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FPが伝授、物価上昇に勝ちたい人が押さえるべき保険の見直しポイント4つ

多くの方が万が一の時に備えて加入している保険ですが、その掛け金に日々の生活が圧迫されているようでは元も子もありません。物価高騰の折、そんな保険の見直しをお勧めしているのは、ファイナンシャルプランナーで『老後資金は貯めるな!』などの著書でも知られ、NEO企画代表として数々のベストセラーを手掛ける長尾義弘さん。長尾さんは今回、「物価上昇に勝てる保険の見直し方」を詳しく紹介しています。

プロフィール:長尾 義弘(ながお・よしひろ)
ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』『定年の教科書』(河出書房新社)、『60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)。共著に『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

一度見直せば「ほったらかし」で大丈夫。FPが教える、物価上昇に勝つ「保険の見直し方」とは?

2022年は、値上げラッシュの年でした。ガソリンはもちろん、食料品、日常品などを含めて軒並み値上げされました。これは2023年も続くと予想されます。家計が厳しくなり、日々のやりくりに頭を悩ませた人も多いでしょう。

物価全体の上昇は約3%ですが、家計は、その何倍かのダメージを受けている実感があります。値上げで支出が増えた分をどこかで節約しないと赤字がどんどん膨らんでいくということになります。

節約のコツは、固定費の見直しです。そのもっとも有効なのが保険の見直しなのです。

今回は、物価上昇に勝てる保険の見直しについて説明しましょう。

一度見直しをするとあとはほったらかしで大丈夫

なぜ保険の見直しが、もっとも有効な節約方法なのかというと、効率的にしかもその効果がずっと継続できるからです。最初は、保険を調べたりして面倒な作業もありますが、見直して保険料を下げることに成功すれば、その後はほったらかしにしても、その効果がずっと続きます。

たとえば、毎月夫婦あわせての保険料が月額4万円のところ、もし見直すことで月額2万円の保険料になったら、毎月2万円の節約ができます。夫婦収入の合計が月額40万円だとすると約5%の節約です。

つまり、3%以上の物価上昇に勝てる節約ができることになるのです。

では、具体的に「物価上昇に勝てる!」保険の見直し方法を説明していきましょう。

不要な保障はないかをチェックする

保険の見直しの場合、最初に考えるのが、必要のない保障に入っていないかということです。

保険の原則は、「滅多に起こらないけれど、もし、それが起こったとき、経済的損失の大きなリスクに備える」です。

この原則をさまざまなケースに当てはめて考えることによって、どんな保険が必要なのかがわかります。

たとえば、小さい子どもがいる家庭で、両親のどちらかが死亡するということは、滅多に起こりませんが、もし起こった時には残された家族は経済的に困ります。子どもの生活費や教育費を考えると2,000万円以上必要になります。ということは生命保険は必須になります。

一方、子どもがいない共働き家庭とか、子どもがもう独立してしまったという家庭では、もしものそのようなことが起こったとしても、大きな保障は必要ありません。ですので、少ない保障額の保険でも対応できます。

また医療保険というのは、健康保険があり、高額療養費制度もありますから、自己負担額はそれほど多くはありません。ですので、入院などはたまに起こりますが、経済的な損失は小さいので、貯蓄で備えられます。つまり医療保険というのは優先度が低い保険なので見直してもいいでしょう。

特約を見直すだけでも大きな節約に

日本の大手保険会社の保険では、終身保険にさまざまな特約がついているケースがあります。そして主契約の保険料よりも、特約の保険料の方が高いということもよくあります。ですから不必要な特約を解約することで、保険料をグッと下げることができます。

どんな特約があるのかというと、契約とか保険会社によって異なりますが、「入院特約」「災害割増特約」「介護特約」「傷害特約」「通院医療特約」などさまざまです。

特約の場合は、多くは定期型になっているので、いつ解約しても損をするということはありません。

もし、主契約である終身保険が1998年以前に契約をしたものなら、予定利率がいいので、お宝保険といっていいでしょう。この主契約は、ずっとそのままにしておいて特約だけを見直すのがとても有効的な見直し方法になります。

健康ならば保険を見直すと保険料が安くなる

最近は、リスク細分型の保険が多く発売されています。あなたが、非喫煙者でBMIや血圧などが正常値ならば、保険料の割引になるかも知れません。喫煙している標準体の保険料に比べて半額近くも保険料が安くなることもあります。いま契約している保険と同じ条件でも保険料が安くなる場合があります。一度、インターネットで保険料を試算してみてください。

年払いにしてさらにクレジットカード払いで得をする

さらに、毎月引き落とされる保険料を安くする方法があります。

生命保険の場合、基本的に保険料を割引して販売するというのはありません。しかし、半年払いとか、年払いなど、まとめて支払うと割引があります。一度に支払う金額が大きくなりますが、保険料は確実に安くなります。

さらにクレジットカード払いにするとポイントがつくのでお得になります。クレジットカードは、還元率が1%以上ならばかなりお得です。

まずは、ムダな保険を見直して、保険料の支払いも得する方法に変えていけば、かなり節約ができるのではと思います。さあ、家計防衛のために保険の見直しから始めるのはいかがでしょうか。

NEWよい保険・悪い保険2023年版

プロフィール:長尾 義弘(ながお・よしひろ)
ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』『定年の教科書』(河出書房新社)、『60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)。共著に『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

image by: Shutterstock.com

長尾 義弘

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