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April 29, 2021, Brazil. In this photo illustration the Unilever logo seen displayed on a smartphone screen

大企業あるあるの停滞なし。なぜ「ラックス」のユニリーバは売れ続けるのか

日本でも多くの家庭で使われており、浴室で大活躍している「ラックス」や「ダブ」といった商品。発売元の「ユニリーバ」といえば世界でも知らない人はいないほどの巨大メーカーですよね。今回のメルマガ『理央 周の売れる仕組み創造ラボ【Marketing Report】』では、MBAホルダーの理央 周さんが、 ユニリーバがどのようにしてここまで大きくなっていったのか、ヒット商品を出せる秘密を分析しています。

この記事は音声でもお聞きいただけます。

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ユニリーバはなぜ打ち手が当たるのか?~IT・DXを駆使するデジタルマーケティングを、組織として成功させるステップ

ラックスやダブで有名な消費財メーカーのユニリーバが、持続可能で、さらに健康にフォーカスした、製品ラインアップに注力をしています。

ユニリーバは巨大な多国籍企業です。日経新聞によると、ユニリーバの2021年の売上高は520億ドル以上。

世界の人口のほぼ半数が、同社の製品を毎日使っている、という規模です。

そんな中でユニリーバは、事業目標として、2025年までに全てのパッケージを、リサイクルや再利用、堆肥化可能にするとか、2030年までに、CO2排出量実質ゼロを達成し、さらに、全ての原料を生分解性にする、といった具体的な目標を掲げています。

このSDGs志向に加えて、販売方法をこれまでよりもさらにデジタル化していこう、ネットとリアルでの販売を、融合させようと取り組んでいます。

持続可能、環境重視は今世の中で、とても感心を引くことがらですよね。

そこに、デジタルでの手法やITを、自社の販売方法にも積極的に取り入れる姿勢が見られます。

巨大で歴史のある企業の場合、新しいことを取り入れて実施するのに、組織内の抵抗があったり、時間がかかったりするものですが、市場の変化をとらえて、すぐに手を打つという企業文化がみて取れます。

ユニリーバの場合は、デジタルを多用して、健康関連アプリを作って製品と一緒に販売したり、SNSで人気のあるインフルエンサーを起用して、インターネットでの販売促進も展開するなど、積極的にIT活用をしています。

これからも、D2C= ダイレクトトゥーコンシューマーと呼ばれる、ユーザーに直接販売することの比率が高くなります。

今のうちからお客様との関係性を構築するために、ネット上での場所を作ったりしているのでしょう。

近い将来にはユニリーバは、ユーザーが新製品を探したり、買ったりクチコミをしたりする、「ソーシャルコマース」と呼ばれる売り方を目指しているのでしょう。

いうまでもなく、ブランドがコミュニティをつくることは、ロイヤルユーザーを増やすことになるので、とても理にかなった戦略と言えます。

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ITやDXは手段であって目的ではない

ユニリーバは元々、ブランド構築が得意なことに加えて、バリューチェーンと呼ばれる、製品を開発して、流通にのせ、販売店から消費者に渡る、“一連の流れ”の中でどう売るか、を考え実施するのが得意な企業です。

今回もバリューチェーンを見直して、ユーザーと関係性を構築するには、どこにどんなデジタルのテクノロジーを入れればいいのか、という顧客視点で考えているようにみて取れます。

ITはあくまで手段であって、目的はお客様価値を生み出すことです。どうしても、周りがITを取り入れると、「うちの会社もやらなければ!」と、ITを取り入れることをメインに考えてしまいがちです。

しかし、ITやDXは手段であって目的ではありません。

ユニリーバの取り組みを見ていると、商売の基本であるお客様視点が大事だ、というミッションの元に、アクションをとっています。

この姿勢でいることは、簡単なようで、企業としてキープしていくのは、非常に難しいのです。

ユニリーバのようになるためにまずやるべきは、MVVと呼ばれる、ミッション、ビジョン、バリューを掲げること。

しかし、それだけでは十分ではありません。MVVが社内に浸透し、社員が同じ価値観で動いて、はじめて、企業文化になり、ユニリーバのように、顧客視点の情勢、IT導入による利益向上、社会貢献、といったことを同時に成し遂げることができるのです。

MVVや経営理念そのものは、企業の哲学なので、とても抽象的です。

社内に浸透させるということは、社員一人一人がMVVをはらおちさせ、行動の規範にできるようになることを指します。

この浸透が難しいので、企業は苦労するのです。

浸透させる1つの考え方として注目されているのが、OKRです。

実現が難しいけれどやるべき目標=Objectiveを決め、実現に向けて必要なKey Resultsを設定する、という考え方です。

GoogleやIntelが取り入れ、成果を出したことで、有名な考え方です。

OKRは非常に重要で有益なので、またいつかこのメルマガでも紹介します。

OKRのような考え方や手法は数多くあります。

大事なことはMVVを社内に浸透させること。そのために「自社にとって何が最適か」を見極めて、多くの中から選ぶようにしましょう。

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image by: rafapress / Shutterstock.com

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ビジネス・仕事に大事なのは、情報のキモに「気づき」どう仕事に「活かす」かです。トレンドやヒット商品には共通する「仕掛け」と「思考の枠組み」があります。このメルマガでは、AI、5G、シェアリングなどのニュースや事例をもとに、私の経験とMBAのフレームワークを使い「情報の何に気づくべきか?」という勘どころを解説していきます。現状を打破したい企画マン・営業マン、経営者の方が、カタくなっている頭をほぐし情報を気づきに変えるトレーニングに使える内容です。

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