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東京に中国警察のスパイ拠点。TikTokで日本国民の個人情報収集か

今や全世界でのユーザー数が10億人を突破したTikTok。しかしその利用にあたっては細心の注意が必要なようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、中国警察が日本をはじめ世界各国に在外拠点を置いている事実と、彼らが秘密裏に行っている活動内容を紹介。さらにその情報収集に、TikTokが使用されている可能性が高いことを指摘しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年12月21日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【中国】TikTokと中国警察の在外拠点の関係

米共和党議員、TikTok懸念 中国へ情報流出、4閣僚に書簡

アメリカ共和党のマコール下院外交委員会筆頭委員とロジャース下院軍事委員会筆頭委員は、中国系動画投稿アプリTikTokを通じて、アメリカ人利用者の情報を入手する恐れがあるとして、ブリンケン国務長官やオースティン国防長官、イエレン財務長官ら4人の閣僚に対して懸念を伝える書簡を送ったと発表しました。

これに先立ち、アメリカ上院は12月14日、政府が所有する機器でのTikTokの使用を禁じる法案を全会一致で可決しています。また、州レベルでも同様の動きが広まっているそうです。

米政府機器で使用禁止法案 TikTok、上院可決

11月にはFBIのレイ長官、12月にはCIAのバーンズ長官が、TikTokを通じて中国政府に情報が流出する可能性を警告していました。

TikTokを運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)は「事実無根」と反発していますが、TikTokを警戒して使用を禁じているのはアメリカだけではありません。アメリカよりも先にインドは2020年からTikTokをはじめとして59の中国製スマホアプリの使用を禁止しています。

TikTok禁止、アメリカ政府が検討。インドはすでに禁止、オーストラリアは検討中との報道

また、台湾でも公的機関でのTikTokの利用は禁じられています。また、中国のSNS企業が台湾で事業活動することも禁止されています。ところが最近、TikTokに関連する企業が台湾に拠点を築き、違法な事業展開を行っている疑いが出ており、捜査当局が調査を開始しています。

TikTokと関連ある企業 台湾に違法に拠点の疑い 捜査当局調べる

インドや台湾がTikTokを早い時期から警戒していたのは、中国への情報流出はもちろんですが、フェイクニュースを拡散する疑いもあるからです。政治家や政府高官の機密情報が漏れる危険性とともに、中国にとって都合のいい情報ばかりが流され、世論操作による政治介入、さらには社会の分断と混乱を招く恐れがあるのです。

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先日、スペインの人権活動団体「セーフガード・ディフェンダーズ」は、中国政府が全世界100カ所以上の国や地域で秘密裏に海外警察署を設置しているという報告書を発表しました。言うまでもありませんが、これは他国の主権を侵害する行為にほかなりません。この報告書によれば、日本にも東京など2カ所に中国警察の拠点を置いていることが判明しており、日本の外務省は中国政府に「断じて容認できない」と申し入れしました。

中国が世界で100カ所以上の警察署を開設、一部の国は支援も 報告書
中国警察の海外拠点、日本に2か所か…外務省が「断じて容認できない」と申し入れ

こうした中国警察の海外拠点は、在外中国人、とりわけ中国人の人権運動家を見張るためだと言われています。実際、反政府抗議運動に参加したり支持した中国人に対して、海外警察を名乗る人物から執拗に脅迫を受けたり、帰国を強く迫られるケースが報告されています。

暗躍する中国の「海外警察」…携帯に着信100回超、駅前でナイフちらつかせ「殺すぞ」

こうした在外中国人の情報入手にもTikTokが使用されている可能性があります。むしろ関係がないと考えるほうが不自然でしょう。中国には「国家情報法」という法律があり、その第7条では「中国の国民や組織は中国政府の情報(諜報)活動に協力する義務がある」と明記されているからです。TikTokの運営会社が中国企業である以上、この法律に従うのは当然のことなのです。

見えぬ中国の「情報」リスク LINEが突きつけた問い

そしてこの情報収集は、在外中国人だけに留まらないのは言うまでもありません。各国に展開している中国警察の拠点とTikTokからの情報で、場合によっては日本の警察以上に、中国警察が日本人各個人の動向を把握している可能性すらあるのです。

TikTokは撮影者などの顔から撮影場所、周辺の風景などの情報が認識可能です。膨大な数の動画をデータ化すれば、日本各地のさまざまな人物や場所の情報を得ることができます。もちろん、撮影ではなく見る側についても、地域の年齢構成から動画の好み、思想性までも把握されてしまう恐れがあります。

相手の好みがわかれば、親しく近づくことも容易ですし、さらに深くスパイ活動を行うことも簡単にできてしまいます。親中的な日本人、反中的な日本人を分別したり、在日スパイによって罠にはめる、意のままに動くように脅迫する、といったことも簡単でしょう。

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そもそもスパイとは、中国では古代からの伝統文化で、中国の開祖とされる黄帝の宮殿からはじまり、中国史には欠かせない要素です。『孫子』などのいわゆる「武経七書」が有名ですが、『孫子』の「用間篇」はスパイの在り方について述べたものです。

明の時代からは、錦衣衛(皇帝の近衛スパイ部隊)から、東厥、西厥をはじめスパイを重視する「内行厥」までつくられ、宮廷から全国各地にスパイが送られ、人民はみながんじがらめにされていました。

日本の敗戦後、国民党によって統治された台湾での私の小学校時代は、「密告しないと罪人と同罪(知情不報同罪)」という歌がつくられ、学校から町へ出て歌いながら町を練り歩いたものでした。スパイだと密告した者は、密告された者の財産の40%が与えられるため、一時は密告者が百鬼夜行し、スパイだらけの人間不信社会となっていました。かつての台湾はそんな息苦しい社会でした。

それは、精神社会にも影響を与えました。道教では「三尸」とよばれる人の体内に住む三匹の虫がいるとされ、庚申にあたる夜に、人の眠っているすきに体内から抜け出て、その人の罪悪を天帝に密告すると言われています。

そして現在の中国は、この人民に対するスパイ網を、ITとグローバル化によって海外にまで広げ、各国の国民までを監視するようになったというわけです。

こうしたことに、日本人は非常に鈍感で危機感がありません。そもそも日本にはスパイ防止法がありませんし、防衛費の増額すら問題視される状況で、およそ国家安全保障の観念が欠落しています。普通の国で問題となっていることが共有できないのです。

だいたい、TikTokの宣伝が毎日流れている状況で、テレビのニュースではこうした話題を取り上げることができないのではないでしょうか。

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