった感情にとらわれると、すごく単方向な解決しか生まれにくいシチュエーションになるんですよね。

なので、皆さんにやっていただきたい本当に簡単なことは、YouTubeとかTikTokとかいまや僕たちって世界中の人たちが使っている情報プラットフォームがあるわけなんですけど、こういう時には日本の情報を見るだけじゃなくて、例えば、“Taiwan”とか“Japan”とか簡単な英語で良いのでYouTubeを検索してほしいんですよね。

そうすると、アメリカ側のニュースがどういう風にそれを伝えているのか見れるし、ないしは「台湾と日本」っていうのをGoogle翻訳でTaiwanese(台湾語)にして、YouTubeで検索してみてほしいんですよ。そうすると、台湾ではどういう風に報道しているのかが見れるんですよね。

もしかしたら、「いやいや、尾原さんみたいに英語できないですよ。」とか「尾原さん、台湾語って繁体字できましたっけ?」っていう風に言うかも知れないですけど、僕は繁体字って全くできないんですよね。

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YouTubeで字幕を自動生成

でも今はありがたいことに、YouTubeって自動翻訳があるんですよね。特にちょっと手間なんですけど、PCを持っている人はPCをいま立ち上げて、YouTubeに入ってもらいたいんですよ。

たった2ステップやるだけで、世界50か国語以上の動画が簡単に日本語で見れちゃうんですよ。さらに言えば、実は文字なんか読めなくても伝わることもある、っていうこともあとで説明します。

いまYouTubeって字幕の機能がついているんですよね。だからYouTubeの動画を開いたら、右下に字幕の「・・・」っていうマークがついているんですよね。そこをクリックすると字幕が出たり、上に“CC”(Closed Captioning)っていうマークがあって、クリックすると字幕が出ます。

これはまだ英語とか台湾語とか、現地の言葉なんですよね。でも次に右下の歯車をチェックすると字幕を何語で選ぶか?っていうのが出てくるんですよ。ここがトリッキーなんですけど、字幕を「自動生成」っていう音声認識で字幕を作るやつを選んで、そこで一回閉じます。

もう一回、歯車ボタンを押すと、実は自動生成した字幕って自動翻訳の対象になるので、英語だろうが、台湾語だろうが、自動生成した字幕を日本語に翻訳するっていうのが、2回目のクリックで出るんですよ。

しかもありがたいことに、ニュースアナウンサーの言葉ってめちゃくちゃきれいだから、字幕の生成確度が高いので、かなり読める日本語になるんですよね。

そうすることによって、こういう事態っていうのが、「日本側から見たら○○なんだけど、アメリカからみたら××の理屈で喋ってるよね。」とか、「台湾側からみると、△△の理屈に見えているよね。」っていうことが見える、これは分析することよりも、自分が冷静になることが大事なんです。

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多角的に見ることで冷静になれる

どうしても、殴りかけられたときに、身がすくんでしまったり、怒りに感情をぶつけたり、っていう風に反射的に見てしまうんですけど、それがアメリカ側からみたときにはどういう風なものなのか、台湾側からはどう見えているのか、っていうこと見るだけで、冷静になれるんですよ。

さらに、もう一歩踏み込んでそういった字幕を見ていくと、分析できたり、多角的に見ることができるんですよ。「多角的に見ましょう」っていう話って僕のサロンではずっとお話しさせていただいているんですけど、こういう時こそ大事なんですよね。

AIの力、字幕の力を頼っていくっていうことがすごく大事なので、この際、会社の休み時間とかでも良いと思うんですよ。

PCでYouTubeを見る、で歯車を押して字幕自動生成、もう一回歯車を押して、自動生成から翻訳して日本語、これをするだけで多角的な視点で同じニュースを他の方向から見ることができるので、ぜひやって欲しいんですよね。

ニュースって動画の作りこみが良くできているから、英語とか中国語とか台湾語が分からなくても、画像がどういう風に出ているのか、どういうトーンで文字や字幕が出ているのかを見るだけで、何に対してどういう感情でいるか、どこに感情が集まっているのか?っていうことがわかるので。

こういう自分が攻撃される対象になったときこそ、外側の目からどう見えているのか?っていうのをYoutubeとかInstagramとかTikTokでいま話題になっている言葉を、現地の言葉でいうと何なのか?Taiwan, Japan, これをGoogle翻訳で台湾語にしてそれをYouTubeに取り込むだけでOKなんですよね。

そういう風にシンプルなことを5分やるだけで、全然変わってくるので、感情が動く時にこそ、自分に危機を感じて多角的に見るっていうことを、ぜひやって欲しいなっていうのが僕からのメッセージです。

バタバタしている時こそ、振り回されずに僕たちの未来をつないでいきましょう。というわけで、バイバイ。

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image by:Alexey Boldin / Shutterstock.com

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IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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【著者】 尾原和啓 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月・木曜日 発行予定

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